室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

Beethoven:ピアノ・トリオ第11番『カカドゥ』

2013-11-18 01:34:39 | 日記
11月13日は、バイオリニストの小笠原伸子さんの関内サロンで、Beethoven トリオ・シリーズ第八回の日でした。


        


ベートーヴェンのピアノ三重奏曲全曲を出版している唯一の出版社のヘンレー版では、第7番『大公』の次に、『私は仕立て屋カカドゥのテーマと変奏曲』が8番目の曲として載っているのですが、若い頃の習作も含めた通し番号では、11番目の作品だったことが、小笠原さんの調査で分かりました。勉強んなります。


        


テーマと変奏曲。一つ一つのバリエーションのキャラクターを際立たせるに当たって、バリエーション毎の終わり方をどうするか・・。弦楽器奏者の余韻の感じ方の中に、「弓の構えが戻るまで」というのが含まれる・・、など、勉強んなりました。


        


一曲一曲やっていると、ベートーヴェンがその曲を作曲当時に新しく試みた足跡が見えてきて勉強んなります。


        


『私は仕立て屋カカドゥ』の旋律が、モーツァルトの『私は鳥刺し』に似ていて、ヒット曲は百年位かかってヨーロッパに広まったりした時代ですから、どっちが先だったのか、作曲の経緯などは分からないのですが、剽軽と云える程の明るい楽しさが溢れるテーマと、それが登場するまでの暗くて重々しい、大げさな序奏との対比など、恐らく『お愉しみ』として創られ、演奏されたであろう当時の光景を想像するのも愉しく、勉強んなりました。


        


18分程度で終わってしまうので、他に私がすでに編曲したBeethoven 交響曲トリオ編の『運命・第1楽章』と『田園・第1楽章』も演奏しました。いずれも短縮版ですが、それなりに交響曲のサウンドを想像され、何と言っても『名曲』の旋律に気楽に触れられる楽しさを、ご来場頂いた皆さんと分かち合いました。


        



        次回、Beethoven トリオ・シリーズ第九回は、来年2月5日の予定です。







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