秋の気配が、日増しに色濃くなってきた。
日暮れが驚くほど早くなり、6時半頃には辺りが薄暗くなってしまう。
今朝の明け方の気温は、なんと16℃。
早朝には濃い靄が村をすっぽりと包み、バイクで買い出しに出ると眼鏡がびっしょり濡れる。
しかし、雨季はすでに終わったのか、連日の快晴である。
朝日を受けてマカーム(タマリンド)の実が輝き、すがすがしいほどの秋晴れだ。
そして、日中には気温が30℃を超える。
*
そんなオムコイの秋の中で、庭のマリーゴールドが咲き誇っている。
そこへ、無数の白い蝶が集まり乱舞し始めた。
まあ、棚田に行けばセミと蝶と蛍と虫の声が同居するこの村のことゆえ、さほど珍しいわけではないのだが、これだけ数が集まると、やはりなんだか不思議な気がしてくる。
蝶といえば、日本ではやはり春や夏のイメージだろう。
それなのに、このオムコイでは晩秋のこの時期に、白い蝶が乱舞しているのだ。
うーむ。
何だか知らんが番頭さん、意味もなく唸り声をあげつつ、呆然とこの光景に見惚れているのだった。
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