先日の虫干しのときに、カメラの一覧表を整理。
まだまだこの場で紹介していない銘機がたくさんあるのがわかりました。
私はまあカメラなら何でも欲しいのですが、ゆっくりですが集めているのは、主に自分と同じ1950年代生まれの35mmレンジファインダーカメラです。LeicaならⅢfからM3,M2の時代。Ⅲgもありますがまだ入手できません。
今日紹介する2台は1950年ごろの製造と考えられます。
まずは、VoigtländerのProminent
ドイツを代表する大衆機メーカーの高級機です。あまり一般には知られていないかもしれませんが、ブランド名は今でも残っています。
上から見ると
このころのカメラにはまだほとんどフィルム巻き上げレバーがなく、右側のダイヤルを反時計方向に360度回して巻き上げます。
それから、このレンズ、距離の目盛りがありませんね。
絞りだけ。
このカメラはレンズの前半分を広角や望遠に交換できるのですが、ピントはレンズ全体を前後して調節するのです。
そのつまみは、左側のダイヤル。
被写界深度の表示もちゃんと刻まれています。
半世紀前に、LeicaやContaxはとても買えないけど、写真が大好きなドイツのお父さんが使っていたものでしょう。大柄で立派なカメラです。
そしてAgfaのKarat36
Agfaはヨーロッパ最大のフィルムメーカー、ドイツの富士フィルムです。
Fujifilmと同じくカメラもずっと生産してきました。
いわゆるスプリングカメラ
ボタンを押すと
ポン、とレンズが飛び出します
レンズとボディは蛇腹でつながっています
一番変わっているのは、ファインダーです。
普通のレンジファインダーカメラは、上のプロミネントのように構図を決める大窓と距離系用の小窓、かなりサイズの異なる二つの窓が並んでいるのですが、このカメラでは同じ大きさの窓が、上下にずれて並んでいます。
ファインダーを覗き、上と下の絵が、左右にずれたものをずれがなくなるようにFocusをまわすとピントが合う仕掛けです。背面の覗き窓も二つの窓のちょうど間にあります。
このカメラにはフィルム巻上げレバーがついているのですが、
普通のカメラとは逆、外から内へ、右から手前に人差し指で巻き上げます。
このカメラはスプリング式の機構といい、コンパクトに収納できることを目標に設計されたカメラですね、巻上げが逆なのは、おそらくそのために犠牲になっているのでしょう。
旅行大好きなアマチュアカメラマンがポケットに入れて、アルプスやら、シャンゼリゼに持っていったのでしょうね。
いじっているだけで、想像は膨らみます。
それから2台のカメラを見て気づくことはありませんか?
レンズの根元の部分のデザインが似ています。
これはシャッターの部分です。
Synchro Compurというロゴのあるメカニズム。
共通です、同じ時代のRetinaなども同じ。
LeicaやContaxのようなレンズ交換式のカメラは、レンズにシャッターがついていたら、暗室以外でレンズ交換が出来なくなるし、レンズも複雑になってしまうので、フォーカルプレーンシャッターといって、フィルムのすぐ前に平面状のシャッター幕をおいています。これは最新のデジタル一眼レフ等でも同じです。
レンズを交換しない前提だと、どこにでもシャッターメカを置けます。
一方、シャッターはカメラの中でももっとも精密なメカニズムが要求される部分で、どのカメラメーカーもなかなか自社で開発が出来なかったと思われます。
それでこのCompur社の部品を買ってきて付けているのです。
Karatはレンズがシャッターの前に固定されていますし、Prominentは一応広角望遠レンズがあるのですが、前玉交換式。レンズの後玉の前にシャッターが固定されその前にレンズマウントがある形になっています。複雑ですが、この複雑さも、収集家にとっては魅力なのです。
ちなみに、同時代の日本製のカメラを見ると、SeikosyaやCitizenのシャッターがついているんですよ、ロゴも誇らしげに。フィルムカメラは、光学技術、精密機械技術、化学、そして工業デザインが融合した芸術品なんです。
