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カミノアナログ

POGに命を削る日々を綴る「紙の穴」ブログ編。ドラフト終了までは日当たりアクセス100以下に抑えたいんで、ご協力よろ。

マクロPOG学入門

2009-05-29 | pog-strategy
マクロな視点からPOGをみると、いろんなことがわかる。

一般に中央登録馬がダービーまでに1度でも出走する確率(出走率)は約80%、すくなくとも1勝する確率(勝馬率)は約25%。※
これはPOGの基本の数字なので、おぼえておくこと。
(※ナリタブライアンの時代ぐらいまでは、これが30%超えていたのだが、年々下がってる。)
ぎゃくに言えば1-0.8*0.25=約80%が未勝利・不出走に終わるということで、この数字も重要だ。ハズレ率とでも言えばいいだろうか。

つまり何も考えずに10頭指名すれば、2頭が不出走、6頭が未勝利、2頭が勝ち上がる。

君がこれまでに100頭指名してきた場合、まずありえないとは思うが、もしそのなかに20頭以上の不出走馬、60頭以上の未勝利馬がいたなら、それは君が馬を選んできた方法に何か問題があるということだ。
大規模POGならともかく、10人以下各自10頭指名ぐらいの規模のPOGで、もしこれよりひどい数字が出ているようだと、たとえ残りの指名馬のなかにダービー馬がいても、君は数年のトータルで負け組になるだろう。

では、勝馬率を高め、ハズレ率を下げるにはどうすればよいか?

過去エントリにも書いたように、かつてはかんたんな方法があった。有力厩舎のサンデー産駒(それ以前はマル外)と山内馬をとれば、それだけでよかったんである。大負けすることは確率的に低く、大勝ちする確率もそれなりにあった。

しかし、今はそれほどかんたんな時代ではない。
サンデーはもういない。サンデー二世種牡馬が、サンデー並みの能力を発揮することも、おそらくないだろう。

では厩舎はどうか。角居固め、松博固めなら勝てるのではないか?
いや、そう甘くはない。
↑でハズレ率を定義したので、これを低くおさえているかどうかを調べてみると、ハズレ率50%以下の厩舎は、じつは毎年片手で数えるほどしかない
あの角居厩舎は、じつは一度も50%以下になったことがない。松田博厩舎も、すくなくとも記録がさかのぼれる限りにおいて、おなじなんである。
過去10年で1回だけ達成したのは、池江寿、池江郎、藤沢和など。
過去10年で2回以上達成したのが、山内、橋口、松田国、音無、国枝、浅見、小島太などだ。
昔の山内がどれぐらい優秀だったかというと、これがなんと7年連続で50%以下、4年連続で42%以下だった。まさに神、いわゆるゴッドである。
今の角居固め・松博固めには、かつての山内固めほどの確実さは期待できない。あくまで一発狙いのスタイル、ひとむかし前の藤沢和固めに近いと理解するべきだろう。

では、生産者はどうか。社台グループ固めなら勝てるのではないか?
その考えも、やはり甘い。
圧倒的な質と量を誇る社台グループだが、毎年中央登録馬の7割近くはダービーまでに未勝利・不出走。すなわちハズレ率は60%台後半といったところだ。
くわしい数字は別のエントリにゆずるが、社台であってもハズレ率が50%を切ったことは一度もない。
優秀というのは、マクロ視点ではそういう微差のことなんである。大数の法則をなめてはいけない。
そして社台と非社台のその10%ちょいの差が、結果的には大きな差になる。

馬主についても同様である。金子も近藤も臼田も、やはりハズレ率が50%を切ることはほとんどない。

いまや、ハズレ率を50%以下におさえるためには、プロ並みの相馬眼か血統分析力、あるいはいくつかの手法を組みあわせて実効性を高めるしかない。
プロ並みの相馬眼か血統分析力がある人はほとんどいないんで(俺が認める人はそれぞれ数人どまりだ)、手法の組みあわせがもっとも現実的だろう。

さいわい俺らPOゲーマーは、血統なりラインなり馬体なり調教なりの馬選びフィルターを重ねることで、比較的確実にハズレ%を30%や20%、うまくいけば0%(全頭出走勝ちあがり)にすることができる。社台ファーム生産-臼田所有-橋口厩舎のようにプロフィールの合わせ技(ライン)で、まずかなりの確実さが保証される。そこに血統や馬体や調教からのプラス要素を加味すれば、打率はさらに上がる。

