今日の一貫

生協が農業に進出するという話に興味津々の農協

旧聞に属するのかもしれないが、生協が「農業に参入する」と日生協総会で会長が述べたということがあった。

日生協理事会の専門委員会として「食糧農業問題検討委員会」を設置した。
この委員会の役割は、「①基本計画見直しについての見解、②食料や農林漁業にかかわる全国の生協の事業・活動の方向性――をまとめる」もの。
しかし、この検討委員会について、農協は関心があるらしい。
大会が開かれた6月19日20日、日本農業新聞に三回ほど記事が載った。

何が気になってるかは、論調で明らかだが、生協が農業に参入することについてだ。
イオンが今週、本格的に農業参入を表明し、すでにセブン&アイは農場を一つ持っている。同じ流通業者として、生協が農業参入するのは何の不思議もないが、農協は気が気でないのかもしれない。
私は、農協も、本体で農業参入するか、JA出資型法人などでどんどん農業生産額をのばすビジネスを見定めてほしいと思う。

以下どのように気になってるのか、次の三つの記事で明らかだろう。
以下日本農業新聞の引用

農業参入に前向き 専門委立ち上げ/日本生協連

2009/06/19 日本農業新聞 1ページ 387文字
 日本生活協同組合連合会(日本生協連)は18日、生協の農業参入を含めた原材料調達の手法について本格検討に入ったことを明らかにした。すでに専門委員会を立ち上げ、2回の会合を開催。来年3月までに、検討内容をまとめる方針だ。
 東京都内で同日開いた総会で示した。「食料・農業問題検討委員会」は、全国の主要生協の役員や学識経験者計15人で構成。宮城大学の大泉一貫副学長や東京大学の中嶋康博准教授が参加している。
 日本生協連は専門委員会の設置理由について、国内の大手メーカーが農水産資源、生産者団体の囲い込みを進めている中、「このままでは生協の産直事業、生鮮事業、コープ商品向け原材料調達の基盤が揺るぎかねない」と説明する。
 山下俊史会長は総会あいさつで「今求められているのは、生協が(生産から販売までの)フードチェーンの担い手、当事者として農業にどうかかわるかということだ」と述べた。


日本生協連山下会長 産直強化へ農業参入

2009/06/20 日本農業新聞 5ページ 411文字
 日本生活協同組合連合会(日本生協連)の山下俊史会長は19日、東京都内で開いた通常総会終了後の記者会見で、「産直により農業再生にかかわり、担い手を支援していきたい」と話し、農産物の調達方法で産直を強化することを表明した。また「産直の延長線上に農業への新規参入がある」とし、生協の農業参入に前向きな姿勢をあらためて強調した。
 日本生協連は5月に「食料・農業問題検討委員会」を設置、農業についての検討を始めている。農業参入を含めた原料調達の在り方が大きなテーマの一つだ。
 山下会長は「産地偽造のない(生産から販売までの)フードチェーンを整備し、品質管理を徹底したい」として、産直や農業の新規参入により産地との関係を強化する方針を示した。また、矢野和博専務は「産直を主要な調達方法にし、産地との結び付きを強める。必要であれば、契約の見直しにも取り組む」と強調した。
 同連は通常総会の役員改選で、山下会長を再任したことを報告した。


論説]生協の農業参入/「検討委」の議論に注目

2009/06/20 日本農業新聞 2ページ 1111文字
 日本生協連が食料・農業問題検討委員会を設置した。農業生産基盤の弱体化やスーパーなどの農業参入によって、生協の食品販売事業の基盤が揺らぎかねないとの危機感から、来年5月までに生協のとるべき方向性をまとめる。農水省が進める食料・農業・農村基本計画の見直しにも意見を反映させるため、今年9月に中間報告を出す予定だ。同連は2005年に、農業保護施策からの転換や新規参入の促進などを柱とする提言をまとめており、今後の議論の行方を注目したい。
 検討委の設置は、1月の全国政策討論集会で明らかにされた。同連理事会の専門委員会として位置付け、(1)基本計画見直しについての見解(2)食料や農林漁業にかかわる全国の生協の事業・活動の方向性――をまとめる。検討委設置について山下俊史会長は「消費者の立場でまとめた05年提言を基に、フードチェーンの担い手(食品販売事業者)として農業にどうかかわるか検討したい」と述べ、農業参入も含めた対応策を議論することを示唆した。
 05年提言は、山下会長が副会長時代に委員長としてまとめた。農村振興政策と、産業政策としての農業政策を切り離すよう求めた。農業保護施策から転換するため、高関税措置の逓減と内外価格差の縮小、担い手不足などに対応するため新規参入の促進などを強調した。特に、新たな担い手や農業参入について、「さまざまな規制がある。生協などの消費者組織や都市住民など、意欲ある組織や個人に対しては、既存の農業者と同じ条件で農業へ参入できるよう求める」と訴えている。今回の検討委の議論は、この提言を下敷きに行われるとみていい。
 生協の食品販売事業を取り巻く環境は厳しい。食品製造メーカーやスーパーを軸とする小売業は、世界的な規模での経済危機や食料調達の不安にさらされながら、国内では深刻化する消費不況、価格競争下に置かれている。生鮮食品を含めた仕入れ・調達は、大手スーパーの農業参入や産地の囲い込みにみられるように大きな課題だ。
 スーパー経営者が「命運をにぎるのは製(生)・販=製造(生産)・販売=運命共同体を培えるか否かだ」と言うのはまさに、その表れだ。同連もその渦中にあると認識、検討委を設け、あらためて食料・農業問題の方向性を打ち出そうとした。
 生協は協同組合間提携の下で、食料・農業の現状と将来を常に意識した産直事業を、長い間進めてきた。産地を訪問している組合員は年間約9万2000人にも上り、交流の輪は大きく広がっている。検討委が、こうした産直事業と食品販売事業者としての農業参入を、どう議論しながら整理するか、またその根底にある農業問題をどうとらえるか、農業側も強い関心を持って見守りたい。
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