今日の一貫

やはり農協に農業振興を期待するのは無理なのだろうか

5月5日の日経には、全中富士専務のインタビューが載っている。

「日本の農業を強くするためJAは何をするつもりですか」というしごくまっとうな質問への回答、
「担い手の育成だ。10~20戸の兼業農家で集落営農をつくって農場を経営したり、JAが農業生産法人をつくって受け皿となったりしていく」とのこと。

担い手の育成までは良いとして、兼業農家の実態は、殆どが60歳以上のお年寄り、それで集落営農を作って対応するのだという。
果たして可能か?
全国で起きてる現象は、「10~20戸の兼業農家」が補助金目当てで作った集落営農の赤字と解散ではないか?

ここは農業経営者を中心とした新たな地域システムを作っていかなければならないと2日前にも語ったところ。
「新潟ゆうき」は全国稻経会長の佐藤さんが代表を務める株式会社。
集落はもとより、集落を越えた農地の面倒をみている。
地域の範囲は、集落レベルでも、集落を越えてもかまわない。
大事なのは機関車となる人がいることだ。
機関車がいなくて、担い手育成はできるわけがない。

富士さん、なぜ、集落で、しかもなぜ兼業農家だけなのか?
はたして現場を知っての発言か、、、
あるいは農協組織のこれまでのイデオロギーにとらわれているのか?
現場が見えなくなっての発言としか思えない。
全中にしろ、全農にしろ、現場感覚がなさ過ぎるのはもはや、どうしようもないことなのだろうか、、?

日経新聞「ニッポンの農力」の3回目は、「岐路に立つ農協」だ。
問われる役割、、との見出しをつけているが、、
内容は、イオンやヨーカ堂は農産物を産地から引っ張ってこれるが、農協はできないといった驚愕すべきもの。
これじゃ何のための農協かと誰もが思ってしまう。
国民目線から言えば、農産物の集出荷はイオンやヨーカ堂にやらせろとなってしまう。
おそらく、集出荷だけでなく、生産も、、となるだろう。

やはり現場をよく知っている個々の農協が自主的に運営すべきなのだろう。
県連、全国連レベルに事業を分断する必要はない。
中央集権システムは、中央の頭脳が現実離れしたらおしまいだ。
自律分散システムの農協組織をどう作るかが肝要。
民主党の農協への姿勢は、そうしたことを意図してるか疑問。
トップが交代するなど、民主党の軍門に下れば、それでよしとしてしまう可能性がある。
もしそうだったら何のための農協改革かわからなくなる。
強い農業を構築するための農協改革が必要。

行政刷新会議で、農協の議論がなされているが、農協は今のままで良いと思ってる様だ。
今のままの農協にとやかく言うのは農協へのいわれのない攻撃で、協同組合の世界的有り様を無視した暴論だというのだから、この組織やはり一度解体しないと農業がますますだめになってしまうのではないか。


以下日経新聞10年5月5日1面を引用しておこう
「農産物の販売取扱高は07年度で約4兆3000億円で、1997年度の4分の3に減ったが、なお5割ほどのシェアを握る。
 ただし、巨大であるが故に、JAを見る目はおのずと厳しくなる。
 天候不順で野菜の価格が上昇した4月中旬。農水省が2つのルートで規格外の野菜の出荷などを要請した。一つは全国農業協同組合連合会(全農)。もう一つはイオンなど大手小売業だ。
 全農は全国のJAに文書で要請を伝えたが、「実際の対応は産地ごとの判断」(全農)。規格外の野菜の扱いは少なく、「やれることには限界があった」という。
 一方、イオンやイトーヨーカ堂の店頭には、即座にタマネギやシメジなどが並んだ。契約農家が前倒しや優先的な出荷で買い付けに協力した。」


さらに富士専務インタビューの前文は以下

日経新聞10年5月5日3ページ引用

インタビュー――JA全中専務理事冨士重夫氏、戸別補償詳細を示して(ニッポンの農力
2010/05/05 日本経済新聞 朝刊 3ページ 499文字
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 政権交代で大きく変わりつつある農政。戸別所得補償制度や米粉の増産政策を当事者はどう受け止めているのか。全国農業協同組合中央会(JA全中)の冨士重夫専務理事と日本製粉の沢田浩社長に聞いた。(1面参照)
 ――現政権との距離感をどう感じていますか。
 「しがらみのない政治を掲げ、医師会や商工会など団体との距離が遠い政権なのだろう。加えて自民党を支えてきたという理由で我々の意見を聞いてくれない。政府・与党と議論する場がない」
 ――JAの存在意義はどこにありますか。
 「農家を1戸ずつ回るより、組合長に聞けば1000戸分の意見を集約できる。政府が課題を見つけたいときにJAは一つのツールになる。現場の声を政策に反映させていくのが存在意義だ」
 ――戸別所得補償制度をどう考えますか。
 「小麦や大豆など穀類や畜産に広げる時期を示していない。コメについて政府は『価格は下がらない』と言うが、下がったときはどうするのか」
 ――日本の農業を強くするためJAは何をするつもりですか。
 「担い手の育成だ。10~20戸の兼業農家で集落営農をつくって農場を経営したり、JAが農業生産法人をつくって受け皿となったりしていく」
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