ただし、だ。
この季節だからあえて書くが、こういう選び方をした馬が走ることと、名馬の生産・調教に成功することを同列に語ってはいけない。
調教師の立場にたってみればわかることだ。1歳の終わりごろまでなら、つきあいのある馬主が持ってきた馬を、血統や馬体を気に入らないから断るなんてことは不可能だ。ぎゃくに、2歳になって成長が足りない早期入厩できないとわかった途端に他厩舎へおしつけるようなことは、いまどき藤沢和でもやれはしない。
よって、「○○厩舎駄馬入れすぎw俺の方が見る目あるわw」的な発言は、2chですら「POG厨氏ね」と叩かれて当たり前である。むしろ氏ね。

POゲーマーがやっている馬選びと、厩舎がやっている馬選びは、まったく性質のことなる行為であり、そこにまさにこのゲームを勝つためのさらなるヒントが隠されている。

米血セット理論とは

2009-05-13 | pog-strategy
サドラー、カーリアン、あるいはフランスやドイツの血統は、ただ日本へ持ってくるとジリっぽく晩成で使い物にならない。これらの産駒のなかで、G1でも通用するスピードをもつ馬はどこが違うのか?
ぎゃくにミスプロなどのアメリカ血統は、ただ持ってくるとダートや短距離限定の早熟馬になる。芝G1の直線でも弾けられるミスプロ馬はどこが違うのか?

その答えの一部は、米血セット理論があきらかにしてくれる。
米血セット理論とは、アメリカ血統の特定の組み合わせを凝縮して父母に配置することで、スピードや鋭敏な気性をよびさますことができる という考え方である。
この理論はとくにヘイロー系、ミスプロ系、ニジンスキー系、サドラーズウェルズ系、ブラッシンググルーム系の配合において、重要な視点を提供する。

全体としては、原材料→素材→加工品という3段階の合体システムになっている。
第一段階は原材料。

1 Nasrullah≒Royal Charger≒Mahmoud≒Badruddin
2 Sir Gallahad=Bull Dog(代用としてPlucky Liegeだけでも、ないよりはまし)
3 Menowか、その父Pharamond=Sickle(代用はHyperionかLavendula)
4 Blue Larkspur(代用はBlack ToneyかNorth Star)、できればLa Troienne付きで

1-4のうち3種類か4種類を近い代にもっている1950-75年生まれのアメリカ産馬が、つぎの段階、素材↓となる。代表例はヘイルトゥリーズン。

Hail to Reason =1+2+(3)+4
Roberto =Hail to Reason +1+2+4
Halo =Hail to Reason +1+3+4
Regal Gleam =Hail to Reason +3+4
Fairy Bridge =Hail to Reason +1+2+(3)+(4)

Boldnesian =1+2+3+4
Red God、Cap and Bells、Attica、Chieftain =1+2+3
Gold Digger、My Charmer、Riverman、Princess Pout、
Quadrangle、ブレイヴェストローマン =1+2+4
Damascus =1+3+4
Flaming Page、Buckpasser =2+3+4

T. V. Lark、Delta Judge、Miss Swapsco、Sweet Tooth =1+2+(3)+4
Intriguing、Consentida、Spearfish =1+2+(3)+(4)

20世紀後半に成功した種牡馬は、たいていこれらの直系か、母方が濃い米血セットになっているかのどちらかなんである。
(Northern Dancerも母方に1+3+(4)を持っているが、位置が遠く2.5種類と考えるとやや弱いんで、ここでは除外してかんがえる。べっべつにノーザン入れるとめんどくさいってわけじゃないんだからねっ誤解しないでよねっ>ω<)

つぎに素材が複合して第三段階、加工品↓となる。代表例はシアトルスルー。

Seattle Slew = Boldnesian(1+2+3+4)
       + Hail to Reason(1+2+(3)+4)
       + My Charmer(1+2+4)

シアトルスルーの血統表にはNasrullah≒Royal Chargerが3本、Sir Gallahadが3本とAdmiral Drake1本、SickleとLavendulaが1本ずつ、Blue Larkspurが3本とBubbling Overが2本入っていて、それぞれの父母のなかでの位置(血統表の縦方向)が近くまとまっている。
これをニアリークロスまたは相似交配といい、RY師匠ふうに書くとBoldnesian≒Hail to Reason≒My Charmerとなるんである。
シアトルスルーは、該当するクロスが濃く時期も早いため、加工品でありながら素材としても多用される。

