《やり直しがきかない塗装は、いつも緊張します》
前回の記事で「なんとなくパープル」に塗装したパーツが乾燥しましたので、いよいよ光沢塗装の仕上げ「クリアーコーティング」を行います。
<クリアーコーティング=トップコート>
クリアーコーティングには無色透明の塗料を使用するのですが、様々な種類のものが市販されています。
・模型用ラッカー系塗料
・模型用水性塗料
・模型用エナメル塗料
・自動車の補修塗料 (ラッカー系塗料)
・1液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
・2液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
などなど、他にも様々な種類が市販されています。
今回は模型用の「2液式ウレタン塗料=ウレタンクリア」を使用する事にしました。
ウレタンクリアとは2液式の塗料で、化学反応によって硬化する性質のある塗料です。
利点は…
・硬化するまでの時間が短い。(2~3日)
・硬化後の肉やせ(厚みの縮小)が少ない。
・ラッカー系クリア塗料には無い、独特の光沢を得られる。
・硬化後の表面が固いので、研ぎ出しが行い易い。
良いこと尽くめの「ウレタンクリア」ですがその反面で…
・作業後は道具(エアブラシなど)のメンテナンスを入念に行う必要がある。
・硬化するまでの間は、箱などに入れてホコリの付着を避ける必要がある。
・塗り方によっては割れたり、下の塗装面を侵したりすることがある。
といった特徴があります。
私の場合カーモデルを制作する時には、「クリアーコーティング」後に研ぎ出し作業をよく行うのですが、今回は「吹きっぱなし」で仕上げます。
このとき注意しなければならないのは、厚く吹き付け過ぎないようにすることと、スプレー痕を残さないようにすることです。
あと、ホコリの付着も気をつけたいところです。
<塗装前の準備>
クリア専用に使用しているエアブラシを念入りにお掃除しておき、さらに部屋の床や棚などホコリの溜まっている所を水拭きをします。
こちらはこれまでに何度か登場している「食器乾燥機」です。
塗装後のパーツをここに入れて乾燥させたり、ホコリの付着から守ってくれるのに重宝しています。
ホームセンターで購入したものですが、一度も「食器」を乾燥させるのには使っていません。。。
パーツの出し入れがしやすいように、カゴの前面を切り落として、パーツ落下防止のために、自動車用品店で買った格子状のマットを敷いてあります。
完全に模型制作専用ですね。。。
さて、QUBELEYの外部装甲パーツですが、余裕をもって乾燥機に入れたいので、2回に分けて塗装をすることにしました。
1回目の塗装は主に、面積の狭い小さなパーツにします。
塗装後、1~2日程度でホコリ付着の心配がなくなりますので、このタイミングで面積の広い大きなパーツを塗ります。
<塗料の準備>
定められた分量の「主剤」と「硬化剤」を加え、専用の溶剤で希釈します。
撹拌すると白濁しますが、気にせずよくかき混ぜて、専用溶剤を添加します。
溶剤を入れてさらに撹拌すると、透明な液体になり、塗料の準備は完了です。
混合したクリア塗料の使用可能時間は夏場だと約8時間です。
焦る必要はありませんが、手早く吹き付けます。
例によってテストをします。
「パープル」のスプーンは「つや消し・半ツヤトップコート」を塗ってあったものなので、一部分だけマスキングしました。
シルバーに見えるスプーンは、混色した「メタリックブルー」です。QUBELEYには使用していない色ですが、テストとして用意しました。
白いスプーンは外部装甲の「ホワイト」に「なんとなくパープル」を塗ったものです。
塗装方法は、まず遠くから軽く吹き付けて少しのあいだ置きます。(2~3分)
ホコリやゴミが付着していないことを確認したら、躊躇なく一気に吹き付けます。
テストは良好ですね。
<ウレタン塗装 ~1回目~>
テストがうまくいったようですので、パーツに吹き付けました。
垂れることもなく、吹き付けることが出来ました。写真では分かりづらいのですが、テっカテカで~す。
ほぼこのままの光沢で硬化しますので、2~3日はホコリが付着しないように気をつけて保管します。
<ウレタン塗装 ~2回目~>
最初に塗装したクリアが硬化しましたので、残りのパーツに塗装します。
先述と同じように塗料を混合して吹き付けました。
いい感じの光沢になりました。
こちらも、このまま2~3日の間は、硬化するまでそっとしておきます。
<こまごまとした塗装 ~円盤型のパーツ~>
ウレタンの硬化を待つ間に、塗り残したパーツの塗装を仕上げます。
まずはこちらのパーツ。
大小の円形パーツです。
購入当初から気になっていたのですが、設定上だとどのような機能を持った部品なのでしょうか?
