ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

ガマの油売り口上〔技法〕見る人聞く人との共感作りが大事!

2020-03-29 | ガマの油口上 技法

ガマの油売り口上は どういう「場」なのだろうか 
   ガマ油売り口上は、本来、どのような「場」であったのだろうか。
  口上の流れを見ると、次のような「場」としてとらえることができる。

 口上によって、ガマの油を買わせる
 そのために

 ・こちらの意図するところを相手に十分伝達する「場」である。
   ・・・・・・・・・・・・ 効能は外傷などによく効くから買って下さいよ!
 ・相手に理解してもらう「場」である。  
   ・・・・・・・・・・・・ 効能はごらんの通り。
 ・相手を説得し、決断させる「場」であり、
   ・・・・・・・・・・・・ 効き目を実演し、分かったよ、買うよと決断させる。 
 ・行動を起こさせる「場」である。 
   ・・・・・・・・・・・・まけろよ! 買うよ! 
  ざっと、このような「場」である。  

口上の演技で留意すべき点 
 ガマの油売り口上は筑波山地域に伝承されたものを演ずるのであるから、新たなストーリーを創造するものではないが、相手の心をとらえるためには、次の点に留意する必要がある。
  
① 口上は説得、共感、ドラマである。

② 演技・説得による戦いの場である。

 相手のニーズを満たしていなければならない。
  油売りの口上は、本来は、ガマの油を買ってもらうことが目標であったので、
 買うに値するものであることを示さねばならない。
  理詰めで話を進め、テストで効能を示すすなど、相手の“理”に訴える。

③ 油売り口上は「共感」を呼ぶ人間性の戦いである。
 理解しようという気にさせているか。
 このため、相手の心を揺さぶる態度の変化を起こさせる熱意は十分か。相手の感性や情に訴えるための誠実さはあるか、信頼感を与えているかなどに留意する。 


④ ドラマチックに見せる。
 説得と共感のダイナミックスのため、メリハリのある演技で刀の切れ味を見せ、薬の効能を教え、それをテストして、分かった、買うぞという共感を得るように演じる。   
     
   

 

口上演技の技術 
① 構成の技術 
 口上を理解されやすく、こちらの意図を相手に伝達しやすいように整理し、
 演出上の計算を行う技術が必要になる。
 
  最初に何を、次に何を、というように、バラバラの要素を、
 スムーズや一つのユニットに作り上げる技術、順序だててまとめる技術である。
  ガマの油売り口上では、ストーリーが構成されているので、
 どの段階でどのような視覚素材を使うか、
 効果的な使い方はどうかなど工夫することが必要である。  

② 口上実演の技術
  一に練習、二に練習、三に練習、場数を踏むことが肝心。 
   歌舞伎、日本舞踊、芝居、落語など 一流のもの を見聞きすると
  多くのものを学ぶことができる。
  “一流”に触れる機会を持ち、”己との距離”や
”深さ”等を感じとることである。  

③ 視覚素材を活用する技術
  “口上”の効果をより高め、助成するために必要な視覚素材を作成し、
  活用する技術である。

 視覚素材を活用することのメリットは、
  相手にとって 
    ・明快にする 
    ・記憶しやすくする  
    ・理解のスピードアップが図れる 
    ・印象を深める   
  口上を演ずる者にとって 
    ・順序よく計画的に進行できる(ようなものを準備する) 
    ・記憶できる(ようなに準備する) 
    ・自信と確信を持てる(ようなものを準備する)

         どうだこの通り!
         口だけで、ああーだコーダというよりも、
         見せて分るものはきちんと見せる!
      

④ 相手との強力な共感を作るアイコンタクト(目線) 
   アイコンタクトの目的は、 
   ・相手を引きつける 
   ・相手の反応を探り、対応する 
   ・何かを相手の心に伝える 

 〔歌舞伎役者は「目」が命〕
             
     
 
    
  アイコンタクト(目線)の練習 
   ・対面目線; 着席、目線、無言
          立って、目線、しゃべり  
   ・舞台からの目線    
          立って、目線遠くへ、無言 

⑤ ジェスチャーの技術 
  ジェスチャーは、手、体などの表現によって
  相手に口上を演ずる者の考えを豊かに伝える。
   ・上下左右、大小、長短、ものの形、ものの数や量 
   ・動く方向や動き方  
   ・意味の約束された身振り、手振り  

⑥ 声の出し方・・・・・・強弱、高低、遅速など 
   声の大きさを自分でコントロールするために、
  強弱をつけて1分程度の話を繰返えしてみる。 
  リズミカルな短い言葉ほど聞き手に快く、イメージを結ばせやすい。  
  腹の底から響くような声、明晰な発音、イントネーションや
 「ござりまする」という語法等を使い分ける。 
 
  話す言葉で重要なことは、
   ・強調したい点、念を押す箇所はゆっくり話す。 
   ・さほど重要でない点、誰でも知っているような箇所は早口にする。
    ただし、早口の言葉が魅力のない話し方にならぬよう注意する。 

聞き手とラポールを築く
  ラポールとは「心が通い合っている」「どんなことでも打明けられる」
 「言ったことが十分に理解される」と
 感じられる人と人の間にある相互信頼の関係で、
 相手の心にかかるベルトと言ったものである。

 話すための必須の技法であるが、相手の奥底の心に訴え工夫も忘れてはならない。 
  
    
     


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