今日の一貫

新技術は困難の中から生まれるのか 液状飼料

海外からのデントコーン、配合飼料輸入は全農のドル箱。
しかし穀物価格高騰で、畜産農家苦境に。
政府、緊急飼料対策に乗り出したが、そうした中で、やはり日本の農業技術捨てたものではない。
新たな技術開発に拍車がかかり具体化し始めている。

畜産農家、とりわけ養豚農家は、全国に7千弱しかない。
日本の販売農家175万、農家250万戸、元農家は400万戸、農協組合員900万戸を思えば、日本の畜産農家は壊滅的といえるが、どっこい、5割は国内産と健闘している(170万トンのうちの半分)。しかも、黒豚などの地域ブランド商品も。

養豚業のことは,グローバルの赤池勝美社長に、いろいろ教えてもらった。
最近は体調を崩していると聞いているが、元気。和豚もち豚。
養豚経営のコストは、飼料代と販売費だけ、という社長。
その餌代が値上がりではしゃれにならない。


そんな中、対応として「飼料米」と「液状飼料」が注目されている。
飼料米は平田牧場が有名。
液状飼料は、最近いろいろな養豚業者から聞く。
養豚業者有名なところは100社にみたない。
追跡しようと思ったら簡単に追跡できる。
液状飼料では、神奈川の「ブライトピック」千葉工場が話題。リキッドフィーディングなどの名前で、鹿児島ひこちゃん牧場など。


ただ、この「液状飼料」まだ内容が浸透していない。
基本は食品残渣。
食品残渣というと、大丈夫なのかと思ってしまう。
食べ残した「残飯」とすぐ思ってしまうからだが、どうやら違うらしい。


口にする前の流通過程で出た残渣だという。
たとえば、昨日書いた天宝ディリーフーズのように、浅漬けの製造過程で出る野菜くずなどを使うのだという。
農水省は、先週水曜日(10日)、「エコフィード(食品循環資源利用飼料)に関する認証制度の実施要綱(案)」をまとめ推進の姿勢を見せているが(この1年間推進の下がためをやってきた)、食品残渣の内容は、①食品製造副産物、②余剰食品、③調理残さ、の三つに限定している。


その内容は以下
①食品製造副産物:
酒粕、焼酎粕、醤油粕、豆腐粕、果汁粕、パン屑等、食品の製造過程で得られる副産物や野菜カット屑等の加工屑
②余剰食品:
売れ残りのパン、麺、弁当、総菜等、食品として製造された後、利用されなかったもの
③調理残さ等:
調理に伴い発生する残さ等を利用して製造された家畜用飼料

コメント一覧

ikkann
燃油高騰対策への対応
お久しぶりです。
確かに飼料高騰は、新たな技術を切り開くチャンスと思いましたが、気分は後退、の雰囲気があります。
惰性に流れ、困ったときにだけ政治力を効かせようとするのが、1次産業界の悪しき慣習になっています。
漁業でも、燃油高騰に伴う緊急対策として、700億以上の緊急予算を認めました。
昨年との差額燃料代を丸々保証するといったものですが、しかし、昨年より安くなってしまったため、申請して保証を受ける漁業者は殆どいなくなりそうです。
ということは、予算の大部分が浮いてしまうと言うことになりそうです。
Q大堀田
餌の低下、革新を妨げるかも
 前略 大泉先生
 ご無沙汰してます。餌の値段が年明けからトン当たり1万5千円以上下がると聞いています。確かに、価格の高騰は1部の大規模畜産農家に技術革新を誘発していたと思うのですが、この価格低下でその動きも少し鈍くなりそうです。普通の農家にはホッと一息ですが、食品残渣を利用した飼料作りも、個別の企業的経営以外で県酪連等農協でもやりだせば良かったのですが・・・・、そこまでは行かず少し残念です。せっかく技術・ナレッジが確立したのですから、広くそれを広めるためには畜産業界に危機感がなにより必要だったのですが・・・
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