大きい円盤はフラップのような物が重なっているような形状ですので、吸気口か冷却口のつもりで塗装してみます。
小さい方は…不明ですが、内部構造に組み付けるので何らかの支持ボルトでしょうか。
白い機体に良いアクセントになりそうです。
さっそく設定に従って「ブルー」に調色し、さっそく塗ってみました。
「ツヤあり塗料」でしたので、ギラギラした感じがしますが、これは「スミ入れ」をし易くする為の工夫です。
~カラーレシピ~
○ 適量:ウルトラブルー/Gaianotes
○ 半量:胴体用に調色したパープル
<スミ入れ ~円盤型のパーツ~>
「スミ入れ」に使用する「希釈したエナメル塗料」は表面の状態によって広がり方が異なります。
「つやあり」の表面では拡散しにくく、「つや消し」表面では拡散し易い性質があります。
ここでは、シャープな線が欲しいので「つやあり」表面に「スミ入れ」を施して、不要な部分を拭き取り、後に「つや消しクリアー」を吹き付けます。
その後、「汚し塗装」を施します。
薄めた塗料を流し込んで、乾燥を待ちます。
この時点では線の幅は不均一ですが、乾燥後拭き取るので線の太さよりも色が行き渡らせるようにしておきます。
乾燥したので、溶剤を染み込ませた綿棒で余分なところを拭き取ります。
写真左が余分な塗料を拭き取った物です。拭き取ると、スッキリとした線になり奥行き感が出ました。
さらに、「トップコート=フラットクリアー」を吹き付け、色合いを落ち着かせます。
<汚し塗装>
乾燥したパーツに「汚し塗装」を施します。
吸排気口のつもりですので、フラップの開口部のあたりは汚れが発生するはずです。
#3-4の記事で登場した「ウェザリングマスター」で汚れた感じを表現します。
付属のブラシでそのまま塗ると、全体的に汚れてしまうので、「スミ入れ」をした周辺だけ汚れがつくように、マスキングテープを貼ってウェザリングします。
今度は写真右が汚し塗装を施した物です。
さりげなく汚しているので、写真では分かりづらいですが吸排気によって「汚れた」感じを表現出来ました。
<こまごまとした塗装 ~ハマーン・カーンさん~>
続いて、QUBELEYのパイロット「ハマーン・カーン」さんを塗装します。
下地塗装の時に一緒に塗っておいたので一部「サーフェーサー」がかかっています。
単3乾電池と比較してみました。
それにしても、なんと小さいのでしょう。。。
面相筆でちまちまと塗装します。
胴体は水性アクリル塗料の「レッド」「ブルー」「ブラック」を混ぜながら塗りました。
肌の部分には「フラットフレッシュ」を塗装し、髪の部分だけはエナメル塗料の「レッド」と「ホワイト」を混ぜて塗りました。
小さすぎて、表情が分からないのですが、なぜかハマーン・カーンさんに見えてくるから不思議です。。。
外部装甲の「クリアーコーティング」をして、その他のパーツに塗装を施しました。
塗装を待つパーツも残りわずか…ウレタンの硬化が待ち遠しいです。
「ウレタンクリア」硬化後は、肩の外部装甲の内側を「ピンク」で塗り分け、細部のスミ入れを施して塗装工程の終了となります。
次回の記事では「ウレタンクリア」硬化後の外部装甲に手を入れる(細部塗装など)工程と「デカール貼り」をご紹介します。
おたのしみに。
前回の記事で「なんとなくパープル」に塗装したパーツが乾燥しましたので、いよいよ光沢塗装の仕上げ「クリアーコーティング」を行います。
<クリアーコーティング=トップコート>
クリアーコーティングには無色透明の塗料を使用するのですが、様々な種類のものが市販されています。
・模型用ラッカー系塗料
・模型用水性塗料
・模型用エナメル塗料
・自動車の補修塗料 (ラッカー系塗料)
・1液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
・2液式ウレタン塗料 (模型/工芸/自動車の補修塗料)
などなど、他にも様々な種類が市販されています。
