【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【にわか日本語教師】

2006年06月08日 | 新緑のニューヨーク
 ここ1週間ほど、梅雨のような天気が続いている。

 始まりは、ちょうど1週間前の6月1日。

 数時間も断続的に続く激しい雷と地下鉄も止まるほどの豪雨が街を襲い、その翌日から雨、曇天、にわか雨と続き、湿気と蒸し暑さが不快指数に拍車をかけた。

 今週に入っての数日は、ずいぶんと涼しくなったが、爽やかに腫れたのは5日(月)のみ。

 今日も朝から冷たい雨が降り続き、半袖Tシャツでは少し肌寒いくらいだ。

 4階の窓から外を眺めると、青々と茂った街路樹だけが目立ってよく分からないのだが、トイレに立つと踊り場やバスルームにあるサンルーフ(天窓)を叩く激しい音がする。

 ・・・出てくるのは、溜め息ばかりだ。

 気分が塞ぐのは、もちろん雨のせいばかりではない。

 当てにしていたJudyの助けを思うように借りることができず、計画がことごとく頓挫してしまったのだ。

 すべての交渉を自らの非力な英語力で行う羽目になったため無駄な回り道や調べことが多く、一向に事が進まない。

 この1ヶ月半は、ほとんど成果なく過ぎ去ったといっても過言ではない。

 自分にできることは、すべてやり尽くしたと思う。

 ただ、それに対する反応がまったく返ってこないのだから、どうしようもない。

 虚しい消耗感だけが、まるで体内脂肪のように蓄積されていく。
 
 この1週間は、まるで本物の雷に打たれたような悄気っぷりで、1年前の異様な躁状態を取り戻したいと思うくらいである。

 ぼやぼやしていると、すぐに2ヶ月が過ぎ、さらに3ヶ月目もあっという間に過ぎ去ってしまうだろう。
      *
 幸いなことに、今週金曜日には、新しい経験ができそうだ。

 家主であるトミー富田が主宰する“ハーレム・コネクション”のアシスタントKさんから、ハーレムにある進学校の日本語授業の手伝いを頼まれたのである。

 この学校の様子は、NHK・BSの『地球街角アングル』という番組でも紹介されたことがあるのだが、ハーレムで生まれ育った貧しい子供たちの進学率を高めるため、具体的には奨学金をもらいやすくするために、自分の得意分野を増やすように奨励しており、ダンスや日本語などユニークな授業を取り入れているのだ。

 Kさんは、週に一度、この学校での日本語授業のアシスタントを務めており、今回ニューヨーク入りする前に“子供の日の授業に備えて、鯉のぼりや鎧兜などの写真を持参していただけたら・・・”というメールをもらっていた。

 そこで、トイザラスで旅行バッグに入るサイズの小さな鯉のぼりを仕入れ、おみやげとしてプレゼントしたのだったが、その鯉のぼりを使った授業が思いのほか好評だったということで、先日は授業の様子を写した写真も見せてもらった。

 金曜日は、なんと子供たちが“日本語検定試験”を受けるための会話練習ということで、ハーバード大学を出た日系アメリカ人教師とKさん、それに私の3人で会話の相手を務めるのだそうな・・・。

 初歩的な日本語を正しく話すのは、かえって難しいものなので、さて、自分で役立てるかどうかとも思うのだが、子供たちとの触れ合いは、この淀んだような落ち込んだ気分を払拭するいい機会になるかもしれない。

 できればJudyにも、お得意の「ありがとう」と「押忍!」を披露してほしいのだが、時間的に無理だろうなあ・・・。


 

 

 

 
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