《私の手はオイリーなので塗装のときは、よくアライグマになります》
作品のテーマ:「さりげない精密感と使用感」
いよいよ、
"#3-1"の記事で用意した塗料で塗装に入ります。
今回は製作テーマである「使用感」を演出する為に「退色表現」をさりげなく施します。
工程は大まかに…
・調色した色を塗る。(今回の記事はこの作業)
・上記の明度を上げた塗料を薄く重ねて塗る。
という具合です。
それと平行して、今回も完成後には外部装甲に隠れて見えなくなるのを知りつつ、細部を「メカっぽい雰囲気」に塗り分けて仕上げます。
<塗装前の準備>
エアブラシで塗装する場合も、筆で塗装する場合も、パーツを直に手で持って塗装をするのには限界があります。
ここでは「つまようじ」を使ってパーツを保持する方法をご紹介します。
~用意するもの~
・マスキングテープ
・つまようじ
方法はいたって簡単です。
まず、「つまようじ」にマスキングテープを下の写真のように貼り、粘着面が外側になるように巻くだけ。

これを塗装したいパーツにくっつけるだけです。
巻き始めはきっちりと巻き付けて、終わりの方で緩めに巻くと、パーツにくっつける面が広くなります。
テープの長さや巻き方を変えることで、保持するパーツの形状にあわせる事が出来ます。
「つまようじ」のもう一方は洗濯バサミで倒れないように鋏んでいます。

重たいパーツや大きいパーツの場合は本数を増やしたり、くっつけた上からさらにマスキングテープを貼って、エアブラシの風圧で吹き飛んでしまわないようにしています。(パーツに「大きなダボ穴」がある場合は、「つまようじ」を直接差込んでいます。)
<火器類の塗装>
"#3-1"の記事でご紹介した塗料をして、ライフルとバズーカに塗装をします。
この塗料は、乾燥後に磨くと鈍い金属のような仕上がりになるという特徴があります。
ただ、この塗料は塗膜が厚くなり易いので、まずは、テストを行って磨いてみて実際に採用するかを判断します。
テストはいつものようにスチロール樹脂製の「使い捨てスプーン」で行います。
100円均一のお店で まとまった量が手に入ります。
プラモデルに使用されているスチロール樹脂製で、塗装をすることが出来るため、テスト塗装には重宝します。
また、スプーンは曲面で構成されているので、平面体に塗装するよりも陰影が出て、色の発色を確認し易くなります。
というわけで、さっそくテスト塗装を行います。
スプレー缶に入っている塗料をエアブラシに移し替えて吹き付け、乾燥後に一部を「コンパウンド」で磨きます。
(スプレー缶塗料をエアブラシへ移し替える方法は ”
[MSN-00100] HYAKU-SHIKI「百式」 #2-2” をどうぞ。)
「コンパウンド」で磨いたものと、「ティシュペーパー」で磨いたもの、塗装後の状態を見比べてみます。
同時に塗膜の状態も確認します。(コンパウンドはTAMIYA製コンパウンド「細目」です)

希釈をせずに塗装したので、やはり塗膜が厚い感じがします。
研磨についてはパーツの大きさを考慮して綿棒で行う事にします。
対象のパーツはこちら。
ウレタンシンナーで希釈して塗装後、丸一日乾燥させた状態です。
さらに、これを綿棒で磨いてゆくと…

こうなります。
なかなか、重厚感がでて「武器」って感じがします。
角の部分は多めに磨いて、光らせてあります。
<内部フレームパーツの塗装 その1>
"#3-1"の記事で調色した塗料で内部フレームのパーツを塗装します。
対象のパーツはこちら。
先にシルバーに塗ったパーツにはマスキングを施します。
とここで、うっかりミス!
パーツの押し出しピン跡(生産段階で生じる円形の凹凸)を処理し忘れていました。
なぜこの状態で塗装してしまったのか自分でも不思議ですが、こんな事もあるんですね。。。
見つけたからには、処理しましょう!
と、いうわけで「ラッカーパテ(白)」を押し出しピン跡があった4カ所に盛りつけて、乾燥後にペーパーをかけ均一な状態にします。

周囲より奥まった狭い箇所にペーパーをかける時は、小さく切ったペーパーを「Tの字」に折ったものをピンセットでつまんでかけています。

塗装が剥げてしますが、後でシルバーを再塗装しておきます。
さて、気を取り直して塗装作業です。
シルバーに塗装したパーツにはマスキングを施しておきます。
きっと、完成したら外からは見えなくなるんでしょうけど、とても塗り分けて欲しそうなモールドがありましたので…やります!
マスキングテープと「マスキングゾル」を駆使して、マスキングが完了しました。
調色しておいた塗料を吹き付けて乾燥させます。

シルバーの部分にエナメル塗料(フラットブラック+ハルレッド)を溶剤で薄く溶いたものを塗り、乾燥後余分な部分を拭き取って「汚れた感」を出してあります。
脛とスラスターユニットと思われるパーツ類はもう一段階マスキングをしてを塗装する予定です。
「退色表現」の第一段階が完了しました。
この上から明るさを変えた塗料を吹き重ねてゆきます。
さて、今回は内部フレームの塗装を行いました。
うっかりミスをカバーしてマスキング…
前作ほど手間はかかりませんでしたが、ガンプラは細部まで表現されていて塗装のし甲斐があります。
調色した色も、狙い通りの色に発色してくれているので、次の工程が楽しみです。
次回は、その他の外部フレームパーツの塗装と退色表現の工程をご紹介します。
お楽しみに!