【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【なに、これ?】

2010年02月06日 | オムコイ便り
 チェンマイに出る一番の楽しみは、定宿に旅人たちが残してくれる古本である。

 前回借りだして読み終えた数冊を元に戻し、「さて、今度はどんな本に出会えるのだろう」とワクワクしながら本棚を物色する。

 今回は、幸運にも2巻まで読み終えた『不毛地帯』(山崎豊子著・新潮文庫)の第3巻が見つかり、幸先がいい。

 この本は8巻まであるから、第3巻を読み終えたときの無念さを思うとちと辛いが、まあ、ないよりはマシだ。

 この他、やはり飛び飛びながら司馬遼太郎の『坂の上の雲』や『十一番目の志士』なども見つかり、しばらくは活字に飢えることもなさそうだ。

 こうした事情を知っている同宿のKさんが、「これは最近誰かが置いていったヤツですよ」「これはなかなか面白かった」などと言いつつ、数冊を拾い上げてくれる。

 そして、いつものように見終わったDVDを数巻手渡してくれた。

 中には、いま話題の『アバター』もある。

 この他に『トランスポーター』(1)(2)、『ダイハード』(1)(2)など、なかなか盛りだくさんだ。

 これらは、ヴィザの更新で訪れたビエンチャンで入手したのだそうだ。

 彼にもらったDVDは、すでに20巻を超えるだろう。

      *

 村に戻って、さっそく『アバター』を観る。

 ネットニュースによれば、興行収入を塗り替えるほどの人気らしいが「すべて、どこかで観たようなことがある」という既視感がつきまとい、どうもストーリーに入り込めない。

「なに、これ?」

 ラーも日本語で呆れるような声を出したので、30分ほどで上映中止。

『ダイハード(1)』に切り替えた。

 これは、すでに何度も観ているはずだが、導入部にはほとんど記憶がない。

 すぐにドンパチが始まるような気がしていたのだけれど、かなり長い時間をかけて静かな伏線が張ってあり、これらがすべてラストシーンに生きてくる。

 こんなに用意周到な映画だとは思わなかった。

 そして、ラストにベートーヴェンの『第九』が効果的に使われていることにもアッと驚かされる。

「なに、これ?」

 今度は、私が感心して呟く番である。

 単なるドンパチ映画ではなかったのである。

 うーん、やるなあ。

        *

 なんの期待感もなしに古い映画を観ると、こんな新しい発見があるから面白い。

 『トランスポーター』も、理屈抜きのエンターテインメントだ。

 古本といい、DVDといい、今回のチェンマイ行きはなかなかの収穫だった。

 “痴漢騒動”で思い切りしかめた眉が、少しずつ開いてくる。

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