Imaginary Dock

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[AMX-004] QUBELEY #3-6

2011-07-25 01:33:20 | AMX-004 Qubeley 製作記
《やり直しがきかない塗装は、いつも緊張します》
前回の記事で「なんとなくパープル」に塗装したパーツが乾燥しましたので、いよいよ光沢塗装の仕上げ「クリアーコーティング」を行います。


<クリアーコーティング=トップコート>
クリアーコーティングには無色透明の塗料を使用するのですが、様々な種類のものが市販されています。
・模型用ラッカー系塗料
・模型用水性塗料
・模型用エナメル塗料
・自動車の補修塗料 (ラッカー系塗料)
・1液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
・2液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
などなど、他にも様々な種類が市販されています。

今回は模型用の「2液式ウレタン塗料=ウレタンクリア」を使用する事にしました。

ウレタンクリアとは2液式の塗料で、化学反応によって硬化する性質のある塗料です。

利点は…
・硬化するまでの時間が短い。(2~3日)
・硬化後の肉やせ(厚みの縮小)が少ない。
・ラッカー系クリア塗料には無い、独特の光沢を得られる。
・硬化後の表面が固いので、研ぎ出しが行い易い。

良いこと尽くめの「ウレタンクリア」ですがその反面で…
・作業後は道具(エアブラシなど)のメンテナンスを入念に行う必要がある。
・硬化するまでの間は、箱などに入れてホコリの付着を避ける必要がある。
・塗り方によっては割れたり、下の塗装面を侵したりすることがある。
といった特徴があります。

私の場合カーモデルを制作する時には、「クリアーコーティング」後に研ぎ出し作業をよく行うのですが、今回は「吹きっぱなし」で仕上げます。
このとき注意しなければならないのは、厚く吹き付け過ぎないようにすることと、スプレー痕を残さないようにすることです。
あと、ホコリの付着も気をつけたいところです。

<塗装前の準備>
クリア専用に使用しているエアブラシを念入りにお掃除しておき、さらに部屋の床や棚などホコリの溜まっている所を水拭きをします。

こちらはこれまでに何度か登場している「食器乾燥機」です。
塗装後のパーツをここに入れて乾燥させたり、ホコリの付着から守ってくれるのに重宝しています。

ホームセンターで購入したものですが、一度も「食器」を乾燥させるのには使っていません。。。
パーツの出し入れがしやすいように、カゴの前面を切り落として、パーツ落下防止のために、自動車用品店で買った格子状のマットを敷いてあります。
完全に模型制作専用ですね。。。

さて、QUBELEYの外部装甲パーツですが、余裕をもって乾燥機に入れたいので、2回に分けて塗装をすることにしました。
1回目の塗装は主に、面積の狭い小さなパーツにします。
塗装後、1~2日程度でホコリ付着の心配がなくなりますので、このタイミングで面積の広い大きなパーツを塗ります。


<塗料の準備>
定められた分量の「主剤」と「硬化剤」を加え、専用の溶剤で希釈します。


撹拌すると白濁しますが、気にせずよくかき混ぜて、専用溶剤を添加します。


溶剤を入れてさらに撹拌すると、透明な液体になり、塗料の準備は完了です。

混合したクリア塗料の使用可能時間は夏場だと約8時間です。
焦る必要はありませんが、手早く吹き付けます。

例によってテストをします。
「パープル」のスプーンは「つや消し・半ツヤトップコート」を塗ってあったものなので、一部分だけマスキングしました。
シルバーに見えるスプーンは、混色した「メタリックブルー」です。QUBELEYには使用していない色ですが、テストとして用意しました。
白いスプーンは外部装甲の「ホワイト」に「なんとなくパープル」を塗ったものです。


塗装方法は、まず遠くから軽く吹き付けて少しのあいだ置きます。(2~3分)


ホコリやゴミが付着していないことを確認したら、躊躇なく一気に吹き付けます。

テストは良好ですね。

<ウレタン塗装 ~1回目~>
テストがうまくいったようですので、パーツに吹き付けました。

垂れることもなく、吹き付けることが出来ました。写真では分かりづらいのですが、テっカテカで~す。
ほぼこのままの光沢で硬化しますので、2~3日はホコリが付着しないように気をつけて保管します。