加工品は推挙にいとまがない。なので今回はマル外、持ち込み、輸入種牡馬産駒の活躍馬とその子孫、それに注目の海外種牡馬を重視して並べてみる。

Caerleon
 =Regal Gleam + Flaming Page
→フサイチコンコルド
 =Regal Gleam + Flaming Page + Fairy Bridge
→イブキパーシヴ
 =Regal Gleam + Flaming Page + Gold Digger + Damascus
→タイキシャトル
 =Halo + Miss Swapsco + Flaming Page
→→ディープサマー
 =Halo + Miss Swapsco + Flaming Page + Fairy Bridge + Red God
マルゼンスキー、ヤマニンスキー、…
 =Flaming Page + Buckpasser
→ヤエノムテキ
 =Flaming Page + Buckpasser + Red God
ホクトベガ、ラムタラ、…
 =Flaming Page + Red God
Rahy
 =Red God + Halo + Miss Swapsco
→ファンタスティックライト
 =Red God + Halo + Miss Swapsco + Flaming Page + Quadrangle
Singspiel
 =Fairy Bridge + Halo + Miss Swapsco
El Prado
 =Fairy Bridge + Attica + Cap and Bells
カーネギー
 =Fairy Bridge + Riverman
→カーネギーダイアン
 =Fairy Bridge + Riverman + Gold Digger + Hail to Reason
テイエムオペラオー
 =Fairy Bridge + Red God + Cap and Bells
メイショウサムソン
 =Fairy Bridge + Cap and Bells
シンコウキング
 =Fairy Bridge + Princess Pout
ポップロック
 =Fairy Bridge + Seattle Slew + Damascus + Halo + T. V. Lark
キングヘイロー
 =Cap and Bells + Halo + Attica + Buckpasser
→カワカミプリンセス
 =Cap and Bells + Halo + Attica + Buckpasser + Seattle Slew
ライスシャワー
 =Roberto + Flaming Page + Buckpasser
ナリタブライアン、Red Ransomなど
 =Roberto + Damascus
マヤノトップガン
 =Roberto + Red God
トーホウシデン
 =Roberto + Red God + Attica + Flaming Page
シンボリクリスエス
 =Roberto + Seattle Slew + Hail Proudly(1+3+4)
→サクセスブロッケン
 =Roberto + Seattle Slew + Hail Proudly + Halo + Hail to Reason
Woodman、リズム
 =Gold Digger + Buckpasser + Intriguing
→スピードワールド
 =Gold Digger + Buckpasser + Intriguing
   + Zulu Tom(1+2+3) + Al Hattab(1+(3)+4)
→ヒシアケボノ
 =Gold Digger + Buckpasser + Intriguing + Seattle Slew
Seeking the Gold、Miswaki
 =Gold Digger + Buckpasser
→シーキングザパール
 =Gold Digger + Buckpasser + Seattle Slew
フォーティナイナー
 =Gold Digger + File(1+2+3+(4))
→アドマイヤムーン
 =Gold Digger + File + Halo
→ラインクラフト
 =Gold Digger + File + Halo + シャダイマイン(1+2+(3)+(4))
スキャン
 =Gold Digger + Flaming Page + Regal Gleam
Carson City
 =Gold Digger + Red God + Flaming Page
Machiavellian
 =Gold Digger + Halo
→Vettori
 =Gold Digger + Halo + Attica + Flaming Page
Dubai Destination
 =Gold Digger + Princess Pout + Seattle Slew
エルコンドルパサー
 =Gold Digger + Fairy Bridge + Seattle Slew
→ヴァーミリアン
 =Gold Digger + Fairy Bridge + Seattle Slew + Halo + Consentida
→ソングオブウインド
 =Gold Digger + Fairy Bridge + Seattle Slew + Halo + シャダイマイン
アフリート
 =Gold Digger + Venetian Jester(1+2+3)
→プリモディーネ
 =Gold Digger + Venetian Jester + Flaming Page + Buckpasser + Red God
フジキセキ
 =Halo + Marston's Mill(1+2+(3)+(4))
→カネヒキリ
 =Halo + Marston's Mill + Gold Digger + Proud Pied(1+2+(3)+4)
→エイジアンウインズ
 =Halo + Marston's Mill + Buckpasser + Gold Digger + File + Flaming Page
サイレンススズカ
 =Halo + Gold Digger + Buckpasser + Ack Ack(1+2+3+4)
ゼンノロブロイ
 =Halo + Gold Digger + Buckpasser
スペシャルウィーク
 =Halo + Flaming Page + Buckpasser
→シーザリオ
 =Halo + Flaming Page + Buckpasser + Fairy Bridge
ダンスインザダーク、ダンスパートナー
 =Halo + Flaming Page + Dinner Partner(2+3+4)
→ザッツザプレンティ
 =Halo + Flaming Page + Dinner Partner + Gold Digger + Buckpasser
→デルタブルース
 =Halo + Flaming Page + Dinner Partner + Delta Judge + Princess Pout + Attica
アグネスタキオン
 =Halo + Coz o'Nijinsky(1+2+3+(4))
→ダイワスカーレット
 =Halo + Coz o'Nijinsky + Consentida
→ディープスカイ
 =Halo + Coz o'Nijinsky + T. V. Lark*2
→キャプテントゥーレ
 =Halo + Coz o'Nijinsky*2 + Delta Judge
アドマイヤベガ
 =Halo + Moonscape(1+2+3)
マンハッタンカフェ
 =Halo + Boldnesian

