花のアート写真工房

Ⅰ:透明水彩画集
Ⅱ:旅エッセイ(海外編)

【アートに対する情熱は、青春そのものです!】

フォトエッセイ:尾瀬からのメッセージ~その3「風が吹くとき」

2009年04月25日 23時41分44秒 | 尾瀬からのメッセージ
       

       

         

 尾瀬を訪れるひとは、8月の下旬に入るとめっきり少なくなる。あたり一面閑散として時たま行きかう人に出くわすと、人懐かしい気持ちになる。生活感のないシーンと張り詰めた静寂な空間である。その中で、時折聞こえる鳥のさえずりと、風による木立や葉のこすれる音が不気味に聞こえる。

 風は、生き物のように息をしている。あるときは強く吹き、またあるときは弱くなる。そしてぴたっと止まる瞬間もある。花の写真撮影は、その時がシャッターチャンスである。
 その感覚を味わうなら、まず寝転んで目を閉じよう。葉のこすれる音がどこからともなく聞こえはじめ、徐々に大きくなり、そして徐々に去っていく。ヨシなどの葉が乾燥しきった秋口は、迫力ある風の息使いに自然の驚異すら覚える。
 数十年前、ステレオ効果を売りにした映画館が現れ、私は観に行ったことがあるが、その類ではない。
 童話の世界では、風が「ぴゅっー」とふくと何かの予感を連想させる。風は、目に見えないだけにドラマチックである。


 

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