<ウレタン塗装 ~2回目~>
最初に塗装したクリアが硬化しましたので、残りのパーツに塗装します。
先述と同じように塗料を混合して吹き付けました。



いい感じの光沢になりました。
こちらも、このまま2~3日の間は、硬化するまでそっとしておきます。


<こまごまとした塗装 ~円盤型のパーツ~>
ウレタンの硬化を待つ間に、塗り残したパーツの塗装を仕上げます。
まずはこちらのパーツ。

大小の円形パーツです。
購入当初から気になっていたのですが、設定上だとどのような機能を持った部品なのでしょうか?
大きい円盤はフラップのような物が重なっているような形状ですので、吸気口か冷却口のつもりで塗装してみます。
小さい方は…不明ですが、内部構造に組み付けるので何らかの支持ボルトでしょうか。
白い機体に良いアクセントになりそうです。

さっそく設定に従って「ブルー」に調色し、さっそく塗ってみました。

「ツヤあり塗料」でしたので、ギラギラした感じがしますが、これは「スミ入れ」をし易くする為の工夫です。

~カラーレシピ~
○ 適量:ウルトラブルー/Gaianotes
○ 半量:胴体用に調色したパープル


<スミ入れ ~円盤型のパーツ~>
「スミ入れ」に使用する「希釈したエナメル塗料」は表面の状態によって広がり方が異なります。
「つやあり」の表面では拡散しにくく、「つや消し」表面では拡散し易い性質があります。
ここでは、シャープな線が欲しいので「つやあり」表面に「スミ入れ」を施して、不要な部分を拭き取り、後に「つや消しクリアー」を吹き付けます。
その後、「汚し塗装」を施します。

薄めた塗料を流し込んで、乾燥を待ちます。
この時点では線の幅は不均一ですが、乾燥後拭き取るので線の太さよりも色が行き渡らせるようにしておきます。


乾燥したので、溶剤を染み込ませた綿棒で余分なところを拭き取ります。


写真左が余分な塗料を拭き取った物です。拭き取ると、スッキリとした線になり奥行き感が出ました。


さらに、「トップコート=フラットクリアー」を吹き付け、色合いを落ち着かせます。


<汚し塗装>
乾燥したパーツに「汚し塗装」を施します。
吸排気口のつもりですので、フラップの開口部のあたりは汚れが発生するはずです。
#3-4の記事で登場した「ウェザリングマスター」で汚れた感じを表現します。
付属のブラシでそのまま塗ると、全体的に汚れてしまうので、「スミ入れ」をした周辺だけ汚れがつくように、マスキングテープを貼ってウェザリングします。


今度は写真右が汚し塗装を施した物です。
さりげなく汚しているので、写真では分かりづらいですが吸排気によって「汚れた」感じを表現出来ました。



<こまごまとした塗装 ~ハマーン・カーンさん~>
続いて、QUBELEYのパイロット「ハマーン・カーン」さんを塗装します。
下地塗装の時に一緒に塗っておいたので一部「サーフェーサー」がかかっています。

単3乾電池と比較してみました。
それにしても、なんと小さいのでしょう。。。

面相筆でちまちまと塗装します。

胴体は水性アクリル塗料の「レッド」「ブルー」「ブラック」を混ぜながら塗りました。
肌の部分には「フラットフレッシュ」を塗装し、髪の部分だけはエナメル塗料の「レッド」と「ホワイト」を混ぜて塗りました。
小さすぎて、表情が分からないのですが、なぜかハマーン・カーンさんに見えてくるから不思議です。。。


外部装甲の「クリアーコーティング」をして、その他のパーツに塗装を施しました。
塗装を待つパーツも残りわずか…ウレタンの硬化が待ち遠しいです。

「ウレタンクリア」硬化後は、肩の外部装甲の内側を「ピンク」で塗り分け、細部のスミ入れを施して塗装工程の終了となります。

次回の記事では「ウレタンクリア」硬化後の外部装甲に手を入れる(細部塗装など)工程と「デカール貼り」をご紹介します。
おたのしみに。
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[AMX-004] QUBELEY #3-5

2011-07-16 00:15:22 | AMX-004 Qubeley 製作記
《完成まであと少しです》

天候も落ち着いたので、晴れていて、湿度の低い日を選び、光沢塗装の仕上げに移ろうと思います。
塗装と湿度には気を使います。
湿度の高いときに「エアブラシ塗装」すると、湿気を巻き込んで白っぽくなってしまう事があるのです。
「カブリ」と呼ばれる現象で、光沢感を損なう原因ですので、ここは天候と相談して作業します。

