星になった小さな自衛官～金剛丸を知っていますか？～

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海上自衛隊 呉地方地補給基地所属 警備犬「金剛丸」
ジャーマンシェパード。金剛丸は小さな、そして使命感に満ちた、誇り高き自衛官です。


……基地内の警備を目的とする「軍用犬」だった。トレーナーさんとの二人三脚で、多数いる自衛隊の警備犬中で「国際救助犬」の資格を得た二頭のうちの一頭。



あの3.11発生からすぐ、金剛丸と盟友「妙見丸」は生存率72時間との戦いと使命と期待に応えるべく、広島から被災地へと向かいました。


……もともと、体調がすぐれなかった金剛丸にとって、この任務は想像を超える激務だったに違いありません。人間より優れた耳や嗅覚が、かえって物凄いストレスだったに違いありません。
肉球は血だらけ、被災し汚染した水の中、しゃにむに生存者を探し続けました。


トレーナー、森元さんの期待に、生まれ故郷の東北の為に、励ましてくれる仲間に、何より人命救助の為に………


……………そして、要介護の老夫婦を救助しました。誰もが怯む状況の中、目を背けたくなる惨状の中、金剛丸は自衛官としての使命を立派に果たしました。



その数ヶ月後、金剛丸は「虹の橋」を渡り、星になりました。


金剛丸の死因は肺炎。元々、体調不良をおしての出動でした。津波肺と呼ばれるモノが、この果敢な「小さな自衛官」の身体を蝕んで言ったのでしょう……4歳4ヶ月。人間でいえば30代半ば…………………余りにも早過ぎる生涯でした。



この本に金剛丸の出生から最後まで、詳しく、優しく活躍が記されてます。


………今まで、金剛丸の活躍を全く知りませんでした。遊び好きで、無邪気ながらも職務に忠実でありましたが、犬として幸せだったのかな？……………………でも、満ち足りた毎日を過ごしたに違いありませんよね？



靖国神社には軍犬、軍馬、伝書鳩の慰霊碑があり、毎年慰霊祭が行われます。
…しかし、殉職した自衛隊の警備犬はそこに入れません。
誰も、けなげな警備犬達を弔ってはくれません……



「……そんなのおかしいだろ！犬も人間も、一緒に弔うのが当たり前だ！」



…と、鶴の一声で航空自衛隊の某基地のしかも１番目立つ場所に、大きな犬の慰霊碑を作ったのが…………………………かつて、危険人物と言われた……そう、この方。よだかの星を探して-STIL0027.jpg
当時、基地指令だった、田母神元航空幕僚長。
……あまり知られてませんが、ホントに優しい、見識ある方です。



……ありがとう！金剛丸！キミの事は、決して忘れないよ！


星になった、小さな自衛官に敬礼！
…………虹の橋で、自由に思い切り遊んで、走って、休んで下さい！

もう、子犬の頃みたいに自分の為だけに遊んでいいんだよ……………。



ホントにありがとう……………。