まだまだこの場で紹介していない銘機がたくさんあるのがわかりました。
私はまあカメラなら何でも欲しいのですが、ゆっくりですが集めているのは、主に自分と同じ1950年代生まれの35mmレンジファインダーカメラです。LeicaならⅢfからM3,M2の時代。Ⅲgもありますがまだ入手できません。
今日紹介する2台は1950年ごろの製造と考えられます。
まずは、VoigtländerのProminent
ドイツを代表する大衆機メーカーの高級機です。あまり一般には知られていないかもしれませんが、ブランド名は今でも残っています。
上から見ると
このころのカメラにはまだほとんどフィルム巻き上げレバーがなく、右側のダイヤルを反時計方向に360度回して巻き上げます。
それから、このレンズ、距離の目盛りがありませんね。
絞りだけ。
このカメラはレンズの前半分を広角や望遠に交換できるのですが、ピントはレンズ全体を前後して調節するのです。
そのつまみは、左側のダイヤル。
被写界深度の表示もちゃんと刻まれています。
半世紀前に、LeicaやContaxはとても買えないけど、写真が大好きなドイツのお父さんが使っていたものでしょう。大柄で立派なカメラです。
そしてAgfaのKarat36
Agfaはヨーロッパ最大のフィルムメーカー、ドイツの富士フィルムです。
Fujifilmと同じくカメラもずっと生産してきました。
いわゆるスプリングカメラ
ボタンを押すと
ポン、とレンズが飛び出します
レンズとボディは蛇腹でつながっています
一番変わっているのは、ファインダーです。
普通のレンジファインダーカメラは、上のプロミネントのように構図を決める大窓と距離系用の小窓、かなりサイズの異なる二つの窓が並んでいるのですが、このカメラでは同じ大きさの窓が、上下にずれて並んでいます。
ファインダーを覗き、上と下の絵が、左右にずれたものをずれがなくなるようにFocusをまわすとピントが合う仕掛けです。背面の覗き窓も二つの窓のちょうど間にあります。
このカメラにはフィルム巻上げレバーがついているのですが、
普通のカメラとは逆、外から内へ、右から手前に人差し指で巻き上げます。
このカメラはスプリング式の機構といい、コンパクトに収納できることを目標に設計されたカメラですね、巻上げが逆なのは、おそらくそのために犠牲になっているのでしょう。
旅行大好きなアマチュアカメラマンがポケットに入れて、アルプスやら、シャンゼリゼに持っていったのでしょうね。
いじっているだけで、想像は膨らみます。
それから2台のカメラを見て気づくことはありませんか?
レンズの根元の部分のデザインが似ています。
これはシャッターの部分です。
Synchro Compurというロゴのあるメカニズム。
共通です、同じ時代のRetinaなども同じ。
LeicaやContaxのようなレンズ交換式のカメラは、レンズにシャッターがついていたら、暗室以外でレンズ交換が出来なくなるし、レンズも複雑になってしまうので、フォーカルプレーンシャッターといって、フィルムのすぐ前に平面状のシャッター幕をおいています。これは最新のデジタル一眼レフ等でも同じです。
レンズを交換しない前提だと、どこにでもシャッターメカを置けます。
一方、シャッターはカメラの中でももっとも精密なメカニズムが要求される部分で、どのカメラメーカーもなかなか自社で開発が出来なかったと思われます。
それでこのCompur社の部品を買ってきて付けているのです。
Karatはレンズがシャッターの前に固定されていますし、Prominentは一応広角望遠レンズがあるのですが、前玉交換式。レンズの後玉の前にシャッターが固定されその前にレンズマウントがある形になっています。複雑ですが、この複雑さも、収集家にとっては魅力なのです。
ちなみに、同時代の日本製のカメラを見ると、SeikosyaやCitizenのシャッターがついているんですよ、ロゴも誇らしげに。フィルムカメラは、光学技術、精密機械技術、化学、そして工業デザインが融合した芸術品なんです。