やはり、輸入系の活躍馬ではさかんに「米血セット」が活用されているのがわかる。とくにサドラー系やカーリアン系、ミスプロ系の活躍馬で日本の芝に適性をみせたものでは、ほとんど例外なく米血セットの活用がある。
↑の成功例と、POGの歴代地雷馬(たとえばサクラワクセイオー、Golden Pond-99、マイネルエクソン、リバースモード、アグネスパートナー、マクシミリアン、フサイチイチロー、カーム、ザサンデーフサイチ、…)の血統表を、米血セットに注目して見くらべてほしい。あきらかに違うことがわかるはずだ。

日本の在来血統ではつい最近まで、米血セットの活用はあまりおこなわれてこなかった。POGでもよく「マル父はロマン、勝ちたいなら輸入種牡馬と輸入繁殖牝馬の子」と言われたが、それは別に輸入馬と内国産馬の能力に絶対的な差があるからではない。配合のなかで米血セットが活用しやすく、それが産駒のスピードにあらわれるからだ。

最近はサンデー系がひろまって国産馬同士でも米血セットが活用しやすくなり、ついでにマル父マークも消えてしまった。だがしかし、いまでも米血セットが活用できている馬は全体の半分以下。それでいてPOG期間の活躍馬は、その大部分が米血セットを活用したものなんである。
じっさい血統にあかるい生産者は、このままの理解でなくても、似たようなことをかんがえながら配合を決めている。

あなたの指名馬や出資馬の配合では、米血セットが活用されていますかね? m9(`・ω・´

勝ち切る意思

2009-04-15 | pog-strategy
ある馬が、極限の戦いにおいて最後にひと伸びできるかどうか、あえて単純な言い方をすれば、どのくらいの「スタミナ」あるいは「勝負根性」を持っているか。
それを、もっとも手軽な手段で予測するにはどうすればよいだろう。

過去数万頭の血統表を見てきた俺に言わせれば、それにはその馬の血統中に含まれる、ハイペリオン(Hyperion)とその母シリーン(Selene)の血量をそれぞれ算出してみることである。
一般に、これらは平均してHyp:4.9%、Sel:3.5%という値を示す。
しかし、過去10年のダービー勝馬の平均値は、Hyp:6.2%、Sel:4.5%となっている。

