
《実物を良く観察すると、塗装のヒントがたくさん隠れていたりします》
作品のテーマ:「さりげない精密感と使用感」
前回の記事で塗装したパーツに「退色表現」を施す予定でしたが…
ちょっと、寄り道をします。
というのも、「退色表現」をする為にパーツを見回して「どのように塗ろうか?」考えているうちに、HYAKU-SHIKIのパーツも塗り分けて欲しそうな形をしていることに気づいてしまいました。
前作QUBELEYとは違って、内部フレームが完成後も見えるようになっている部分がありますので、複数の色を塗り分けて「精密感」を表現します。
<塗り分け>
モールドの形に合わせて塗り分けます。
まずは足の裏です。組み立て説明書によるとこのパーツは「全部赤」ということなんですが、やはりここは塗り分けておきたい所です。
というわけで、さっそく塗り分けを行います。
手順は…
1.基本となる色を全体に塗る。
2."1."で塗った色を残したい所にマスキングテープを貼ってマスキングを行う。
3.塗装する。
こんな要領です。
シルバーに塗装してある上からクリアーレッドを重ね吹きして、凹んでいる箇所をマスキングテープを埋め込むようにして貼付け余分な部分をナイフで切り取ります。(下の写真右)


マスキングが完了したら、「タイヤブラック」という濃いグレーを吹き付けておきます。
先ほどのマスキングテープをはがすと、クリアーレッドで塗装した部分が残ります。

続いてフレームパーツとバックパックですが、始めに塗った色に2~3色で塗り分けて精密感を出します。
今回は、フレーム用に調色しておいた色に加えて「スーパーファインシルバー」「チタンシルバー+クリアオレンジ」「セミグロスブラック」を吹き付けます。
シルバーで塗っておいたパーツのシルバーを残したい部分にマスキングをして、フレーム色を塗りマスキングをして「チタンシルバー+クリアオレンジ」を塗装します。


さらにマスキングを施して「セミグロスブラック」を吹き付けます。


マスキングをはがす瞬間は緊張しますが、塗装工程でいちばん好きです。
<シリンダーの塗装>
HYAKU-SHIKIの脛には「油圧シリンダー」の様なパーツがあります。
ここは、油圧シリンダーっぽく見えるようにします。
このパーツはABSで成型されているので、下地にはABSの下地塗装に使える下地塗料を使用します。

これは、ガイアノーツ社から発売されている「ガイアマルチプライマー」という無色透明な下地塗料で、ABSの下地に使用出来るのでサーフェイサーの代わりに吹き付けておきます。
「ガイアマルチプライマー」を塗装したあとに「スーパーファインシルバー」を吹き付けておきます。


シルバーが乾燥したら、「スモークグレー」を重ね吹きしておきます。
シリンダーに収まる部分には手軽に金属表現が出来るハセガワトライツールの「ミラーフィニッシュ」という鏡のような金属表現が出来る、極薄の粘着シートを巻き付けます。



「油圧シリンダー」っぽくなりました!
このパーツは完成後もチラチラと目立つので、いいアクセントになると思います。
塗り分けが完了しました。

今回はメタリック色を使用して塗り分けをしました。
完成したら見えなくなってしまう部分に凝った塗装をしてしまいましたが、これはこれで「機械」っぽさを強調出来たと思います。
さて、寄り道をしてしまいましたが、今回はここまでです。
「退色表現」は次回の記事でご紹介します。。。
一種の「汚し塗装」なのですが、元の色の明るさを変えた塗料を塗装する事です。
「使用感」がどのような仕上がりになるのか…おたのしみに!
取り敢えずビビったのは足の裏の凹みにマスキングってどうやってんすか??Σ(゜Д゜)
ご指摘ありがとうございます!
足の裏の凹みは…
いったん、マスキングテープを凹みに合わせて貼って、グレーに塗りたい部分を切り取ったものが、記事の写真だったんです。(黄色い部分が切り抜いたマスキングテープです)
途中の工程を説明出来ていないので、分かりづらい記事になってますね。。。
もっと分かりやすい表現をめざしますので、今後ともよろしくお願いしますね!