今回は模型用の「2液式ウレタン塗料=ウレタンクリア」を使用する事にしました。
ウレタンクリアとは2液式の塗料で、化学反応によって硬化する性質のある塗料です。
利点は…
・硬化するまでの時間が短い。(2~3日)
・硬化後の肉やせ(厚みの縮小)が少ない。
・ラッカー系クリア塗料には無い、独特の光沢を得られる。
・硬化後の表面が固いので、研ぎ出しが行い易い。
良いこと尽くめの「ウレタンクリア」ですがその反面で…
・作業後は道具(エアブラシなど)のメンテナンスを入念に行う必要がある。
・硬化するまでの間は、箱などに入れてホコリの付着を避ける必要がある。
・塗り方によっては割れたり、下の塗装面を侵したりすることがある。
といった特徴があります。
私の場合カーモデルを制作する時には、「クリアーコーティング」後に研ぎ出し作業をよく行うのですが、今回は「吹きっぱなし」で仕上げます。
このとき注意しなければならないのは、厚く吹き付け過ぎないようにすることと、スプレー痕を残さないようにすることです。
あと、ホコリの付着も気をつけたいところです。
<塗装前の準備>
クリア専用に使用しているエアブラシを念入りにお掃除しておき、さらに部屋の床や棚などホコリの溜まっている所を水拭きをします。
こちらはこれまでに何度か登場している「食器乾燥機」です。
塗装後のパーツをここに入れて乾燥させたり、ホコリの付着から守ってくれるのに重宝しています。
ホームセンターで購入したものですが、一度も「食器」を乾燥させるのには使っていません。。。
パーツの出し入れがしやすいように、カゴの前面を切り落として、パーツ落下防止のために、自動車用品店で買った格子状のマットを敷いてあります。
完全に模型制作専用ですね。。。
さて、QUBELEYの外部装甲パーツですが、余裕をもって乾燥機に入れたいので、2回に分けて塗装をすることにしました。
1回目の塗装は主に、面積の狭い小さなパーツにします。
塗装後、1~2日程度でホコリ付着の心配がなくなりますので、このタイミングで面積の広い大きなパーツを塗ります。
<塗料の準備>
定められた分量の「主剤」と「硬化剤」を加え、専用の溶剤で希釈します。
撹拌すると白濁しますが、気にせずよくかき混ぜて、専用溶剤を添加します。
溶剤を入れてさらに撹拌すると、透明な液体になり、塗料の準備は完了です。
混合したクリア塗料の使用可能時間は夏場だと約8時間です。
焦る必要はありませんが、手早く吹き付けます。
例によってテストをします。
「パープル」のスプーンは「つや消し・半ツヤトップコート」を塗ってあったものなので、一部分だけマスキングしました。
シルバーに見えるスプーンは、混色した「メタリックブルー」です。QUBELEYには使用していない色ですが、テストとして用意しました。
白いスプーンは外部装甲の「ホワイト」に「なんとなくパープル」を塗ったものです。
塗装方法は、まず遠くから軽く吹き付けて少しのあいだ置きます。(2~3分)
ホコリやゴミが付着していないことを確認したら、躊躇なく一気に吹き付けます。
テストは良好ですね。
<ウレタン塗装 ~1回目~>
テストがうまくいったようですので、パーツに吹き付けました。
垂れることもなく、吹き付けることが出来ました。写真では分かりづらいのですが、テっカテカで~す。
ほぼこのままの光沢で硬化しますので、2~3日はホコリが付着しないように気をつけて保管します。
<ウレタン塗装 ~2回目~>
最初に塗装したクリアが硬化しましたので、残りのパーツに塗装します。
先述と同じように塗料を混合して吹き付けました。
いい感じの光沢になりました。
こちらも、このまま2~3日の間は、硬化するまでそっとしておきます。
<こまごまとした塗装 ~円盤型のパーツ~>
ウレタンの硬化を待つ間に、塗り残したパーツの塗装を仕上げます。
まずはこちらのパーツ。
大小の円形パーツです。
購入当初から気になっていたのですが、設定上だとどのような機能を持った部品なのでしょうか?
