5月21日。その日はやってきた。
前日の夜までは、たぶん無理そうな空模様だったのに、朝になると、太陽の光が降り注いでるではないか。いつもなら、6時頃起きるところを30分早く起きて、7時半の金環日食を見られる時間に列車(電車ではない)の中にいないように、1本早い列車で職場をめざした。
職場の最寄りの駅に7時10分くらいにつくと、駅にはもう太陽を眺めている人がいた。自分も今日のために950円も出して購入したKenkoの太陽観察専用サングラスで太陽を見てみた。
すると、太陽が逆三日月(アルファベットのCの形)をしているではないか。職場へ向かって歩き出すと、だんだん日差しが弱くなり、夕暮れ時を思わせる寂しげな気配になってくる。
徐々に太陽を見る人がふえる。そして、7時30分頃、ついに、金環日食を見ることが出来た。金環日食はサングラスを通しているせいか、金の輪ではなく、白い輪であったが、確かにリングを確認した。期待が大きかったせいか、さほど感動はしなかった。でも、950円の価値はあったなと喜んだ。
それから、しばらくすると、視力検査のように輪の開いた部分が下に移動し、今度は右上に移動していった。
職場までの道中、非常にたくさんの人がこの自然現象を見、カメラが趣味の人は建物と一緒にこの金環月食あるいは部分日食を撮影していた。
次にこの現象をこの辺で見られるのは、天気が良くても2041年10月25日と新聞に書いてあった。(北海道へ行けば、2030年6月1日に金環日食を見られる。また、富山から茨城にかけては、2035年9月2日に皆既日食も見られるとか)
それまで、生きていられるか、非常に心許ないが、それまで、大事にサングラスをなおしておこう。エヘヘ。