【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【ここはチェンマイの日本人宿?(1)】

2014年01月30日 | オムコイ便り

 50代の本木さんは、元バックパッカーだという。

 なにせ、初めての旅は船で上海に上陸したという筋金入りである。

 その後、貿易関係の仕事でタイを頻繁に訪問。

 現在は、大阪でアジア料理の店を営んでいるために、普段は正月も含めてまったく休みがとれない。

 そこで、年に一度まとめて一ヶ月ほど旅をするのが唯一の息抜きになっているのだそうな。

      *

 今回は、台北、クアラルンプール経由でチェンマイに一泊。

「チェンマイの日本人宿」というキーワードでネット検索していたところ、なぜかわがブログにヒットしたのだという。

 その素晴らしい検索機能がどういう仕組みになっているのかは分らないが、改めてそう言われてみれば、わがオムコイ郡は一応チェンマイ県の端っこだし、私も一応日本人の端っこである。

 従って、チェンマイの日本人宿という看板を掲げても決して羊頭狗肉ではないのであろう。

 そういえば以前、「チェンマイ滞在3日の間にソンクラーン(水掛け祭り)、エレファントキャンプ、タイガーキングダム、オムコイ一泊を楽しむことは可能だろうか」という問い合わせをもらったことがある。

 まあ、決死の覚悟でやろうと思えばできないこともあるまいが、もしかしたらその方も「チェンマイの日本人宿」という旨そうな羊頭にたぶらかされたのではあるまいか。
  
     *

 旅慣れた本木さんの場合、「チェンマイから180キロも離れたチェンマイの日本人宿というのも面白そうだ」と思ったというのだが、宿の案内には「冬季の寝袋持参をお勧めする」というとんでもない一文がある。

 なにせ、中継地の台北もすごい冷え込みで風邪をひいたばかりだ。

 そこで、電話で探りを入れてみると暇そうな番頭さんが

「おうおう、明け方の寒さは随分緩んできただによお。お客さんが少ないだに、毛布や布団はいっぱい余ってるだ。豪華焚火も他のお客さんが寄付してくれた寝袋もあるだに、心配はいらね。それにしても、物好きなことよのお。ホホホ」

 というカレン語なまりの能天気な返事を返してきた。

 しかし、なにしろ「チェンマイから180キロも離れたチェンマイの日本人宿」である。

 その言葉を、全面的に信用するわけにはいかない。

 そこで、試しに一泊してみて、どうにも寒かったら宿賃を踏み倒して(嘘です、嘘です)本当のチェンマイに逃げ帰ろう。

 そうひそかに心を決めて、本木さんはオムコイ行きの超豪華VIPオンボロバスに乗り込んだのだった。

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