業務連絡 大名マークさん サエモンさんが至急連絡ほしいそうです。
アスペクトレシオと言う言葉は、元々航空機の翼の揚力を計算する時の用語だったらしいのですが、映像技術業界では、画面の縦横比のことを言います。
実際には4:3とか16:9とかなので正確には横縦比ですね。
同じ映像の世界である、フィルムの業界では、35mmとか、ダブル8とか規格の種類は山ほどある割りに、細かい縦横比の数値の議論というのはあまり重要ではなかったようです。
それは恐らくあるがままにスクリーンに投影されるからでしょう。
つまり、アスペクトレシオを間違えて放映すると言う事態が起こりえなかったのですね。
一方テレビ技術は初めから電子工学の世界。
アナログの時代は、画面サイズが4:3になるように調整すると言う作業が、映像モニターやテレビ受像機側も、カメラ側も必要でしたから、常に意識せざるを得ない要素でした。
時々場末のラーメン屋などにある壊れかけたテレビの絵が縦方向に詰まって、人がデブになった絵を見たことがある方も多いと思われます。
つまり故障していたり、設定が間違っていると、縦横のバランスが悪い絵が伝送されてしまう可能性がある世界なんです。
今でこそ撮像素子であるCMOSやCCDが、表示素子である液晶やプラズマディスプレィには調整すると言う機能はないかもしれませんが、デジタル的にある法則に基づいて設計されていると言う意味では同じです。
アナログ時代の4:3と言うアスペクトレシオは、どうやら当時のフィルム映画の画面から来ているようです。
人間の目は左右に並んでいますから、視野は横長、それで横に長い長方形になったのだと思われます。
4:3=1.33
技術的にはレンズの設計にしても、当初使用されていた撮像管やブラウン管と言った真空管にしても、画面を円とか正方形、つまり縦横比がが1:1で使用するのが一番効率が良いのですが、まぁとにかくフィルムの時代に横長が主流になったんですね。
黎明期のテレビは正方形だったかもしれません。
1:1=1.00
そしてテレビが一般的になり、映画産業がその影響を感じ始めたころに、より高い臨場感を求めて35mmフィルムを横方向に使い出し、より横長のワイドスクリーンへ発展して行ったのですが、テレビも今のデジタル放送の基になったハイビジョン規格が策定される時に最初は5:3で始まりました。
高精細であることが最も重要なアドヴァンテージのはずなんですが、さらに目新しい差別化ということもあって横長が採用されたのでしょう。
このとき初めから、CCDや液晶素子の使用が可能であれば、もっと横長になっていたかもしれませんが、まだまだ真空管の世界でしたからこのあたりが限界。より横長にしたかったハリウッド方面からの要求をちょびっと受け入れた日本側の譲歩で、16:9と言うことになりました。
16:9=1.78
わかりやすく縦側を9で統一すると、アナログ時代が12:9、最初のハイビジョンの提案が15:9、今のデジタル放送は16:9と言う横縦比になります。ちっともわかりやすくないか。
テレビ技術の業界では、さらにややこしいことに、13:9で制作した番組があったりするのですが、それを置いといても、とにかく16:9と4:3の素材が混在して伝送されているところに混乱の元があり、さらにややこしいのは、そのあたりのことを理解できている人が業界内でも数%と思われ、時たま場末のラーメン屋のテレビみたいな絵が、大画面横長テレビに映ってしまったりすることもあるのですが、そのあたりの話は別な場所で。
電気的に何とでもなるから、何とでもなっちゃうんですね、結局。
今日書きたかったのはデジタル写真のアスペクトレシオなんです。
35mmフィルムで写真を撮っていた時代、フィルム上の画面サイズは標準で36x24mmでしたから、アスペクトレシオは3:2でした。4:3より横長です。
大昔の写真や、大判の一枚撮りのフィルムは置いておいて、もう少し上級のカメラ用のフィルムは、120と言う通称ブローニー版という6cm幅のフィルムで、結構いろんな使い方をされ、私が知る限りでも、6x4.5、6x6、6x7、6x8、6x9、もっと横長の特殊カメラもあったかも。
いろいろです。
3:2=1.50
で、最近のデジカメなんですが、どうも一眼レフに代表されるより高級と言われるカメラは、3:2が主流、コンデジと言われる、より庶民的なカメラは4:3が一般的なようなんです。
GX100
もちろん設定で16:9や3:2、カメラによっては1:1の正方形が選べたりもするんですが、デフォルト、つまり搭載されている撮像素子が、3:2と4:3なんですね。
DP1
デジイチやDP1が3:2標準なのはとても良く理解できるんですが、コンデジの4:3標準がどうも理解できないんです。プリントすると3:2ですよね。
D-LUX3
D-LUX3は16:9がデフォルトなんですけどね。
確かにCCD撮像素子が開発された当初、1980年代は、アナログテレビカメラ向けがメインで、まだまだデジカメは一般的ではありませんでしたから、4:3だったのは良くわかるんですが、どうして今のカメラに4:3なんでしょう。
仕事で使う映像のアスペクトレシオが、どんどん4:3から16:9になっている世界にいるからかもしれないのですが、どうも4:3のサイズが好きではありません。どこかで、劣るものと言う意識があるのかもしれませんね。
DMC-FT1
だからなのか、それとも長く35mmフィルムカメラを使ってきたからなのか、私のコンデジも、3:2で撮影するのが標準。ケータイにはそのモードがないので、16:9で撮ったりしています。
皆様はどうですか?