とくにハイペリオンの血量が多い馬の走りは、ハイペースになればなるほど強く、追えば追うほど応えて伸びる、というものになる。近年でもっともハイペリオンらしかったのは、ナリタブライアン、エアグルーヴ、スペシャルウィーク、ダイワスカーレットらだろう。
これらのように、ハイペリオン血量の豊富な馬は、しばしば東京コースでひときわ強さを発揮する。また荒れ馬場や中距離以上のダートに対する適応力も、ハイペリオン血量と密接な関係にある。
米血が濃い配合では、ハイペリオンの代わりに異父兄シックル(Sickle)やファラモンド(Pharamond)がおなじ役割を果たす。すなわち、ハイペリオンの父母では、母方シリーンの役割が大きいんである。
シリーンの父の半弟であるスウィンフォード(Swynford)を付近にともなうと、ハイペリオンの遺伝効果はさらに増幅される。→(例)
それからもうひとつ、ハイペリオンを補佐する血で重要なものがある。ハイペリオンと同父系のサンインロー(Son-in-Law)だ。これが強くなると、東京より中山に適性がかたむき、先行やまくり脚質になりやすい。

注意しなければいけないのは、ハイペリオンが濃くても、素軽いスピードでテンから飛ばすようなレースや、スローの直線切れ味勝負になるようなレースでは、ほとんど役に立たないことだ。じっさいシーキングザパールなどは、ハイペリオンをまったく持たず、シリーンも1.6%しか含んでいなかった。
テンから飛ばすにはブルドッグ(Bull Dog)やブルーラークスパー(Blue Larkspur)、直線するどく差すにはナスルーラ(Nasrullah)マームード(Mahmoud)ロイヤルチャージャー(Royal Charger)プリンスキロ(Princequillo)など、それぞれ別の血脈が必要とされるんである。
思えば、ハイペリオンとブルドッグとマームードのバランスがとれ、これらの血脈を産駒の配合で効果的に強調し、再現できたのが種牡馬サンデーサイレンスの最大の強みであった。

クラシック、とくにダービーを獲るつもりで指名する馬に迷ったら、いちどハイペリオン血量を調べてみてはどうだろう。

追加参考:サンデーサイレンスの天下を作ったのは誰か 後編/REVERY_L_ELEKTRA: Anotherside

私撰システム概説

2009-03-28 | pog-strategy
2歳牡馬について大方の分析を終了した。本格的な分析にかかったのは3年ぶりで、さすがに時間を要した。この間俺は家族の人数が増えたり減ったりで色々あり、一時競馬からも離れていた。連絡いただいた方には申し訳ないが、その間はお返事もほとんどできていなかった。
とはいえ、放置でアクセス数が落ちていたのでこのブログでまた私撰馬を書けるようになった。本来の立ち位置に戻れたことを、まずは喜んでいる。読者の方におかれては、どうかこのブログのことを広めないようにして欲しい(笑)

さて、俺の血統分析は3段階選抜である。世代約7500頭の中から、最初に3代血統表と母の年齢・繁殖成績に注目して1000頭以上をピックアップ。次にラフな分析で300頭を選抜し、そこから10代血統表で詳細な分析を行う。
現在までのところ38頭をA+評価とし、42頭をA評価としている。この後は牝馬を少しだけ選びながら、メディアで露出のあった馬、名門厩舎に入る予定の馬を加えて、結論を出すことになる。

各馬の評価は19のファクターから構成されており、近似式で数値化して算出している。オリジナリティを守るために詳細は書けないが、血統表と兄弟馬の血統・成績を眺めれば、ほぼ自動で算出できるようにしているので、以前よりは楽になった。数値化の結果は正規分布を示しており、偏差値に変換される。
A+は去年でいうとロジユニヴァース、アプレザンレーヴ、アドマイヤコブラ、バアゼルリバー、ワールドプレミアなどが入った層。Aはリーチザクラウン、アンライバルド、スーニ、フィフスペトルなどが入った層である。個別のケースとしてA馬がA+馬を上回ることはよくあるが、A+馬の方が活躍する可能性がより高い。あくまで確率をはじき出しているだけだと考えてほしい。過去に自サイトやpog-piratesなどで披露した「私撰馬」はすべて、A+もしくはAの層に入った馬から、さらに血統的傾向と厩舎の傾向があったものや調教の進度が順調なものを選抜したものだ。

ただしこのシステムではブエナビスタのような牝馬はあまり有効に掬い上げることができない。牝馬を分析するには牡馬とは別の尺度が必要になるが、それをわざわざ構築する手間で牡馬の分析精度と効率を上げた方が良いと判断したためだ。また、セイウンワンダー、トーセンジョーダンといった、分析の結果を覆して走る馬の存在も常にある。これらはシステムの今後の課題としておきたい。

