ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

ウルムチ…入り乱れる民族、言葉、息遣い

2010年08月08日 | 中国(3)西寧→烏市
ウルムチは不思議な街だと思う。
毎日宿の前からバスに乗り、北から南へと街を縦断していた。

北側は新しく整然とした街区が続く漢族の居住区。
官公庁や新しいホテル、オフィスビルが立ち並ぶ近代的な都市。
間にのぞく街並みには見慣れた漢字があふれる。


○あちこちにある漢族の大好きなイルミネーション。
 毎日がクリスマス前のようだ。

南側は再開発が進むウイグル族たちの居住区。
イスラム教のモスクやバザール、集合住宅のたたずまいにも、
どことなくイスラム色を感じる。看板も、アラビア文字が大書きされ、
まるでルビ(読み仮名)を振るように漢字が添えてある。
道路に面した商店の軒先で売ってるものも、ナンや葡萄、
カバブ(羊肉の串焼き)などが多い。
バスの窓から、独特の香辛料の香りが吹きぬける。


○二道橋近くのモスク


○国際大バザール。
 建物の中にはドライフルーツや民族衣装が溢れる。
 かと思いきやカルフールとかケンタッキーが入ってたりする。
 そこへ国内外の観光客がなだれ込む。カオスだ。


市の中心部、南門を過ぎる頃、バスの乗客は一気に入れ替わる。
見慣れたアジア系の漢族から、ほりの深い中東系のウイグル人へ。
その変化が鮮やかで極端で、何度体験してもゾクゾクする。


○街角のアコーディオンの音色には、はるかロシアを感じる。


ウルムチの町には、日本料理店が二つもあった。
「平政(ひらまさ)」と「江戸の櫻」。

何も旅に出てまで日本食なんて…と思うかもしれないが、
約3ヶ月ぶりの日本食に舌鼓。これは素直に嬉しかった。
店長さんと中国をネタに他愛のない日本語会話。和む…。
何度か通ってしまった。


○照り焼き丼定食。
 刺身や寿司以外にも、カレーとか焼き鳥とか色々ありました。
 これ全部「清真菜」にアレンジされてます。
 イスラム教徒が多い土地なので、豚をはじめ使っちゃいけない食材が
 色々あり、全て配慮されているのです。大変な労力です。


毎日曇ってばかりだが、雨が降るわけでもない。
気温も低く、25度を超えない日も。
これはトルファン盆地の灼熱のアスファルト上の半分。

カルフールにはうんざりするほどモノがあふれ、
宿のトイレは水洗で美しく、水圧も充分。
衛生的で、便利で、快適。
日本と大して変わらない生活に、つい腰も重くなります。

その「生活の落差」が、現代中国を悩ます「格差」なのですが。


下のバナーかテキストをクリックし、応援いただけると嬉しいです。
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村