バンマスの独り言 (igakun-bass)

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この曲が好き! vol. 21 「ひこうき雲」  荒井由美

2013年02月28日 | この曲が好き!
今まで聴いてきた膨大な量の音楽の中でも特に大好きでかつ思い出深く、そして自分の音楽スタイルやライフ・スタイルに少なからず影響を与えた曲を一曲づつ紹介していくシリーズの21回目です。


このシリーズに登場する曲のほとんどは自分で演奏したいとかカラオケで歌いたいとか思う曲ばかりなのですが、例外で唯一、演奏も歌いたくもない曲が今回取り上げた荒井由美の名盤「ひこうき雲」からタイトル曲の「ひこうき雲」なのです。

この曲が発表されて間もなく僕はこの曲を知り、すぐにかなりの感動をしたのを覚えています。
曲調はズバリ、イギリスのロックバンド、プロコルハルムの「青い影」(邦題)のパクリに近いものですが、下降するベースラインに乗ったひょうひょうとしたメロディーは、耳障りも良くてなかなか優れた曲だと思います。

が、僕にはこの歌詞があまりにショッキングで、この曲が忘れられないものとなったのです。
それが自分では歌いたいと思わない一番の理由です。

これを初めて聴いた頃、学校の隣のクラスの女子生徒が(優秀なスイマーでした)恋に悩んで公団の屋上から飛び降りてしまったのです。少なからずその子の悩みを知っていた僕には大きなショックが襲いました。
そしていつしかその女子の死とこの曲とがリンクしてしまって、好きな曲なのに聴くとつらい感情がこみ上げてくるようになったのです。

さらに後年、我が子、望の幼すぎる死がこの曲の詩とやはりダブって、この曲は黙って目を閉じて聴く曲となってしまいました。
友達の死と自分の子供の死・・・この両方の辛すぎる思い出がこの曲に歌われている死んだ子を思う心情と一致してしまうからです。

自分の子も僕ら両親と別れて天国への坂道を振り返ることも無く静かに登って行ったのかと思うと切ない気持になります。

たくさんある歌の中でこの曲ほどそういう情景を連想させるものは無いのではないでしょうか。
実に強力な歌の力を持っています。


でもたとえどんな感情をこの曲で揺り起こされても、悲しみの気持ちと曲の良さがうまくバランスをとりながら心の中へ入ってきますので、今もこれからも愛する曲として大事にしてゆくと思います。

しかし読めば読むほど若い人の死が切なく感じられ、自然と大空を見上げ涙する、そんな感傷に浸ってしまう悲しい詞ですね。




ひこうき雲

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

白い坂道が 空まで続いていた
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
誰も気づかず ただひとり
あの子は 昇っていく
何もおそれない そして舞い上がる

空に 憧れて 空を かけてゆく
あの子の命は ひこうき雲

高いあの窓で あの子は死ぬ前も
空を見ていたの 今はわからない
ほかの人には わからない
あまりにも 若すぎたと
ただ思うだけ けれどしあわせ

空に 憧れて 空を かけてゆく
あの子の命は ひこうき雲

空に 憧れて 空を かけてゆく
あの子の命は ひこうき雲



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何とも・・・ (川内リーマン)
2013-03-02 09:51:02
改めて歌詞を追っていくと何とも言えないね。
増してや過去とダブらせたら堪らんね!
おいらも,ユーミンの曲の中でこの曲は「翳りゆく部屋」なんかと並んでBEST3に入る名曲だと思ってるけど,
これからは心して聴くわ。

沢田知可子の「会いたい」も似たシチュエイションかね??
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ただひとり、あの子は昇ってゆく (バンマス@発行人)
2013-03-02 15:59:09
>川内リーマン さま

1歳7ヶ月で病死してしまった我が娘と17歳で自ら命を絶った隣のクラスの女生徒・・・この二つの出来事が歌詞と共振して、たまらなく悲しい。

ユーミンの曲を3つあげるなら「ひこうき雲」「翳りゆく部屋」それと「ベルベット・イースター」
音楽的にも、示唆に富んだ歌詞的にもこの3曲は絶対に外せないと思っているよ。

コメント、ありがとう。
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