浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
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2月の法話

2015-02-01 18:25:08 | お知らせ

 

他力といふは如来の本願力なり

親鸞聖人の代表的著述「教行信証(行巻)」にあるとても大事な御文です。

今までも述べてきましたが、煩悩の消えることない私たちは、仏さまにすがるよりほか救いの道のない弱い人間です。

そんな私たちは、自力で仏に近づこうなどという欲を捨て、必ず救うと誓ってくださる阿弥陀さまにすべてを任せ、往生成仏の

約束をさせていただき、安心の人生を歩みたいものです。

そんな、自分の欲の深さを理解し、仏さまに救っていただくしか往生の道はない、すべてを阿弥陀如来さまの本願

(必ず救うとの誓い)に委ねお任せする、無心の気持ちを他力本願というのです。

他力の語源は仏教用語で、「利他」という言葉です。これは(他者に功徳、利益を施すこと)という意味で、自利

(自らの修行によって、自身が利益を得ること)の反対用語です。

ですから「他力」というと「他人に任せる」と解釈されていますが、正しくは「他の人のために」という意味なのです。

この「他力本願」が現代、自分では何も努力はせず、他人任せ、無関心な態度、などと使われていることは、浄土真宗

僧侶として非常に残念なことです。

 

 

もちろんこの誤用されている「他力本願」という言葉の語源も、間違いなく上の「教行信証(行巻)」からなのです。

浄土真宗の宗派としても、この他力本願の間違った使い方をしないように、マスコミに注意しているのですが・・。

残念ながら蔓延してしまった誤用は無くなりそうにありません。せめて浄土真宗門徒の私達だけでも語源と、

正しい使い方を理解して普及させていきたいものです。

 

法話 伊東知幸


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