数寄屋橋の交差点を出て、晴海通りを銀座四丁目方面に向って真っすぐ歩き、
4本目の角を右折すると右側に「銀座NAGANO」が見えてきます。
まさに銀座を象徴する場所に長野県のアンテナショップがあります。
外観は場所柄なのか、とてもシックなカフェを思わせるような入口です。
中に入ると正面にマルシェのように色とりどりの野菜が並び、すぐ右側には、
とても美味しそうなパンが沢山並んでいます。
そして、その真後はカウンターになっていて、さながらおしゃれなバーの様です。
店内を少し歩いてから、ショップの方にお話を伺いました。
案内していただいたのは、建物の4階にあるコワーキングスペースで、
長野県信州首都圏総合活動拠点の担当の方にお話を伺いました。
(名刺を頂いた時点で、活動拠点という表現に県の取組みを感じました。)
今回、銀座NAGANOを訪れる前にHPを拝見させて頂き、大変興味深く感じたのが、
しっかりとした下記のコンセプトが掲げられていたことです。
「フェア」ではなく「シェア」、「伝える」ではなく「つながる」、「観光地」ではなく「関係地」。
話をお伺いする前から、熱心かつ真摯に取組んできた延長線上にこのアンテナショップが
存在するのかなと思っていました。まず、アンテナショップを銀座に置いた理由について、
お聞きしてみました。
銀座NAGANOをオープンしたのは、2014年10月26日です。
それまでは、観光情報センターを有楽町の交通会館の中に置いていました。
当時から長野県の物産を販売してもらえる場所はないかというニーズがあり、
ちょうど他県のアンテナショップが続々出てきていた時でした。
どちらかというと後発になってくるので、長野県では単純なアンテナショップをつくるのではなく、
付加価値をつけた施設を考えていこうとしていました。
まず、長野県庁の中の色々なセクションを横断的にして、どんなものを作ろうかという会議を立上げ、
1年をかけて検討いたしました。
その時には、銀座に限らず池袋や新宿、青山というような色々な方向性が出ました。
その中に信州というブランド力を高めていこうという一つの柱がありました。
長野県ではどんなものを発信していくのかと考えた時に農産物に限らず、
人や長野県の文化といった「人・こと・もの」というものを発信していきたいと考えました。
都内でブランド力と考えた時に銀座が合うのではないかというところで、場所が銀座に固まりました。
ここ銀座NAGANOでは、1階にはショップスペースということで長野県のものを知ってもらう。
単純にものを持ってきているわけではなく、長野県産のものをつかったものや長野県の企業が
作ったもの等、長野県のものを知ってもらうことを考えています。
2階では、観光案内のコーナーと併せてイベントスペースを設けさせて頂いて、市町村さんに来て頂いて
その地域の魅力を発信してもらったり、特産のそば打ち道場とか、観光案内をしながらコーヒーを飲む
スィーツカフェ、バラエティに富んだイベントをオープンの頃からほぼ毎日実施させてもらっています。
これが長野県のことを知ってもらおうという考えです。
4階では、コワーキングスペース&移住交流・就職相談コーナーになっています。
ここでは、長野県の企業が都内に来て商談をしたいという時に場所をお貸ししたり、
移住相談を行ったり、最終的には人ということです。
段階的に1階ではものを知ってもらい、2階でことを知ってもらい、最終的に長野県に住みたいという
発想のもと、4階に来て頂いて移住の相談をしてもらいたいと思います。
それと併せてコワーキングスペースでは、ビジネスマッチングということで、
長野県の農業のセクションの職員に来て頂いて、農産物を発信していこうとか、
食品加工品を商工部門の職員に来て頂いて発信してビジネスマッチングをしていきたいと思っています。
「銀座NAGANO」は、愛称で言わせて頂いておりますが、正式には「長野県信州首都圏総合活動拠点」
ということで、色々なものを発信していきたいというのがコンセプトになっています。
次に長野県として何(もの)をお勧めしたいですかとお聞きしてみました。
長野県の良いものを知って頂きたい。長野県がどういう所か知らない方には、
とっかかりの部分として、ワインとか日本酒もお勧めしたいと思います。
何度もお越し頂いている方には、おやきをお勧めしたいですが、
物産ですと木曽地域の工芸品のお六櫛など、長野県にある知らないものを知って頂きたいと思います。
最後に「銀座NAGANO」を訪れる方の年代についてお聞きしました。
ここでは、色々なイベントを毎日やっているので、イベントによって年齢層も変わります。
例えば今日もやっていたのですが、「しあわせ信州朝クラス(朝ごはんを食べてもらう)」
イベントを毎月1回ぐらい行っています。
そういう時には、銀座近辺に通われている30~40代のOLの方が多いです。
農業的な物産展を行うとお母様世代、観光だと40~50代、移住の相談になると、
私達は初めセカンドライフを想定していましたが、実際は子どもさんがこれから大きくなる
30~40代の方の割合が高いです。仕掛けとしては、色々な世代の方に来て頂きたいと思います。
お店の仕掛けとしては、1階の入口を入って右手側にパンやジャムといった洋風な朝ごはんを
イメージした食品が並んでいて、入口左手側には、お米が並んでいて和のイメージになっています。
入口周辺は、土間という設定で、奥に進むにつれて、板の間の古民家に上るイメージになっています。
2階は、高原をイメージしているということで、イベントスペースの床や椅子・机等にも長野県の木を
ふんだんに使っているそうで、とても居心地が良さそうな空間になっていました。
私達が訪れたのは金曜日でしたが、夜にはイベントスペースで
「ワインと日本酒1杯ずつとワンプレートのおつまみセット」が1,000円で頂けるそうです。
(月1回開催:銀座NAGANO酒場)
私達が銀座NAGANOに入った時に外国人の方がカウンターに座られていて、
スタイリッシュなスティックタイプのぼうおやきを食べていました。
お店がとてもおしゃれな感じで、いわゆるアンテナショップのイメージとはかなり違っていました。
また、多くのアンテナショップでは、特産物を通して、県を知ってもらい情報発信をしていく
というスタイルが最もポピュラーだと思っていました。
地元の食材を使って食べる(体験)ことができるアンテナショップも最近は増えてきていると思います。
加えて、ここでは「しあわせ信州朝クラス(朝ごはんを食べてもらう)」とか
「そば打ちをする」という体験も出来るというのがとても魅力的だと思います。
観光を通じて、現地で体験するということも素晴らしいと思いますが、
都内にいながら体験できるという気軽さもポイントが高いのではないでしょうか。
アンテナショップで県の文化に触れて色々な情報を得て頂き、次はそこに行ってみたいと思って頂き、
それが旅行につながり、その先には移住・居住へ繋げたいという県の熱意を感じました。
我社でもシティプロモーションに関わらせて頂くことがありますが、
アンテナショップを通じたシティプロモーションがここ銀座で展開されている感じがいたしました。
長野県の掲げるビジョンをお伺いすることが出来て、大変参考になりました。
★★最後に信州ならではの食べ物を少し紹介いたします。★★
「塩丸いか」個人的には、見たことがありませんでした。山国信州ならでは、日本海で採ったいかを
茹でて、胴体に塩を詰め足をさし込んであるそうです。
2~3時間は、塩抜きをしてから調理するそうです。
もう一つ、「寒天麩」。茅野市の寒天が有名なのは知っていましたが、
イメージとしては棒状の長いものでした。4cmぐらいに切ったものが袋に入っており、
40度位のお湯につけてサラダに入れたり、スープや味噌汁にそのまま入れて、食べるそうです。
■銀座NAGANO
オフィシャルサイト:http://www.ginza-nagano.jp/