
《塗装がきまるとやっぱり嬉しいです》
作品のテーマ:「さりげない精密感と使用感」
フレームをはじめとして、各パーツに基本塗装が完了しました。
今回はフレームパーツに「退色表現」をします。
<退色表現>
塗装が施された物体は、経年変化や使用環境によって色が褪せてゆきます。
プラモデルの場合でも完成後に、長期間放置しておくと色が褪せてしまう事があるのですが、ここでは塗装の段階ですでに「色あせた感じ」を表現する方法をご紹介します。
「退色表現」と言っても、「錆が浮くほど」や「何十年も放置されたような感じ」ではなく、どちらかというと「角と立体感を演出する」方向に近い表現をします。
今回は「さりげない使用感」がテーマですので、「なんとなく退色」させた色を塗って立体感を強調します。
前作の「まるで新車のようなQUBELEY」と対比させて展示したいので、HYAKU-SHIKIの場合は「製造されて間もないが、いくつもの戦闘をしている中で、退色やその他の付着物によって汚れている」というつもりで塗装します。
<フレームパーツへの塗装>
HYAKU-SHIKIは完成した後も内部フレームのパーツが見える所があり、その部分に始めに塗った色より明るい色を軽く吹き付けます。
対象のパーツはこちら。

「退色表現」に使用する塗料はフレームパーツを塗装した基本色にホワイトを足して少し明るい色を作ります。
今回はGSIクレオスの「グランプリホワイト」というアイボリーに近い色を適量まぜます。

実際のパーツに塗装する前に、フレームパーツと同じ色で塗装しておいたスプーンに試し吹きをします。
エアブラシの塗料が出てゆく量を絞って、わずかな量の塗料が出るように調整して塗装します。
マスキングテープを貼ってテープの端あたりを狙って吹き重ねます。

吹き付けるたびにマスキングテープの位置を変えて、吹き加減を調節しながら塗装すると、グラデーション模様が現れました。

テストは良好です、このグラデーションを「退色表現」として利用します。
エアブラシの塗料を吹き付ける量が決まったので、パーツにある平面に塗装を行います。
この時のポイントは「他のパーツが取り付けられる所の周辺」や「他のパーツで影になる所」そして「別の色で塗ってある所」は塗らないという事です。
要するに、塗るのは「完成後に外から見える部分だけ」という事です。
下の写真は脚のパーツです。広い平面があるように見えるのですが、スラスターが取り付けられる部分があるので、そこ以外の所に塗装をするという事になります。

続いて、簡単にマスキングをして、余計な所に塗料が飛んでしまわないようにしておきます。

2つ上の写真の「この辺」と「ここ」とした所に「なんとなく」吹き付けました。

写真左側が塗装前のパーツで右側が塗装後のパーツなのですが…
「なんとなく」過ぎて分かりませんね。。。
気にせず、その他のパーツにも同様に塗装しました。

こちらの方が分かりやすいですね。
この段階ではとってもさりげないのですが、このくらいに留めておきます。
「新品」という感じがなくなって、完成前から「使用感」が漂っています。
ちょっと物足りないと感じたので、完成時にすこしだけ「汚し塗装」をしたほうが良いかもしれません。
というわけで今回はここまで。
次回はメッキパーツの塗装工程をご紹介します。
HYAKU-SHIKIの特徴とも呼べるメッキパーツ、そのままでも奇麗なのですが、ひと手間かけてみたいと思います。
おたのしみに。