<仕上げ塗り (光沢塗装について)>
「ホワイト」で塗装した外部装甲の塗装はすでに乾燥していました。
ここからは、テーマである「F-1のような美しさ」を表現する為に仕上げの塗装を施します。
仕上げの塗装は…
・パールコーティング
・クリアーコーティング
の順に行います。
仕上げの塗装を2段階に分けて行うわけです。
今回の記事では、「パールコーティング」の工程をご紹介します。

対象のパーツはこちら。



<パールコーティング>
いよいよ、「パールコーティング」を行います。
当初は、本塗装のまま「クリアコート」でも良いと思ったのですが、QUBELEYの外部装甲パーツは美しい曲線で構成されていますので、光が当たったときに、ほんのりと「パール色」があったほうが立体感が出て、よりテーマに近づくのではないかと考え、「パールコーティング」の実験もかねてやって見ることにしました。

目指す色合いは「なとなく パープル」です。
光が当たった所がうっすらと「パープル」に輝くような塗装表現をします。

パールコートに使用するのは、「パール顔料」と「クリア塗料」です。

「パール顔料」とは非常に細かい粉末状の顔料で、そのまま塗り付けるのではなく、「クリア塗料=透明な塗料」に混ぜて吹き付けます。
「パール顔料」には色もいくつかあり、今回は「パープル」を使用して美しさを際立たせます。

パーツにいきなり吹付けるのは危険だと思いましたので、テストをします。
テストに用意は#3-3記事でも登場した100円ショップで売っている「使い捨てスプーン」です。

材質がプラモデルと同じ「スチロール樹脂」で出来ているので、塗装のテストにはもってこいです。
私の場合あらかじめ、まとめてサーフェイサーを吹付けてあり、テスト塗装に使用しています。
今回は外部装甲の「ホワイト」塗装の時についでに何本か塗装しておきました。


「クリア塗料」をビンに移して「パール顔料」を適量添加してよく撹拌すると、貝殻細工のような色になります。


よく撹拌したらエアブラシで塗りムラが起らないように、均一に吹き付けます。

微妙ですが、光が当たった時にうっすらと「パープル」に輝いています。
これならうまく行きそうです。

さっそく、外部装甲のパーツに「パールコート」をして乾燥をまちます。


「パールコート」前と後で効果の違いを比較してみました。
こちらは「パールコート」前の状態。ふつうに光っている感じですね。


そして「パールコート」後の状態です。光のあたっている所の周辺が「パープル」っぽく光っています。

いかがでしょうか?「なんとなくパープル」感が出てませんか?
「パールコート」は薄めに吹き付けたので、遠くから見ると、青みがかかったホワイトに見えますが、近づいて光が当たっている所をみてみると「パープル」に輝く不思議な色になりました。
「なんとなくパール」の完了です。

「パールコーティング」にはクリア塗料を使用しました。この後の「クリアーコーティング」で塗装面に影響が出てしまわないようにしっかりと乾燥させて次の工程に移りたいと思います。
このあとは、この上からさらにクリア塗料を吹き付け、最終仕上げの「クリアーコーティング」をします。
手持ちのクリア塗料は何種類かあるので、どれを使用するかはパーツの乾燥を待ちながらじっくりと考えたいと思います。

というわけで、今回はここまで。
次回は乾燥した外部装甲に「トップコート=クリアーコーティング」を施す作業をご紹介します。
お楽しみに。
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[AMX-004] QUBELEY #3-4

2011-07-10 23:58:40 | AMX-004 Qubeley 製作記
《マスキングを剥がす瞬間がいちばん好きです》

QUBELEYもようやく完成に近づき、テンションも上がります。
今回は内部構造の塗装第2弾です。
この作業で内部構造の塗装が終了します。

<脚部の塗装>
#3-3の記事で「セミグロスブラック」で塗装した部分をマスキングして他の色を塗ります。
完成すると外部装甲に覆われて、ほとんど見えなくなりますが、膝のウラなど「チラ」っとでも見えるので、丁寧に塗装したいところです。

「セミグロスブラック」を残したい所に「マスキングゾル」を塗布して色の境界線を切り出し、混色した「ガンメタル色」を塗装します。


「ガンメタ色」を残したい所に、「マスキングゾル」と「マスキングテープ」を使ってマスキングをします。
「エンジングレー」を塗装して、同じ要領で「エンジングレー」を残したい所をマスキングします。


最後に「ニュートラグレー」を吹き付けて、乾燥したら、マスキングをゆっくりと剥がします。
すると…

複合素材で構成されているかのような質感に仕上がりました!
(完成すると見えなくなるんですけどね…)