ちなみに私撰の過程で、馬体写真はほとんど見ていない。明らかに馬体が優れたものは写真一枚で人気になってしまうので、血統で選べる俺からすると下手に写真で人気になってほしくない。ヌケにならないよう分析の対象には加えるけれども、気は乗らない。写真での露出がなければ、血統屋の独壇場なわけで、むしろその方がウマイんである。

海外自家生産馬

2005-04-18 | pog-strategy
外国産馬の指名が、年々むずかしくなってきている。
アメリカの景気が良いせいか、日本の景気が悪いせいか、日本人がセールで良い馬を買えていない。それでさいきんは、セールで取引されていない馬 のほうが活躍している。
ファインモーションシーキングザダイヤは、庭先取引で購入されたため、ドラフト当時、その存在を知らなかった人もいたようだ。俺は2頭とも私撰馬に入れていたが、ほかの参加者も注目しており、実弾戦では指名できなかった。ファインモーションは5位で、シーキングザダイヤは1位で消えている。
今年は軽種馬登録協会の輸入情報が更新されておらず、ますます情報が得にくくなっている。

庭先取引馬については素人ではどうしようもない面があるが、日本人が海外で生産した馬なら、いくらかチャンスが広がる。
ヒシアマゾン、エルコンドルパサー、シンボリインディ、エイシンチャンプ、シンボリクリスエスは、こうした海外自家生産馬である。すごい実績のわりに、ドラフト時には評判にのぼらない。外国産馬エージェントの合田氏でさえ、個々の馬は把握していないらしい。それだけに、当たりを引くのは難しいが、引ければそれだけで勝ち組になれる。

平井=エイシン生産の2歳馬などはすでに輸入が確認できる。俺のサイトに掲載してあるので参考にしてほしい。和田=シンボリも、ドラフト時期には雑誌で紹介されるだろう。
ただし臼田、渡邉、藤田氏らの海外生産馬は、ドラフトに間に合わない可能性がある。
そこで不確実ではあるが、輸入される可能性がある馬を下に紹介しておく。確認と指名は自己責任で。ロックオブジブラルタルのように海外でG1を勝ちまくったり、ピサノタイヨーのように期間後地方でデビューしても、俺は一切関知しない。(・ω

Rahy × Kenbu (Kenmare) 牝
Crafty Prospector × Karmifira (Always Fair) 牝
Cherokee Run × Renge (ジェネラス) 牝
Spectrum × Valixa (Linamix) 牡
Giant's Causeway × Crown Crest (Mill Reef) 牡
Grand Slam × Hiroo Garden (Caerleon) 牝
Grand Slam × Ruby Cairo (Nashwan) 牝
Stravinsky × Savannah Song (Riverman) 牡
Mozart × Bagatelle (Diesis) 牡
Giant's Causeway × Lu Ravi (A.P. Indy) 牝
Honor Grades × Dusty Ravi (ブラックタイアフェアー) 牡
With Approval × Lavish Gift (ジェネラス) 牝
Sadler's Wells × Ghost Tree (Caerleon) 牡
Sadler's Wells × Mosaique Bleue (Shirley Heights) 牡
Sadler's Wells × Candarli (Geiger Counter) 牝
Tale of the Cat × Preparation (Easy Goer) 牝
Royal Academy ロイヤルアカデミー × Cutlasee (Cutlass) 牡
Unbridled's Song × Wanda's Dream (Miswaki) 牝
Southern Halo サザンヘイロー × Sakura Fabulous (Fabulous Dancer) 牝
Shambo × Love Potion (Rio Bravo) 牡
Crafty Prospector × Green Eyed Kay (Northern Jove) 牝
Commendable × Devil's Fool (Devil's Bag) 牡

シーキングザダイヤの下はGiant's Causewayの牝馬だが、たぶん輸入されることはないので除外した。

牝馬と2歳戦

2005-04-09 | pog-strategy
ひとむかし前、「2歳戦では牝馬が有利」と言われていた。だが、今そんな格言は通用しない。
ビワハヤヒデやマザートウショウが活躍した1992年、牡馬と牝馬の2歳戦勝馬率は0.1%しか違わなかった。ところが2004年には牡馬 22.7%、牝馬 13.6%と大きく差が開いてしまっている。とくにここ数年というもの、年2%(2ポイント)ずつ差が拡大しており、その勢いが止まらない。
理由は2つある。

