【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【韓国パワー全開】

2011年08月30日 | オムコイ便り

 いやあ、やっとひと息つけるようになった。

 ここ10日ほどは、朝から晩まで机にかじりついて原稿書きに集中していたのである。

 とは言っても、麺屋の手伝いもあるから頭と体の3分の1ほどはそちらにも割かなければならない。

 まあ、それも気分転換の一種だと割り切ってはきたものの、騒音のようなラーと客とのやりとりを耳から遮断するには、相当の集中力が必要だった。

 頭も体もぐったりしているが、ひと仕事終えたあとの爽快感はやはりなんとも言い難い。

       *

 前回の記事では思わせぶりな書き方になってしまったけれど、実は長い間宙に浮いていた出版の話がやっとまとまったのである。

 いまは、これを実現するための仕上げを行っているわけだが、今後も当分はさまざまな作業に追われることになる。

 まだまだ道のりは遠く険しいけれど、読者の皆様の霊力(?)パワーで、ぜひ後押しをしていただければ幸いだ。

      *

 ところで、先週末からわが家には韓国からの客人が滞在している。

 彼とはチェンマイの定宿で何度か顔を合わせ、ラオスのビエンチャンでも偶然に出くわしたりした。

 とはいうものの、私は韓国語がまったく分からず、彼も日本語や英語の単語を少しばかり知っているだけなので、ほとんど会話は通じない。

 ところが、ラーは例によって「超能力」を発揮し、なぜか意気投合した様子だ。

 彼らの会話をじっくり聞いているうちに、実はラーもほとんど彼の話が分かっていないことが判明したのだけれど、ふたりは委細構わず大声で怒鳴り合い、身振り手振りや筆談、さらには彼の「韓泰辞書」などを総動員して、傍から見るとかなりいい加減なコミュニケーションを保っている(のだろうか?)。

     *

 前述のような事情で、私には彼を案内する時間がない。

 ゆっくり付き合えるのは、晩飯のときくらいだ。

 だが、彼は朝飯を済ませると「トレッキング」として称してひとりで村歩きに出かける。

 二日目には、オムコイの町まで歩いていき、なぜか炊飯器を買って戻ってきた。

 訊けば、わが家の炊飯器が盛大な焦げ飯を作るので、発火を心配してプレゼントしてくれるのだという。

 3日ほどは村内にとどまっていたらしいが、そのウチに村を歩いている人を勝手にガイドにしてしまい、川向こうの棚田や山を歩く本格的なトレッキングにまで発展させてしまったようだ。

 晩飯に家に戻ると、そんな「ガイド」たちがわが家のベランで彼と焼酎を酌み交わしている。

 いったい、どういう風にコミュニケーションを交わしているのかまったく見当がつかないのだが、彼は委細構わず大音量で韓国語をしゃべりまくり、村人たちはなぜか「うん、うん」などと頷きつつ、大声で笑い合ったりしているのである。

      *

 飯も、こちら任せではない。

 町の市場で鶏肉を買ってきて韓国式のおかゆを作ったり、クッティアオ用の野菜に盛大に唐辛子とチューブ入りのコチジャンをぶっかけてこねまわし即製ビビンパを作ったりする。

 つまり、客人としてはまったく手がかからないのである。

 いや、むしろ、私が机に向かっていると果物を向いて皿に盛ってくれたり、ジュースやアイスクリームを差し入れてくれたりして、どっちが客か分からないありさまだ。

 きれい好きで、先日はどこからかカナバサミを買ってきて、店の前のゴミ拾いを始めた。

     *

 唯一の難点は、ラーに負けずとも劣らない大声の持ち主であるということだ。

 韓国語の発音は日本語と違って力強いから、まるで怒鳴り合いである。

 店先から彼が通りがかりの子供たちに挨拶をすると、みんながギョッとした顔で立ちすくむ。

 その後、心無しか客足が落ちたような気もする。

 しかし、それにも次第に慣れて、今では向こうから声をかけてくるようになった。

 今では、わが家の看板おじさんといったところか。

 初めは「3~4日の滞在」という話だったのだが、すでに6日が過ぎた。

 彼によれば「韓国人とカレン族はDNAが同じだ」ということになり、すこぶる気に入った様子である。

 村の衆も同様らしく、あちこちの家から「焼酎を飲みに来い」と呼ばれている様子だ。

 今日もどこかでつかまったらしく、夕刻にはかなり酔って戻ってきた。

 今朝はひどい二日酔いらしく、まだ起き出してこない。

 このまますっかり居着いてしまうような気配もあるのだが、さて、どうなることやら。

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6 コメント

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Unknown (ishi)
2011-08-30 12:28:40
出版このまま上手くまとまると良いですね.楽しみにしています.
小さな村なのに,多国籍でおもしろいですね.言葉が通じない人とコミュニケーションをとるときに,お互い変に萎縮しないのがなじむこつでしょうか?
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早合点 (yoritomo)
2011-08-30 19:53:20
しばらく更新されていなかったので又もやチェンマイへ逃避?も杞憂であり一安心。
上梓を楽しみにしています。
最近の日本のプロゴルフは男女共に韓国パワーにやられっぱなし。
クンターさん、騒音に負けるでないぞなもし!
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最近、ようやく日本も世界認識に追いついて来ているようです (日本に生きる日本人 )
2011-08-31 12:22:41
クンター、
こちらのサイトに韓国人を的確に分析した文章が載っていますので、
お暇な時にでも是非目を通してみて下さい。


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楽しいですよ (クンター)
2011-08-31 12:31:53
ishiさん

 村の衆からみれば、失礼ながら「珍しい生き物」に見えるのかもしれませんねえ(笑)。すっかり、人気者です。しかし、村人が私に通訳を期待するのには困りものですが。

    *

日本に生きる日本人さん

 初のコメント、ありがとうございます。いただいた情報は量が膨大なので、すぐに目を通すことができません。ここではURLを公開せず、時間ができたらゆっくり読ませていただくことにします。

    *

yoritomoさん

 ご心配をおかけしました。昨日は二日酔い効果で日本の完勝でしたが、今朝はミキサーで野菜ジュースを作り逆転を期しているようです。うかうかできません。
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いよいよですね (kero)
2011-09-02 21:58:34
クンター、お疲れ様です。

いよいよ、出版ですね。
ベストセラー間違いないですよ。

楽しみにしてま~す。
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ベストセラー!? (クンター)
2011-09-03 00:47:35
keroさん

 だと、いいですねえ。タイ全土約40万人のカレン族の皆さんが買ってくれれば、間違いなしなんですが(笑)。
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