へびのように賢く、はとのように素直であれ

いつの頃か、偽善が世の中に満ちている。偽善は見破らなければならない。へびのように賢く、はとのように素直でありたい。

不思議な少年!! その45の1

2009-06-22 13:03:26 | Weblog

イエス、ギリシャを訪れてアテネ人に迎えらる!!



 ギリシャの地を訪ねたイエスの狙いは何であったのか? ギリシャは言うまでもなく、科学哲学を始め、西洋文明の発祥の地である。物質文明の粋を極めた発祥の地である。これは余人を持って疑いがない。そして、それをイエスは最大級に称えている。


 しかし、それでも尚かつ、実相を極めてることは出来ないと言っている。実相とは何か? 物質とはその一部であるから、その源をも含める概念である。それには科学、哲学では到達し得ないと語っている。


Acropolis_from_southwest


<アテネ



 そ れは、霊識をを必要とするが、霊識は聖気の助けなくして得られない。悟りは科学、哲学では到達しないのである。霊識とは、心の裡なる意識のことである。科 学、哲学は3次元的物質世界を紐解くことが出来るかも知れないが、3次元的物質世界(この世)は、創造の影にすぎないから、虚しさの域を出ない。


 何という教えであるか。かのギリシャ人もこれには少なからず驚いたことであろう。 



イエス、ギリシャを訪れてアテネ人に迎えらる。アポロに逢う。演技場でギリシヤの教師たちに語る。


 ギリシャ哲学は辛辣(しんらつ)な真理に富んでいるから、イエスはぜひギリシャの学校の教師たちと共に研究したいと望んだ。そこで、彼はナザレの家を出て、カルメル山を越え、港から船に乗り、直ちにギリシャの首都に着いた。


 アテネの人々はかねてイエスが教師で哲学者であることを伝え聞いていたから、喜んで彼を迎え、真理の言葉を聞こうとした。ギリシャの教師のうちに神託擁護者(ようごしゃ)と呼ばれたアポロと言う人が居て、多くの国々にギリシャの聖者としてその名が知れ渡っていた。


 アボロはイエスのため、広くギリシャ学の門戸を開いた。そしてイエスはアレオパガスで一流の学者の語っているのを聞いた。しかし、彼は彼らの智恵より遥ににすぐれたものを携えて、彼らを教えた。


 一度彼は演技場に立ち、アポロの命ずるままに口を開いた。


 「アテネの学者たちよ、聞かれよ。むかしむかし、自然の法則にあかるい人々は、今あなたがたの都 が建っている場所をさがしあてた。あなたがたの十分知っているように、地球の或る場所には、その脉動(みゃくどう)する心臓が、天に向ってエーテルの波動 を投じ、上からのエーテルに会うところがあります。


 その場所で、霊光と知性が夜の星のように輝きます。


 地上どこでも、これほど感受性があり、また本当に霊福のあるところはアテネ以外にはありません。いや、ギリシャ全部が祝福されて居る。あなたがたの芳名録を飾るような、このような偉大な思想家たちを生んだところは、どこの国にもありません。


 哲学、詩歌、科学、芸術の巨人群がギリシャの国土に生れ、そして清浄無垢な思想の揺藍(ゆりかご)をゆるがして成人に育てあげました。わたしがここに来たのは、科学、哲学、芸術について語るためではない。これはあなたがたが世界最大の達人です。


 しかし、すべてあなたがたの高尚な教養は感覚の領域を越えた世界に進む踏み石に過ぎない。時の壁に飛びすぎる空しい影に過ぎない。


 しかし、わたしは上なるまた内むる生命について語りたい。この生命は過ぎ去らぬ真の生命であります。科学、哲学には、魂が自覚し、また神と交通する強い力はありません。


 わたしはあなたがたの旺盛な思想の流れをせきとめようとはしない。ただこの流れを魂のチャンネル に向けたいのです。聖気の助けがなければ、思惟作用の大きな働きは、目に見える事物の問題を解決する助けとはなるが、それ以上は出来ない。五感は過ぎ去る 事物の単なる絵姿を心に運ぶように命ぜられるだけで、実体そのものを取り扱わない。永遠の法則を会得しない。


 しかし、人間の魂には何物かがあって、その何者かが実体の世界を見ようとして、幕を引き裂こうとしています。わたしはこの何物かを霊識と言う。これはすべての魂のなかに眠っているが、聖気が賓客として迎えられるまでは、目覚めることができません。


 この聖気はすべての魂の戸を叩くが、人間の意志が広くこれを開くまでは、入ることができない。知識にはその鍵をまわす力がない。哲学と科学は共に幕の内側をのぞこうとしたけれども無駄であった。


 魂の戸を開けっぱなしにしておく秘密のバネは、純潔な生活、祈祷、聖想以外にはない。


 帰り来たれ、ああギリシャ思想の神秘の流れよ、汝の清澄なる流れに霊生の溢るる水を交えよ。しからば霊識はもはや眠らず、人間は悟り、神は祝し給わん。」


 イエスはかく言って傍らに退いた。ギリシャの教師たちは、彼の言葉の智恵におどろき、誰も答える者がなった。



【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】

             

             第十部 ギリシャでのイエスの生活と行動  



第四十四章 イエス、ギリシャを訪れてアテネ人に迎えらる。アポロに逢う。演技場でギリシヤの教師たちに語る。


1)ギリシャ哲学は辛辣(しんらつ)な真理に富んでいるから、イエスはぜひギリシャの学校の教師たちと共に研究したいと望んだ。


2)そこで、彼はナザレの家を出て、カルメル山を越え、港から船に乗り、直ちにギリシャの首都に着いた。


3)アテネの人々はかねてイエスが教師で哲学者であることを伝え聞いていたから、喜んで彼を迎え、真理の言葉を聞こうとした。



4)ギリシャの教師のうちに神託擁護者(ようごしゃ)と呼ばれたアポロと言う人が居て、多くの国々にギリシャの聖者としてその名が知れ渡っていた。


5)アボロはイエスのため、広くギリシャ学の門戸を開いた。そしてイエスはアレオパガスで一流の学者の語っているのを聞いた。


6)しかし、彼は彼らの智恵より遥ににすぐれたものを携えて、彼らを教えた。


7)一度彼は演技場に立ち、アポロの命ずるままに口を開いた。


8)「アテネの学者たちよ、聞かれよ。むかしむかし、自然の法則にあかるい人々は、今あなたがたの都が建っている場所をさがしあてた。

→45の2に続く



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