大きい円盤はフラップのような物が重なっているような形状ですので、吸気口か冷却口のつもりで塗装してみます。
小さい方は…不明ですが、内部構造に組み付けるので何らかの支持ボルトでしょうか。
白い機体に良いアクセントになりそうです。
さっそく設定に従って「ブルー」に調色し、さっそく塗ってみました。
「ツヤあり塗料」でしたので、ギラギラした感じがしますが、これは「スミ入れ」をし易くする為の工夫です。
~カラーレシピ~
○ 適量:ウルトラブルー/Gaianotes
○ 半量:胴体用に調色したパープル
<スミ入れ ~円盤型のパーツ~>
「スミ入れ」に使用する「希釈したエナメル塗料」は表面の状態によって広がり方が異なります。
「つやあり」の表面では拡散しにくく、「つや消し」表面では拡散し易い性質があります。
ここでは、シャープな線が欲しいので「つやあり」表面に「スミ入れ」を施して、不要な部分を拭き取り、後に「つや消しクリアー」を吹き付けます。
その後、「汚し塗装」を施します。
薄めた塗料を流し込んで、乾燥を待ちます。
この時点では線の幅は不均一ですが、乾燥後拭き取るので線の太さよりも色が行き渡らせるようにしておきます。
乾燥したので、溶剤を染み込ませた綿棒で余分なところを拭き取ります。
写真左が余分な塗料を拭き取った物です。拭き取ると、スッキリとした線になり奥行き感が出ました。
さらに、「トップコート=フラットクリアー」を吹き付け、色合いを落ち着かせます。
<汚し塗装>
乾燥したパーツに「汚し塗装」を施します。
吸排気口のつもりですので、フラップの開口部のあたりは汚れが発生するはずです。
#3-4の記事で登場した「ウェザリングマスター」で汚れた感じを表現します。
付属のブラシでそのまま塗ると、全体的に汚れてしまうので、「スミ入れ」をした周辺だけ汚れがつくように、マスキングテープを貼ってウェザリングします。
今度は写真右が汚し塗装を施した物です。
さりげなく汚しているので、写真では分かりづらいですが吸排気によって「汚れた」感じを表現出来ました。
<こまごまとした塗装 ~ハマーン・カーンさん~>
続いて、QUBELEYのパイロット「ハマーン・カーン」さんを塗装します。
下地塗装の時に一緒に塗っておいたので一部「サーフェーサー」がかかっています。
単3乾電池と比較してみました。
それにしても、なんと小さいのでしょう。。。
面相筆でちまちまと塗装します。
胴体は水性アクリル塗料の「レッド」「ブルー」「ブラック」を混ぜながら塗りました。
肌の部分には「フラットフレッシュ」を塗装し、髪の部分だけはエナメル塗料の「レッド」と「ホワイト」を混ぜて塗りました。
小さすぎて、表情が分からないのですが、なぜかハマーン・カーンさんに見えてくるから不思議です。。。
外部装甲の「クリアーコーティング」をして、その他のパーツに塗装を施しました。
塗装を待つパーツも残りわずか…ウレタンの硬化が待ち遠しいです。
「ウレタンクリア」硬化後は、肩の外部装甲の内側を「ピンク」で塗り分け、細部のスミ入れを施して塗装工程の終了となります。
次回の記事では「ウレタンクリア」硬化後の外部装甲に手を入れる(細部塗装など)工程と「デカール貼り」をご紹介します。
おたのしみに。