迷悟在己

痴呆寸前が巷間を漂いながら日々の雑感を書きます

ナポレオン・ダイナマイト

2018-08-30 00:03:52 | 日記
日本では劇場公開されなかった映画。

のちに「バス男」としてビデオが発売されたが、人気は出なかった。
「バス男」というタイトルは、単に主人公がバス通学しているということからつけた安易で無気力な理由による。
最悪の邦題と言う人もいるが、それではなりすまし日本人が作った「電車男」なる映画のタイトルだって最悪だ。
どちらも私たち日本人にはピンと来ないタイトルには相違ない。
私個人としては「暗黒ベイビー」なんかはワーストだと思ってるんだが。W

この映画が意外に米国でヒットしたというのは、何となくわかるような気がする。
全編を通して抑揚がなく、つまり山もなく、落ちもないという退屈な映画だが、見終わったあと、何となくほのぼのとした心地よさがあるのは、米国人にも私たち日本人にも似たような共感のようなものがあるのだろうと思う。
主人公はとりわけダサい田舎の高校生で、彼の叔父も友人のペドロ君も、皆世間並み以下の格好悪い人たちなのだが、共通しているのは、人間に裏表がなくって、しかも一本筋が通っていることだと思った。主人公はいじめられっ子だけれども、度が過ぎれば黙ってやられていない という意志をもってるのである。
エンディングのシーンはほのぼのとして心に沁みるものがある。
それゆえに同年代を生きた米国人の共感を得たものと思う。
ただ、あくまでB級映画だから という範疇の域のなかの話だ。

ダンスパーティーの場面で流れる曲がアルファヴィルの”フォレヴァーヤング”で、懐かしかったが、この曲は米国の高校の卒業式ではポピュラーな曲なんだそうである。