【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【まるで、台風】

2010年05月17日 | オムコイ便り
 
 昨日、昼過ぎにやってきたスコールは物凄かった。

 立て続けに鳴り響く雷のあとに、バケツの水を叩き付けるような激しい雨。

 そして、強風。

 あちこちで物がなぎ払われるような大きな音が聞こえ、思わずラーと顔を見合わせた。

 使用中のコンセントをすべて外す。

 店の前の教会広場奥の竹薮が狂ったように揺れ、その広場からは吹きちぎられた巨大な竹の皮やゴミ、ペットボトルなどが店を襲いかかるように転がってくる。

 あわてて店のシャッターを閉め、再び顔を見合わせた。

 まるで、台風である。

「凄いな」

「こんなの、今まで見たことがないよ」

 2匹の飼い犬もわれわれのそばに来てうずくまり、雷が鳴るたびにビクッと体を震わせる。

 とりわけ、雄の雄太は雷が苦手で、ヒューン、ヒューンと情けない声をあげている。

 すると、店の外にある配電盤の方から「ズズーン!」という腹の底に響くような大きな音が聞こえてきた。

 瞬間、ラーが立ち上がってシャッターの方に逃げる。

「クンター、危ないよ!」

 われわれの座っているそばの柱にヒューズボックスがあるので、それが爆発すると思ったらしい。

 やれやれ。

     *

 1時間ほどで、風もやみ、雨脚も衰えてきた。

 シャッターを開けると、巨大な孟宗竹が何本も倒れて、その下の平台をぶち壊している。

 店の前には、さっき襲いかかってきた“悪魔“の手先が死屍累々だ。

「家の様子を見に行ってくるね」

 ラーが店を飛び出して行く。

 しばらくすると、ビニール袋いっぱいのマンゴーを手に戻ってきた。

「近所の家のマンゴーの木が倒れたので、お裾分けしてもらってきた」

「家はどうだった?」

「あ、忘れてた!」

「・・・」

 結局、トタン屋根が一枚吹き飛んだだけで済んだようだ。

 しかし、家の中に整然と積んでおいたはずの材木がかなり乱れている。

 相当、揺れたらしい。

 長い間家出をしている間に雨季に入ってしまい、建て替えの時期を逸してしまったようである。

 まいったなあ。

     *

 さて、今日は小・中学校の始業日である。

 次男と3男が、昨日あがなったばかりの白いシャツ、黄土色のズボン、茶色の靴下と靴というピカピカの制服に身を固めて登校して行った。

 ところが、すでに届いているはずの次男の転校書類が、まだチェンマイの学校から届いていないという。

 原因は、寄宿舎オーナーのアメリカ人夫婦が書類にサインすることを拒んでいるかららしい。

 背景には、子供ひとりに対して支払われる年間の寄付金がからんでいる、というのがラーの推理であるが、次男が寄宿舎に入った詳しい経緯を知らない私には、何とも言いようがない。

 まあ、転校する分には問題がないらしいから(この辺は大らかで実によろしい)、しばらく待ってみて、それでも進展がない場合はチェンマイに乗り込んで彼らと直接対決するしかないようである。

 いやはや。

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