メディカル・ヘルスケア☆いのべーしょん

医療と健康(ヘルスケア)融合領域におけるイノベーションを考察するブログ

医療ヘルスケア領域の現状と将来予測

2010-12-19 21:41:51 | 定例研究会
 先週土曜日に、毎月第2、第4週土曜日に青山で開かれている定例のイノベーションに関する研究会に参加し、医療とヘルスケアの融合領域でのイノベーションに関して、レビューの上、意見交換した。
 今一度、整理してみると以下のようになると考える。

 日本は世界でも類を見ない超高齢社会に突入しつつある。その健康長寿を支えるためには、ヘルスケア、医療双方からの予防が重要となり、ICT技術の導入により医療が身近なものとなる可能性が高まる。
 医療先進国である米国では、医療の現場においてICT による支援が不可欠なものとなりつつある。ICT化が遅れていた教育、医療の分野でも着実に普及が進み、特に医療シーンでは革新的な医療の提供が図られると考えられるが、課題として、標準化やガイドラインの策定、セキュリティの確保が挙げられる。

 エレクトロニクスメーカも次なる活路を「カーエレクトロニクス」や「エコ」に求めているが、中でも「ヘルスケア」は、各種センサーや通信回線が発達、安価になってきたことと相まって、デジタルヘルスケアと称し新しい産業として期待されている。
 技術的な課題としては、いかにユーザーの日常生活に溶け込み、負担を強いることなく各種生体情報を計測できるか、そして、生体情報の医学的有効性をどう検証していくか、が挙げられる。
 また事業化への課題として、薬事法への壁がある。医療機器として括られるか、健康機器として括られるかによって、守るべき規格が大きく異なり、薬事法では発売までの各種試験も厳格である。
 さらに産業化への課題は、技術そのものよりも法制度が挙げられる。現行の診療報酬では医師へのインセンティブにつながらないからである。すなわち、産業化への加速には、政府の適切な介入と国家レベルでの強力な推進が必要である。
 
 昨今、医師不足等が叫ばれているが、医療が一足飛びにパーソナルに移行するとは考えにくい。医療健康領域におけるイノベーションのシナリオとして、その過渡期にはコ・メディカルによる「メディカル・オフィス」のようなものが登場してくるだろう。そこでは既存のヘルスケアの概念を拡張した新しいヘルスケアの領域が生まれると考える。

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