・ 中央2歳戦での出走頭数が増加している
・ 牝馬でなくとも仕上がり早くなってきた

10年くらい前までは、牝馬は生まれてもつぶされたり、競走馬にならなかったり、地方競馬で走ったり、すぐに繁殖入りするものが多かったので、世代の全牝馬のうち、中央の2歳戦に出走する馬は1割以下だった。
それがいまは、絶対頭数でほぼ2倍、世代の全牝馬の2割以上が、中央の2歳戦に出走する。
生産者にしてみれば、牡馬だけに頼っていたのでは経済的に立ち行かず、たとえ売れなくても何とか中央で走らせたいと考える。なぜなら地方競馬がつぎつぎ廃止となるなか、中央での勝ち星がないと、その仔馬が売れなくなっているからだ。生産者はこぞって牝馬を中央で走らせようとし、それがますます牝馬の勝馬率低下につながる・・・という悪循環。JRAは一刻も早く、2歳の牝馬限定戦を増設するべきだろう。

また血統的なトレンドの変化、育成技術の発達も牝馬にはむずかしい状況を招いている。というのは、仕上がり早く短距離向きな米血(B-TYPEでいうところのB型)が普及し、初期馴致から入厩までの育成がすすんだせいで、かつて仕上がりにくかった牡馬が早く仕上がるようになり、自然に仕上がっていた牝馬のアドバンテージが失われつつあるのだ。

勝ち上がり率も悪ければ、G1の賞金も牡馬に比べると低い。これでは牝馬の値段が下がって当然だ。生産者がむかしより、牡牝どちらが生まれるのか気にするようになったのもわかる気がする。
POゲーマーも、そんな時代にPOGで牝馬を指名するということの意味を、もう一度考えてみなければいけないだろう。

アドマイヤベガは成功なのか?

2005-04-07 | pog-strategy
今年はアドマイヤベガの2年目産駒と、全弟アドマイヤボスの初年度産駒がそろってデビューする。あわせて194頭が血統登録されているから、かなりの数だ。
アドマイヤベガ産駒は、去年10月にストーミーカフェが札幌2歳Sを勝ち、モンローブロンドとレキシントンブルーも2勝目をあげて「すわサンデーの再来か」と騒がれた。その月の終わりにアドベガが死んでしまったので、よけいに大きく報道されることになった。ストーミーカフェは骨折するまでに重賞2勝したし、死んだ種牡馬の仔は走るという格言もあるので、今年アドベガ産駒を狙う人は多いだろう。アドボスの初年度産駒も狙われるかもしれない。

しかしアドベガ産駒全体の勝馬率は、2歳戦終了時で20%、現在はさらに下がって17%(SSが52%、BTが34%、フレンチが39%)と、じつは全然よくない。
中央登録済み全頭を対象とした世代全体が勝馬率23%(出走3470頭、勝馬795頭)だから、目をつぶってアドマイヤベガ産駒を選ぶぐらいなら、目をつぶってそれ以外から選んだ方が、未勝利にあえぐ確率は低かったという、衝撃の事実。
賞金でくらべても、ストーミーカフェを除くアドマイヤベガ産駒の獲得賞金は1頭当平均376万円と、中央に出走した3歳馬全頭の平均385万円を下回るのだ。

俺が1頭だけ私撰馬に選んだアドマイヤフジは来週皐月賞に出るが、ほかの産駒の配合には首をひねるものが多かったし、ましてやアドベガ自身の遺伝力にはほとんど期待していなかった。なので、後だしみたいでアレだが、アドベガブームも時間の問題だと思っていた。
アドマイヤフジにはがんばってほしいし、ストーミーカフェにも、意地悪な意味でブームを盛り上げてほしかった。けどそれとアドベガの遺伝力とはあくまで別の話なんである。

一時期、一部の馬だけの印象で、今年人気を集めてくれるのなら、俺にとっては好都合。(もちろん俺も好配合馬まで逃すつもりはない。私撰馬候補には今のところ2頭が残っている。産駒全体への注目度が上がって、この2頭が相対的に穴っぽくなるのを祈るばかりだ。)

