大盛況

２０１６年７月記　

前回、呟いた大型スーパー跡地に　大型ショッピング店が

オープンした。

親の１週間分の買い物を担当している私としては　

不思議な事に願った通りの格安スーパーが

いつも、近所に出現するのだ。これで４件目・・・

 

しかし、それにしても　今日は開店日という事もあり　

駐車場は満杯で車は大渋滞し　店内に入るまで

１時間３０分近くかかったのであった。

 

私「ママ、引き返そう！何も今日買う事ぁない　

普段が買えれば良いのだから」

妻「じゃあ　此処で降ろして、後で電話するから迎えに来て」

私「一人で買い物するのは無理だって！わかった　ほんぢゃ～　

車を家に置いて　後でバイクで来るから　」

 

自宅に引き返し　戻ってきたが　長蛇の列、

黒山の人だかりは変わらない。

４列縦隊が何百メートルあっただろうか、

列のトップは恐らく４時間前から並んでいたに違いない。

 

そこまでして　￥５００円安いコメを買いたいのだろうか・・

政府が２パーセントのインフレ等と言って

いたが　庶民の買い得に対する気持ちは頂点に

達しているのだ　デフレは続くよ何処までも・・・

ぬわにが　トリクルダウンぢゃ！

早う　緊縮財政辞めて　ベーシックインカムでも

やって　国民ばぁ～救わんかい！

未来、労働力不足で物が生産できなくなり

そん時こそ～お待ちかねのハイパーインフレぢゃ

銭の価値が無くなるぞい！紙幣は喰えんからなっ！

 

マネー資本主義は　悪魔の収奪だからなっ！

異人公認ギャンブラーの胴元と知恵比べしたって　

敵うもんかっ！最終的にゃ　丸裸だぜっ！

恐ろしいほど　頭が良すぎるからな・・・

とボヤてみる。

 

それにしても　誰が、ここまでの盛況を予想しただろうか。

参列者のイライラは　今や怒りに変わろうとしている・・・

店側も気を利かし粗品を配りだした。

（ほー　気がきいてるやんけ）

 

隣に並んでいた　人相のあまりよろしくない

兄ちゃんだけが　開店饅頭をもらえず　ムジュムジュ

呪文のような言葉を言い出した。

（おい、どうした？悔しいから念仏でも唱えているのかっ？）

不気味に思った俺は　饅頭を配ってる姉ちゃんに

「お、おい！この人饅頭もらっていないぞ！」と

サポートして　もうすぐ発狂するであろう一歩手前を

見事に封じ込めたのであった。

 

押すな押すなの大盛況で　婆さんは

「ギャッ」と、つんのめり　爺さんは「おおっ！」と

悲鳴をあげる。

 

慣れない、人ゴミに子供は泣きだし　

駐車場に入れぬ車は「ビーッ！」とやかましく

クラクションを鳴らし怒りまくった。

 

目立ちたがり屋で寂しがりやな愛情に飢えた暴走族は

「パララパララ」とホーンをならし アクセルを

「♪フォンフォンフォンフォンフォフォフォフォーン♪」と

ふかしまくって　存在をアピール！

サングラスを掛け子供を抱いた　ドラム缶の様な体の

族OBが「しゃーしかったい！きしゃーん※」

と叫ぶ。※通訳　（うるさいぞ　きさま！）　

（おいおい　100Ｍ離れとるんだから　聞こえんぞ！

子供は預かるから　走って行って直接、

蹴りを入れてきませんか？）と助太刀を買おうと

思案する私・・・

 

これで　バトンガールと紋付き袴のじい様がでてきたら　

映画「鎌田行進曲」の一場面になるだろう。

 

中には　しれっーと　順番を守らず列に加わり　

「饅頭もらっとらん！」と嘘をこき　沢山、饅頭を

せしめる爺さん・・・

 

何故、来たのか判らぬが近くの交番から警察まで

動員されたみたいだ。駐車場で取っ組み合いの

喧嘩でもあったのだろうか・・・

 

一人でクスクス笑いを隠せず　下を向いて　

ニヤニヤ笑っていた俺も　他人が見たら、

頭がおかしくなったと思ったのではないだろうか・・・

 

嗚呼　日本も三等国家に落ちたのだと　

今日一日を振り返り悲しい気持ちになったのだ。

 

Ps　残念な話だが　今日、買い物した感想だが　

米は別として　後の値引き商品は　この系列の

スーパーでは日常の値引き商品の値段とさほど

変わりはなかったのである。

寧ろ高い物も沢山あったのだ。

皆、開店日だという事だけで期待して　

あの人だかりに酔ったのではないか

　　

私自身、鍛えられて来たので　相当な目利きに

なっているみたいだ。もう少し　鮮魚に力を

入れないと思ったより売り上げは伸びんだろう。

なんといっても高齢者が多い地域だからな・・・　

俺、スーパー評論家にでもなろうかな・・・