せっかく南の島に来たのだから、ひと目、熱帯魚を見たくバリ島の南にあるヌサドゥア地区でシュノーケリングすることに決めた。
途中、昼食の調達のため、ジンバラン市場に寄った。地元の人が利用するようなこじんまりとした店が道路沿いに露店を出していた。売り手のお母さんの笑顔がいい。やはり、市場は活気がある。
そこで、腹持ちをするようなお菓子と果物を買った。果物は、果物の女王といわれるマンゴスチンと真っ赤な色にトゲがたくさん生えた独特の外観を要するランプータンを選んだ。その味は、あっさりとした甘味にわずかな酸味があり食べやすかった。店には、大きなざるにいろいろな果物が陳列していた。日本に帰ってから、もっといろいろな未知なる果物を試してみたかったと悔やんだ。
海は、波が少し荒く沖合に出る子船が大きく揺れた。私は、少し乗っただけで、船酔いをした。足ひれをを着けることは、初めての経験で自分の腹がじゃまして装着するのに一苦労した。海に飛び込み、泳ぎを忘れたトドのように船のいかりの先に繋がったロープを握りしめないと、波にさらわれそうで不安であった。海の世界は、ど近眼の私はにとって、普通に見ることもままならないのに、今日は、水は濁って、おぼろげに数匹の熱帯魚をみただけだ。日本に帰ってから、「せっかくバリ島に行ってマリンスポーツしなかったの?」と言われるのがしゃくだから、経験したことに意義があると言い聞かせた。その上、足ひれを着けて船に戻ることの大変さを味わった。私は、運動不足を実感した。
帰り道、エステサロンに寄った。これでバリ島のフルコースメニューを味わうことになった。部屋は、きれいで落ち着ける雰囲気であった。
私達男性は、3人部屋で、あまりにも心地よかったのか他のふたりは、途中で寝てしまったとのこと。もったいない。
その部屋に設置してあるシャワーは、お湯が豊富にでて、感動した。久しぶりに頭をきちんと洗うことができた。爽快である。
4日間、同じワンボックスカーを利用した。その運転席のフロントパネルには、チャナンというヤシの葉の上に花が飾られたお供え物がおいてあった。チャナン作りは、バリ人女性の毎日のたしなみのひとつだそうで、色々な場所で見かけた。また、祭礼が毎日どこかでおこなわれおり、お供え物を頭に乗せて歩いている姿を頻繁に見かけた。
いくつかの国を旅行して、私は、初めて宗教心の強い人々の暮らしを垣間見た思いがする。
この最近、ブータン王国の幸福度が高いことが話題になっている。私は、バリの人々も、それと共通するものを感じた。