![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/08/2054b96840dfffeeeee149cac430c910.jpg)
チェンマイで発行されている北タイ情報紙『CHAO(ちゃ~お)』の最新号(7月25日発行)を読んで驚いた。
この情報紙、月2回発行されており、実は私も毎月25日号に『クンター流カレン族生活体験』というコラムを連載している。
今号のタイトルは「その⑯ 村のトラブル解決法」といい、村長による後腐れのない“大岡裁き”を紹介しているのだが、その記事がなんと・・・。
写真もきれいに再現されて、いつもどおりの見事な出来映えなのだった。
ハハハ。
編集長の敏さん、脅かしてごめんなさいねえ。
*
さて、ところで。
私が一読仰天したのは、『タイで見てごラン!』(文・塩谷 勝氏)という蘭の花を紹介する新コラムなのである。
今号ではなんと、最近わが花棚で咲き誇っている「紫蘭」が紹介されているのだった。
当ブログでも何度か写真を掲載しているので、ご記憶の方も多いだろう。
まったく当てにならない女将のラーによれば、タイ語では「フアムイ」(意味はよく分らんそうだ)と呼ぶようだが、学名は「バンダ セルレア」というそうである。
記事によると、バンダとはサンスクリット語のバンダカに由来して「樹木に着生する」。セルレアとは「青色」を意味するとのこと。
つまり、「青い着生蘭」ということになる。
コラムに掲載された写真の色はかなり濃いめだが、わが家で咲く花の色はもっと微妙な色合いで、私の目には薄紫色に見える。
そこで、勝手に「紫蘭」と読んできたわけだが、「青蘭」となると平凡過ぎてちょっと拍子抜けだなあ(こらあ、学名に文句つけてどうすんだあ!)。
*
いやいや、問題はそんなことではない。
まったく知らなかったことなのだが、この花、あまりに美し過ぎて乱獲の果て絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で国家間での取引が禁止されているという。
つまり、知らずにこの株を日本に持ち帰り税関で発覚すると逮捕されるというわけだ。
うわあ、恐いなあ。
だが、無知で厚顔な番頭さん、そんなことでは驚きません。
問題は、最後の衝撃の一行なのだった。
「変種に真っ白なアルバが有り、以前は1,000万円を超えた値段で取引されました」
あわわ、あわわ。
わが家の紫蘭、実は盛りが過ぎて花が落ちる前に色が完全に抜けて、真っ白になるんであるんである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/2e/e983feb5c503170475e3a49fdc36c257.jpg)
これをなんとか誤摩化せば、大金持ちになれるぞお。
*
「ラー、大変だ、大変だ! 鼻くそほじって、テレビなんぞ見ている場合じゃないぞお!」
嫁が、がばりと跳ね起きた。
「す、すり~みりおんバーツ~う!? じゃあ、このウチの青いのはいくらするのよお? ね、ね、一体いくらするのよお~? そういえば、この間株をこっそり盗んでいった奴がいるよお。こ、殺してやるう~!」
そう口走ったのは実は私かもしれないのだが、そのあまりの興奮ぶりを見て急に気持ちが冷めてきた。
「まあ、待てまて。それは昔の話であって、第一ウチの花が白くなるのは散る寸前なんだから、どうにもならんじゃないかあ」
とはいえ、この花がかなりの高価で取引されているらしいことは何度か耳にしたことがある。
そして、いつの間にやら数株が盗まれたのも確かな話なのだ。
ちなみに、もともとの株は村の若い衆が山奥の高い木によじ登って木の股から剥ぎ取ってきたものをわが家に売り込みに来たのだった。
確か300バーツくらいだったと思うが、村内の売買としてはかなり高めだという印象があったものだ。
それを花棚や鉢状の木枠に着生させて増やしてきたのだが、まったくなあ。
知らないとは恐ろしいもので、もしも知っていたならば隣家のモーピー(霊医)と謀って、白くなった花をしばらく保たせる秘薬を開発し、すでに数千万円、もしかしたら億単位の売買に成功していたかもしれんのである。
うーむ。
うーむ。
*
ああ、いかんいかん。
コラムにはちゃんと「以前は」って書いてあるじゃないかよお。
どだい、気づくのが遅すぎるんだよお。
それにしても見直したなあ、わが家の紫蘭。
これから、脱色した白い花を見るたびに目の前に幻の大量札束がちらつくんだろうなあ。
ああ、いかん、いかん。
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