日経エレクトロニクス主催の「デジタルヘルスの未来」を聴講した。
参加者数は約350人程、会場は満席で、関心の高さがうかがえた。
演目は全部で6演目あったが、何といってもハイライトは「韓国のスマートヘルスケアの現状と今後」と題した韓国におけるICT活用の事情の発表で、その内容の具体性とスピード感に圧倒され、センセーショナルで迫力があった。発表者はITジャーナリストとのことだが、博士課程の学生でもあり、その他の演者のビッグネームに比しノーマークに近かったものの(おそらく会場もそうではなかったか)、とても流暢な日本語でよどみなく説明される韓国の実情に引き込まれ、その後のセッションの市場創出のカギと題されたパネルディスカッションでも興味の対象は韓国の状況であり圧倒的な存在感を示していた。
その内容における特記事項を簡単に要約すると、、、
<スマートフォンの普及、情報化インフラの確立>
日本よりも遅れていたものの、パソコンからスマートフォンへの急速な切り替えに奏功した。98年の国家的危機を機に行政の情報化を積極的に進めていた背景がある。
スマートフォンは社会へインパクトを与え各方面に浸透している。年寄りや主婦もPCは敬遠してもスマートフォンは好適に捉えている。
住民登録票(総背番号制のようなもの?)に行政機関のどこからでもアクセスでき日本の保険証のようなものは不要。電子カルテ化などの情報化におけるメンテなども国がバックアップし普及を優先。
<強力な国家戦略>
ICTは目的ではなく手段であるものの国家戦略の中心的な役割に掲げられており、医療機器特区や盛んな美容整形に税制優遇するなど様々な施策が実施されている。
知識経済部という日本の経産省にあたる組織が様々なスマートヘルスの実証実験を行っており、そこで得られるデータを下地としてビジネスモデルにつなげていく体制をとっている。
大統領の命令といった強力なリーダーシップにより省庁の縦割り論争を排除し、トップダウンでアグレッシブに推進されている。
将来的にはEMRからEHRへとクラウド化して政府が管理することになる。
政府が強烈なイニシアティブをとり、情報化をドライブしている様子がうかがえ驚かされた。特にデジタルヘルスのような産業は、異業種の連携が必要だが、韓国の財閥系の大会社は傘下に様々な異業種を有しているため推進しやすいといった背景もあるのかもしれない。
しかしながら、ヘルスケア領域での本格的なビジネスが生まれない要因は次の言葉に集約されるように、国家的な施策が重要であり、韓国は国を挙げての取り組みとして邁進しているのだと改めて感じた。
「技術の壁よりも法規や制度、医師会の壁が大きい」
これは今回のセミナーにおいても何人かの発表者が異口同音に口にしていた言葉である。
「医療健康領域にて新規の事業や産業を、単独の機関や企業が生み出すには法規などの限界があり、行政や政府などの公的機関がトリガーをかけて、そのサポートの中で医療機関とベンダー、自治体とがアライアンスを形成するというのがよい」と演者の一人の言である。
正に韓国における国家による推進は注目すべきである。
経産省の方も2030年に向けたビジョンを発表されていたものの、総花的、概念的で漠としており、対して韓国のそれは具体的でスピード感があり、その差異に危機感さえ覚えた。
参加者数は約350人程、会場は満席で、関心の高さがうかがえた。
演目は全部で6演目あったが、何といってもハイライトは「韓国のスマートヘルスケアの現状と今後」と題した韓国におけるICT活用の事情の発表で、その内容の具体性とスピード感に圧倒され、センセーショナルで迫力があった。発表者はITジャーナリストとのことだが、博士課程の学生でもあり、その他の演者のビッグネームに比しノーマークに近かったものの(おそらく会場もそうではなかったか)、とても流暢な日本語でよどみなく説明される韓国の実情に引き込まれ、その後のセッションの市場創出のカギと題されたパネルディスカッションでも興味の対象は韓国の状況であり圧倒的な存在感を示していた。
その内容における特記事項を簡単に要約すると、、、
<スマートフォンの普及、情報化インフラの確立>
日本よりも遅れていたものの、パソコンからスマートフォンへの急速な切り替えに奏功した。98年の国家的危機を機に行政の情報化を積極的に進めていた背景がある。
スマートフォンは社会へインパクトを与え各方面に浸透している。年寄りや主婦もPCは敬遠してもスマートフォンは好適に捉えている。
住民登録票(総背番号制のようなもの?)に行政機関のどこからでもアクセスでき日本の保険証のようなものは不要。電子カルテ化などの情報化におけるメンテなども国がバックアップし普及を優先。
<強力な国家戦略>
ICTは目的ではなく手段であるものの国家戦略の中心的な役割に掲げられており、医療機器特区や盛んな美容整形に税制優遇するなど様々な施策が実施されている。
知識経済部という日本の経産省にあたる組織が様々なスマートヘルスの実証実験を行っており、そこで得られるデータを下地としてビジネスモデルにつなげていく体制をとっている。
大統領の命令といった強力なリーダーシップにより省庁の縦割り論争を排除し、トップダウンでアグレッシブに推進されている。
将来的にはEMRからEHRへとクラウド化して政府が管理することになる。
政府が強烈なイニシアティブをとり、情報化をドライブしている様子がうかがえ驚かされた。特にデジタルヘルスのような産業は、異業種の連携が必要だが、韓国の財閥系の大会社は傘下に様々な異業種を有しているため推進しやすいといった背景もあるのかもしれない。
しかしながら、ヘルスケア領域での本格的なビジネスが生まれない要因は次の言葉に集約されるように、国家的な施策が重要であり、韓国は国を挙げての取り組みとして邁進しているのだと改めて感じた。
「技術の壁よりも法規や制度、医師会の壁が大きい」
これは今回のセミナーにおいても何人かの発表者が異口同音に口にしていた言葉である。
「医療健康領域にて新規の事業や産業を、単独の機関や企業が生み出すには法規などの限界があり、行政や政府などの公的機関がトリガーをかけて、そのサポートの中で医療機関とベンダー、自治体とがアライアンスを形成するというのがよい」と演者の一人の言である。
正に韓国における国家による推進は注目すべきである。
経産省の方も2030年に向けたビジョンを発表されていたものの、総花的、概念的で漠としており、対して韓国のそれは具体的でスピード感があり、その差異に危機感さえ覚えた。