明け方、女性の甲高い声で目が覚めた。
「出て行け!ここから、すぐ出て行け!」
少し、たどたどしい英語である。
そして、部屋の前を通り過ぎるもつれるような足音がして、「ソーリー、ソーリー」と男の押し殺したような声が聞こえる。
なんだ、なんだ?
寝ぼけ眼をこすりつつドアを開けると、大柄な女性ファランが興奮した様子で仁王立ちになり、
「警察に突き出すよ!」
その指差す方を見ると、昼間言葉を交わした同宿の日本人男性がバイクを押してこそこそと逃げ出して行くところだった。
「**さん、どうしたの?」
声をかけたが、もちろん返事はない。
「大丈夫?怪我はない?何が起きたの?」
「ドミトリーに泊まっていたあの男が、私の体に触ったんです!」
ち、痴漢?
いやいや、これは立派な強制猥褻罪である。
*
そこへ、宿の主人ウイさんも起きだしてきた。
落ち着かせて話を聞くと、彼女はスェーデンからの旅人。
普段はドミトリーには泊まらないのだけれど、昨夜遅く宿に入って部屋がなかったので、やむなくドミトリーに泊まったのだという。
「いつもはナイフを持ち歩いているんだけど、今回は忘れてしまった。そうでなければ、とっくに突き刺しています。あの男は、ラッキーでした」
なかなか、たくましい。
それにしてもなあ。
旅先のドミトリーで、なんてことをしてくれるんだろう。
まるで、どぶネズミのようにこそこそ逃げ出してゆく姿を思い出すと、情けなくて屁も出やしない。
女に触りたければ、堂々と口説けよ、まったく!
*
というわけで、今朝は完全な寝不足。
こっちは、これから、3時間も運転しなきゃならないんだぞ。
ナッケー!
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「出て行け!ここから、すぐ出て行け!」
少し、たどたどしい英語である。
そして、部屋の前を通り過ぎるもつれるような足音がして、「ソーリー、ソーリー」と男の押し殺したような声が聞こえる。
なんだ、なんだ?
寝ぼけ眼をこすりつつドアを開けると、大柄な女性ファランが興奮した様子で仁王立ちになり、
「警察に突き出すよ!」
その指差す方を見ると、昼間言葉を交わした同宿の日本人男性がバイクを押してこそこそと逃げ出して行くところだった。
「**さん、どうしたの?」
声をかけたが、もちろん返事はない。
「大丈夫?怪我はない?何が起きたの?」
「ドミトリーに泊まっていたあの男が、私の体に触ったんです!」
ち、痴漢?
いやいや、これは立派な強制猥褻罪である。
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そこへ、宿の主人ウイさんも起きだしてきた。
落ち着かせて話を聞くと、彼女はスェーデンからの旅人。
普段はドミトリーには泊まらないのだけれど、昨夜遅く宿に入って部屋がなかったので、やむなくドミトリーに泊まったのだという。
「いつもはナイフを持ち歩いているんだけど、今回は忘れてしまった。そうでなければ、とっくに突き刺しています。あの男は、ラッキーでした」
なかなか、たくましい。
それにしてもなあ。
旅先のドミトリーで、なんてことをしてくれるんだろう。
まるで、どぶネズミのようにこそこそ逃げ出してゆく姿を思い出すと、情けなくて屁も出やしない。
女に触りたければ、堂々と口説けよ、まったく!
*
というわけで、今朝は完全な寝不足。
こっちは、これから、3時間も運転しなきゃならないんだぞ。
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