教訓。

・ 2年目以降の種牡馬を狙うなら、最低でも勝馬率、できればAEI-CPIを確かめろ
・ 数頭の良血馬が勝ち進んだからといって、種牡馬の遺伝力が強いとは限らない


良血馬(あるいは好配合馬)の活躍と、種牡馬自身の遺伝力。これはちょっと難しくて、ほとんどの人が区別をつけられないかもしれない。JRAも種牡馬名鑑にしかコンパラブルインデックスを発表していないから。
アドベガも、ダンスも、フジキセキも、そしてタキオンも、血統を見るだけで大種牡馬になるような馬ではないことがすぐわかるのだが・・・。
ヒントは以前のエントリにあるので、興味のある人は考えてほしい。

死んだ種牡馬の仔は走る

2005-03-31 | pog-strategy
サンデーが最後の世代、というのはギャロップ誌などが盛んに取り上げているので知らない人はいないと思うが・・・
エンドスウィープとエルコンドルパサーも最後の世代だということを、多くの人が忘れているのではないだろうか。

エンドは2002年5月種付中に横転、背骨を骨折、7月11日に合併症で死亡。
エルコンはその2日後、腸捻転を発症し、3日後に死亡した。
サンデーの病状がいよいよ深刻になり、関係者の間で社台グループの斜陽がささやかれ始めた頃のことだ。

また、翌2004年3月にはエアシャカール(俺に初めて皐月賞を取らせてくれたPO馬)、4月にはタマモクロス、5月にはリアルシャダイなども亡くなっている。
エアとタマモのラストクロップは現1歳(リアルは供用停止になっていたのでラストクロップは現4歳)だ。

死んだ種牡馬の仔は走るという格言を信じるなら、今年はサンデー、エンド、エルコン、タマモと死んだ種牡馬の仔だけ指名するというのもいいかもしれない。

俺は信じていませんがね(ニヤリ)。

サンデーレーシングとサンデーの孫

2005-03-24 | pog-strategy
サンデー産駒の獲得賞金上位50頭中、11頭は社台レースホース所属馬が占めている。サンデーレーシングの馬はその中に1頭もいない。
しかし04年ダービー以降のここ1年間、これまで社台レースホースの陰に隠れがちだったサンデーレーシング所属馬は大活躍した。02年産世代は特にそうだ。
これは来たる03年産世代のドラフトにも、大きな変化を与えるだろう。

社台系とノーザン系が別れた99年産世代から見てみよう。
99年産世代 > チャペルコンサート父SS、モノポライザー父SS
00年産世代 > クラフトワーク、ヴィータローザ父SS、
        アイポッパー母父SS、アルビレオ父SS、サカラート母父SS
01年産世代 > デルタブルース父父SS、レクレドール父SS
02年産世代 > ペールギュント父SS、ヴァーミリアン母父SS、
        アンブロワーズ母父SS、ライラプス母父SS、フェリシア

こう見ると、やはりサンデーの仔や孫が多い。ただ99年産以降に限っても、サンデー産駒の獲得賞金上位50頭中、サンデーR所属馬は5頭と、社台RH所属馬(7頭)には遅れを取っている。サンデーRは社台RHの後塵を拝しているのだ。
ところがサンデー孫について調べると、

ダンスインザダーク産駒獲得賞金上位50頭中、
 6頭がサンデーR所属馬(1頭=社台RH、3頭=金子)
フジキセキ産駒獲得賞金上位50頭中、
 6頭がサンデーR所属馬(1頭=社台RH、2頭=勝己、照哉)
スペシャルウィーク産駒獲得賞金上位50頭中、
 6頭がサンデーR所属馬(2頭=社台RH、3頭=勝己、臼田)
母父サンデーの獲得賞金上位50頭中、
 11頭がサンデーR所属馬(4頭=社台RH、2頭=ヤマニン)

なのだ。つまり サンデー直仔は社台RH、サンデー孫ならサンデーR と言ってよいのである。
これは照哉氏の社台ファームと勝己氏のノーザンファームの違い、たぶん吉田家の財産分与に由来するものだろう。
したがって、サンデー直仔の時代が終わった後は、社台RH>サンデーRではなく、サンデーR>社台RHという構図で眺めていかなければいけないのかもしれない。

ちなみに、03年産世代のサンデーR所属馬は、父サンデーが11頭、父父サンデー22頭、母父サンデー10頭となっている。このうち俺が指名するのは(ry