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渡部陽一写真展

2010-12-11 | 日常

LUMIX GF1 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.

波が荒い風の強い日。
渡部陽一写真展「戦場からのメッセージ」が開催されていました。
300円のところ、映画チケット半券で200円。



70点の写真や、あの肩に担いで持ち運ぶ分厚いノートの展示、
サブカメラなども展示されています。

1枚づつ、じっくりと見ました。
1枚ごとに、その時にどういう気持ちで撮ったかも書かれているので、
撮り手の想いも伝わってきます。



戦場カメラマン。
出国する時には、撮った画像の検閲をされることも多いでしょうし、
場合によっては削除されることもあるでしょう。
アメリカが絡む紛争では、死体や血溜まりなんて、絶対撮らせてくれません。
そんなものを世界が知ってしまったら、戦争の悲惨さがわかってしまうから。
そして軍需産業と権力集団による、戦争利権に非難が浴びさせられてしまう。

戦地では、死体を片付け、血が流れていないところを選んで、
「はい、ここからここまで撮っていいですよ」と
アメリカ軍広報官に仕切られているのが現状です。
特派員や普通のカメラマンなんかは全部これ。
だから私たちが目にしているのは真実じゃないことが多いし、
どれも同じ画像です。

通信社が検閲許可した画像映像だけを、各国マスコミに流しているだけです。
独自に撮影した真実なんて、そうそう目にすることは許されません。
戦場カメラマンが実際に撮った画像でも、
それをそのまま私たちが目にすることはできません。
見せていい画像だけを見せられています。

渡部陽一さんは、絶望や悲惨さの絵はあまり撮らないようにしていると思います。
写真からは「希望」を写し出そうという想いが伝わってきます。
醜い戦争利権に被害を受けている多くの人。
その中でも見失わない「希望」「笑い」「まなざし」を感じます。

TVで人気者になった恩恵を、私たちも受け、
戦場写真を目にすることができ、考えることができます。
ジャンルは違えども、同じ写真を撮る者として、
考えさせられるものがありました。



Imagine / Happy Xmas / Mother by John Lennon
繰り返し流されていました。

渡部陽一写真展「戦場からのメッセージ」
12月10日~2011年1月10日 / 11-20時
フェスティバルウォーク蘇我 アミューズメント棟 2F特設会場


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