<その他のパーツ塗装>
足ウラのパーツを塗装します。
完成すると外からは見えなくなりますが、3色で塗り分けます。

まず、1色め(エンジングレー)を全体的に吹き付けた後「マスキングテープ」を使用してマスキングを施します。
その上から2色め(ニュートラグレー)を吹き付け、先ほどと同様にマスキングを施します。


3色め(タイヤブラック)を吹き付けて、マスキングをはがします。

こんな感じになりました。
色ムラや色がはみ出る事も無く、奇麗に塗り分けが出来ました。

同じ要領で「踵」「膝の裏側」も塗っておきました。


頭部のパーツの裏側も奇麗なモールドがありました。
塗り分けずにはいられなかったので、先の要領で塗り分けます。
先に「ニュートラグレー」を吹き付けておいてから溝の部分になどにマスキングをし、「エンジングレー」を吹き付けます。

「マスキングテープ」をはがすと…

色がはみ出る事も無く仕上がりました!

塗り上がるパーツが増えるごとに、テンションがあがります!


<汚し塗装>
機械は作動している限り「汚れ」が発生します。
QUBELEYは実在する訳ではありませんが、「ここは汚れてるんだろうな」と言う箇所に汚し塗装を施して、使用感を演出します。
コンセプトに従って、内部構造に「控えめ」に施します。

使用するのは、「ウェザリングマスター」という「半固形状の塗料」です。
金属を加熱した時の「焼き色」や「オイル汚れ」を表現するのに使用します。


「すす汚れ」というか、推進バーナーの噴射によって汚れた感じを表現します。
対象のパーツはこちらの脚部の内部構造パーツと肩の内部構造パーツです。


方法はとっても簡単です。
塗料を付属のブラシにのせたら…


推進バーナーの炎が出てゆきそうな方向に向かって何度か払うように擦り付けます。


比較のために実施後(左のパーツ)と実施前(右のパーツ)を並べてみました。
リアルな表現になりました。


「汚し塗装」を施しました。こうすると、使用感が出て、リアルに見えてきますね。





<タッチアップ>
「タッチアップ」をします。主にマスキングが不十分だった箇所を修正します。
方法はかんたん。
筆でちょこちょこと色を乗せてゆくだけ…

タッチアップ前
パイプ接続部分のマスキングが不十分で、中途半端な感じになっています。


タッチアップ後
接続部分に「セミグロスブラック」を細い筆でちょこちょこと塗り付けると、引き締まって見えるようになりました。



<スミ入れ>
「スミ入れ」とは薄く溶いた塗料を流し込んで、モールドの立体感を強調する手法で、様々なジャンルのプラモデル製作に使用されています。
「スミ入れ」には「エナメル塗料」という、薄めるとサラサラ状態になって流れてくれる塗料を使用します。


「スミ入れ」前です。このままでもキレイではありますが、ダクト部分にスミ入れを施して「らしさ」を表現します。


薄く溶いた「エナメル塗料」を垂らすと、「す~っ」といった感じで塗料が凹みを走ってゆきます。

写真ではとても分かりにくいですが、引き締まった感じが出て、ダクト部分がより「分割されたパイプ」の組み合わせのような感じが出ました。


内部構造の塗装が終了しました。
見えない所にこだわることも「作るよろこび」のひとつだと思います。
塗り上がったパーツを見ると、パーツが樹脂の固まりではなくQUBELEYの構成要素に変わってゆくことを実感出来ます。


ここまでに塗り上げた主なパーツです。

ほぼ全てのパーツの塗装が終了し、完成はすぐそこまできています。
一部のセンサーパーツとファンネルなどは、外部装甲の仕上げ塗装後に内側を「ピンク」で塗装する箇所がありますので、その時にまとめて塗装しておきたいと思いましたので、外部装甲の塗装が完了するまでおあずけです。

完成すると、ほとんど見えなくなるパーツの塗装にずいぶんと時間をかけてしまいましたが、大きな山をひとつこえた気分です。
細かい塗り分けで、機械っぽい立体感が出て、なかなか気に入った仕上がりになりました。

気になる箇所もいくつかありますが、それは今後の工程で他のパーツとの色合いと相談しながら考えようと思います。
(そういえば「ハマーン・カーン」さんも塗ってあげないといけませんね。)

さて、次回は いよいよ外部装甲の仕上げ塗装です。
内部構造とは違う、美しい光沢を表現する工程をご紹介します。
「めざせ、F-1! 新車の輝き」ピカピカの光沢塗装は「ホコリ対策」など難しいこともありますが、大好きな塗装作業ですので、作業が待ち遠しいです。
お楽しみに。
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