翌日の午後。
近所の若い衆と一緒に、滝遊びに出かけた。
むろん、ゲストの哲平さんも一緒である。
*
気温は30℃を超え、滝壺の周囲は飛び込みを楽しむ若いもんで一杯だ。
甥っ子を含む連れの4人が、さっそく投網を抱え滝壺の上に散ってゆく。
険しい岩場を軽々と飛び移ってゆく様は、まるで野猿である。
引き上げた網の中で、体調20センチほどの銀鱗が光る。
暫くして、今度は急な崖を下って滝下に移動。
長い竹竿を足場に滝壺奥の岩穴にまで入り込んで、投網を打ってゆく。
われわれも迂回路をたどり、滝下から彼らの漁を見物する。
魚籠をのぞくと、すでにかなりの大漁だ。
若い衆が川原に流木を集めて、素早く焚火を起こす。
熾火に獲れたての魚を載せて、こんがりと焼く。
若い衆が、焼き上がった鮎に似た魚を私と哲平さんに手渡す。
かぶりつく。
う、うまい!
哲平さんは川原にしゃがみ込んで、じっくりと味わっている様子だ。
*
残った魚は、家に戻ってラーププラー(魚の叩き)にした。
各種の薬草、香草、焙ったミニ玉ねぎなどと和え、ラープ用のナムプリック(唐辛子味噌)を混ぜ込んで軽く炒める。
胡椒の効いた香ばしい薫りとサクサクした歯触り。
頭と骨を煮込んだスープも絶品だ。
「これはご飯が進みますねえ」
お代わりのためにベランダキッチンに戻り、料理まで手伝ってくれた若い衆に哲平さんの言葉を伝えると、一斉に破顔した。
おお、ご苦労さん。
今夜はとことん飲んでくれい!
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