《 Fさん「ねぇ、塗装いつ終わるの?」 私「まだだ!まだ終わらんよ!」》
作品のテーマ:「さりげない精密感と使用感」
<メッキパーツの塗装>
いよいよHYAKU-SHIKIの特徴であるメッキパーツに塗装を施します。
キラキラと奇麗なパーツに塗装をするのは勇気がいりますが、このまま組み立てると「おもちゃ」っぽい感じになりそうだったので完成見本のようにメッキパーツにアクセントをつけます。
このようなアクセントを、メッキの色より濃い色を塗装することで表現します。
こちらの写真のように、このメッキパーツは金色をしています。
これは「金色のメッキ」をしているわけではなく、「シルバーのメッキ」に「クリアーイエロー」を塗装する事で金色が表現されています。
したがって「クリアーイエロー」を濃い色に調色して吹き付ければ、「メッキ」を活かした表現が出来るというわけです。
(余談ですが、折り紙の「金紙」は「銀紙」に塗装をしたもので、始めから金色をしているわけではなかったりします)
というわけで、「クリアイエロー」に「クリアオレンジ」を適量混ぜてメッキパーツよりも濃い色を作ります。
***カラーレシピ***
○70%:クリアイエロー /GSIクレオス
○30%:クリアオレンジ /GSIクレオス
○適量:色の源シアン /GSIクレオス
○適量:色の源マゼンダ /GSIクレオス
<パーツの洗浄>
メッキパーツを広げてみた時に気づいたのですが、油分が付着しているように感じました。
塗料を弾く可能性があるので、念のために中性洗剤で洗う事にします。
水を弾いて奇麗な玉になりました。こうなっていれば、洗浄完了のサインです。
このまま乾燥させると、水垢が残る原因になりますので、エアブラシを乾吹きして水を吹き飛ばして乾燥させます。
<テスト塗装>
さて、パーツの乾燥を待つ間に塗装の感覚をつかむ為にテスト塗装を行います。
テストにはメッキパーツ不要なパーツを切り取ったものを使用します。
テストとして周囲よりも濃い「金色」になるように「クリアオレンジ」を塗装してみます。
写真では解りづらいのですが、「メッキ部」の所に拡散した塗料が付着したことで、少しだけ曇りました。
この色の変化も使えそうですので、吹き付ける量とエアブラシとパーツの距離を調節して塗装する事にします。
<さて、塗ります>
では、いよいよメッキパーツに塗装を施します。
塗装はフレームパーツとは逆にパーツの角に向けて「グラデーション」になるように塗装します。
また、同時にマスキングテープで色の境界線をあえてはっきりさせることで、角を強調してより立体的に仕上げる事が出来ます。
手順としては…
・パーツの山状になっている箇所にマスキングテープを貼る
・マスキングテープのフチを狙って塗装する
・パーツのフチや角の部分にフリーハンドで塗装する
といった具合になります。
というわけで、翼のパーツから塗装します。
パーツは指紋がつかないようにランナーという棒状の枠についたままの状態での作業になります。
パーツの「角」に近い所とパーツのフチにめがけて、薄く重ね吹きをして濃淡を調整します。
シャープな感じを出す為にマスキングをしながら塗装をします。
この時のコツは少しづつ吹き付けることと、エア圧を低めにすることです。
上の写真では翼だけですが、ほかのパーツは切り落とさずにランナーについたままで塗装します。
他のパーツに塗料がかかってしまわないように気をつけて、塗り終わったパーツはランナーごと切り離して乾燥させておきます。
塗装が終了しました。
「ここ」らへんを塗ったのですが、、、とってもわかりづらいですね。。。
塗料もたくさん作ったのですが、たっぷりと余ってしまいました。
後の作品でシルバーに混ぜたりして「チタンゴールド」を塗るときにでも使うことにします。。。
<パーツの切り離し>
塗料が乾燥したら、パーツを切り離します。
このHYAKU-SHIKIのメッキパーツには「アンダーゲート方式」という、パーツの切断面が外から見えない方式が採用されているので、タッチアップ(修正塗装)の必要はありません。これはありがたいですね。
下の写真のようにニッパーでカットして裏返すと、ゲートが凸型になっています。
これをナイフで切除すると、表からはパーツを切り取った跡が目立たないようになっています。
塗料が乾燥しているので、指紋がつくことなど気にせず、作業します。
どんどん切ってゆきます。
ようやく切り終えました。
ゲート跡が外から見えないとはいえ、メッキパーツの加工は神経を使います。
数が数なので、途中で心が折れそうになりましたが、無事完了です。
<細部塗装>
さて、今回もパイロットのフィギュア「クワトロ・バジーナさん」が付属していましたのでちまちまと塗装します。
それにしても小さいですね。。。
ヘルメットをかぶっている格好なので誰なのかよくわかりませんね。。。
「ハマーン・カーン」さんにも登場してもらいました。
(二人とも表情がわからないので、かえって不気味に思えるのは私だけでしょうか。。。)
メッキパーツの塗装も終え、山を越えた感じがしています。
さりげなく塗装したつもりですが、完成したときにどのような表情をだすのか今から楽しみです。
というわけで、今回はここまで。
次回は「墨入れ塗装」と「デカール貼り」の工程をご紹介します。
おたのしみに!