バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

この曲が好き! vol. 19 「Rainy Day Woman」  松原 みき

2010年06月20日 | この曲が好き!
今まで聴いてきた膨大な量の音楽の中でも特に大好きでかつ思い出深く、そして自分の音楽スタイルやライフ・スタイルに少なからず影響を与えた曲を一曲づつ紹介していくシリーズの19回目。

先日、雨の中を車の運転をしていてふいに突然この曲のメロディーが頭の中から湧いて出てきて帰宅後さっそくCDを探し出して聞いてみたのが<松原みき>のこの曲「Rainy Day Woman」でした。

1980年発表の「WHO ARE YOU ?」という彼女の2ndアルバムの3曲目。

松本隆(作詞) 亀井登志夫(作曲) 松任谷正隆(編曲)
松任谷正隆(keyboards)、高水健司(bass)、林立夫(drums)、松原正樹(E. guitar)、吉川忠英(A.guitar)、ラリー須永(percussion)、ジェイク・H・コンセプション(flute)

という当時の日本のJポップ(まだこういう呼び名は無かった)(City Popと呼ぶ人もいた)の王道を行くメンツでの、もろ当時の雰囲気を代表するような軽快できらめくようなサウンドです。

この頃の僕はあるバンドでドラマーとして、また今のバンドではもちろんベーシストとして2足のわらじを履いていた時期で、オーソドックスなハード・ロックとフュージョン(クロスオーバー)というちょっと都会的なサウンドの狭間を行ったり来たりしていました。
そして当時流行していたフュージョン系の新しい音の響きにかなり影響され、もっと深く追求したい気持ちが次第に強くなって小学校から叩いていたドラムよりベースを弾く時間が長くなってきたのでした。

なのでこの時期は僕の音楽人生にとってはちょっとした転機であったんだと今になって回想します。
さらにこの数年後にはドラマーだったバンドを解散してNYに渡り、、いろいろな音楽体験を積むことになっていったのです。

この辺りのお話をしだすと話が長くなるので別の機会にゆずりますが、この頃に影響された国内の音楽の代表作の一つが今回の松原みきの曲でした。もちろん他にもたくさんのJポップに好きな曲はありましたが、冒頭で書いたようにふと思い出して聞きたくなるような曲は少ないです。

タイトルの「Rainy Day Woman」という曲は当時ベース界に流行り始めていた「チョッパー奏法」(今はスラップと言うことが多くなった)を前面に出したアップテンポでリズミカルなナンバーで、この音楽の背中にフワっと乗ってしなやかに歌いこなす松原みきの安定した実力を感じていました。

そして特筆すべきは松任谷の見事なアレンジ力ですね。アメリカのスタジオ・ミュージシャン、たとえば「スタッフ」の連中が出すサウンドのように力まずに陰影に富んでいる耳ざわりのいいサウンドには当時の日本のミュージシャンのレベルの高さを感じますし、サビの流れるようなコード進行などは後々多くのJポップで多く使われている「定番」進行ですね。

僕はこの曲のサビが大好きで、車の運転中に出てきたフレーズもここだったのです。


また彼女の曲で「真夜中のドア Stay with me」という同じ年に発表されたデビュー曲も同じ系列のちょっと背伸びしてオトナの世界を表現している音楽で好きでした。
この曲の方はデビュー・シングルとして空前の売り上げを記録したようですね。




両曲ともサビの流れによどみが無くきれいで大好きです。

これらの曲から僕が受けた影響というのは具体的に羅列はできませんが、その流れるような自然な動きと香り立つようなエッセンスにはベーシストとして無視できるものではありませんでした。
今でこそロックやブルースばかりベースで弾いている僕ですが実はこういう系統の歌のバックを弾かせたら、自分で言うのもなんですが、絶対に上手く弾くと思います。
ただし今の自分の立場では今後もこういう曲のベースは人前で弾く機会が少ないでしょうから、さみしいことですが一人でCDに合わせて弾いていくんでしょうね。

松原みきというシンガーは惜しいことに2004年10月7日に子宮頚がんで45歳という若さで亡くなってしまいました。この人が今も生きていたらきっといいジャズ系のシンガーとして大成したことでしょう。密かにファンだった僕は大いに落胆し悲しみました。

では恒例により参考動画(音源)を掲載します。
「えっ、こんな曲に影響されたの?」なんて言われそうでちょっと恥ずかしい気もしますが、今日書いたことは事実です。
まぁ、いろいろな曲に影響される人生を今もおくっている僕なのです。

聴いてみてください。


「Rainy Day Woman」



アルバム・デビューの頃の松原みき(短い映像ですが貴重です)


「真夜中のドア Stay with me」




最近TVで歌っているシンガー(芸能人、タレント)でこういう実力派は少ないですね。
わけのわからない横文字の歌詞が横行し、品の無い歌詞の内容、ダンサブルなだけの空虚な歌・・・
日本のポップス界は今まさに衰退の一歩をたどっているじゃないですか!

2番目の映像、かわいいみきちゃんの歌う姿を見て、苦しみの末に天国へ行ってしまった彼女をあらためて思い、涙がちょっと出ちゃいました。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドキッ!! (就業中のリーマンだぁ!(昼休み中))
2010-06-21 12:54:57
いつも楽しみにしてる「この曲が好き!」Vol.19でこうきたか!

いやいやノスタルジーやね!
30年くらい前だなぁ,『真夜中のドア』を初めて聞いた時は確かに電気がはしったな。
当時のJ-POP?としては先端をいくサウンドで,
良かったのがヘタな歌番組にポンポン出てくる訳でもなく,
密かに大事にしたい曲&シンガーだった。
ルックスもいいしね!ハハ

本コメントのタイトルの「ドキッ!!」ってのは,奇遇なんだけど,
てきふらライブが終わってFew Days Laterにフッと聴きたくなって
「POCKET PARK」のアルバムを探し出して聴いてたよ!
やっぱり『真夜中のドア』『そうして私が』なんかがいいなぁ!
『RAINY DAY WOMAN』は聴いたことが無いと思うんで,
帰ってからユーチューブ見るのが楽しみだ!

なに!?バンドのメンバーからのコメントとは思えないって・・・!?
たまにこのコーナーで奥 華子とかが出てくるから・・・ホント!楽しみにしてるよ!
返信する
 (バンマス@発行人)
2010-06-21 21:25:18
>リーマン さま

驚いたねぇ。二人して同じような時期に同じシンガー、それももうだいぶ以前の、を聴いていたなんて!

2曲ともほんといいベースでさぁ、弾いていて気持ちがいいんだよね。

「Rainy~」も気に入るよ、きっとね。
返信する
勝るとも劣らない (再び就業中のリーマン)
2010-06-22 10:18:11
見た見た! 9位で歌番組に出た貴重映像。
いいねぇ!!勝るとも劣らないよ・・・fayrayと。だはは

「Rainy~ 」もじわじわ良くなってきそうだ。

そういえば,曲名は覚えてないけど,森園勝敏が提供してる曲があるんだよな!?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。