福岡の看板屋 独り言(看板.・カワムラ)TEL092-935-7058

皆様に生かして頂いてる看板屋としての呟きです。内容は独り言なので、万が一気分を害された方が居られましたら何卒ご容赦。

何ちゅうこっちゃ!

2024年07月01日 | Weblog

昔の理髪店の店主っちゅうのは

職人気質の人達が多く 「どこか痒い所はないね?」と

聞かれても 特に少年時代は なんか遠慮してしまう

っちゅうか~なんちゅうか 本中華。

誇りを持って仕事をしとったんですな・・・

 

そんな 私も二十歳も遠に過ぎ  荒くれ武者、

職人気質の大人になっていた・・・

 

トある 理髪店にて・・・

 

理髪店 店主:「どげなスタイルにしますか?もみ上げは

        どげんしますか?残すとね?」

私:「斜めに切って下さい」

 

店主は仏頂面で蒸したタオルをコネコネしながら

私の顔の上に置く。あ~っ気持ちがいい 今日の

一日の疲れが吹っ飛ぶようだとそのまま眠りに就いたのだ。

 

店主:「お客さん 終わりましたよ」と声をかけられる

寝ぼけ眼で 鏡に映った 姿を見てぶっ飛んだ!

鏡の前でゴルゴ13の殺し屋のような顔した俺が叫ぶ!

「なっ・・なんな?こりゃぁああああ!」

 

巻きずしの海苔のように黒く強調された揉み上げは

私の童顔との相性の悪さが余計に乖離され、まるで

学芸会でお笑いコントでもやるための ふざけたメイクを

施したようにも見えたっ!爽やかさを求めたのに・・・

こ、これぢゃぁ~レモンスカッシュを頼んだはずが

昆布茶が出て来たようなもんだぜっ!

それも 余計な「羊羹」を添えてなっ!

 

オイオイ!これじゃあ ビートたけし氏が扮する

アルプス工業権左衛門みたいなオッサンだぜ!

このまま帰ると皆の笑いものだぁ!

悪ふざけは良いから 早くなおしてくれっ!

 

私 :「あ~っ!もみ上げは斜めにカットっち 

言うたっしょうが!ちゃ~んと、聞いとってからにっ!」と

唾を飛ばし飛ばし タコみたいに口を尖らせ抗議ス。

 

ニヤニヤし 「どんなもんだい」と観客から笑いを

とったり!・・・と満足気に どや顔の漫才師よろしく 

突っ立っとった店主・・・

(俺ャ~また ジョークでやったのでニヤニヤ

しとったのかと思いきや)

 

忽ち 顔が曇り出し 硬直し始め・・・

店主、手をタオルでふきふき ハサミと櫛を胸元のポケット

にしまうと 俺の据わっている 椅子に両手をかけ 下を

向いて ため息をついたかとおもうと みるみる顔を真っ赤

にし ヤレヤレと呆れた口調で、こう返してきた・・・・

 

店主:「お客さん アンタ、さっき もみ上げを

長めにカットって言ったよなっ!」と

自信たっぷりに言い返して来たのであった。

鏡越し見る表情は まるで鬼の首を盗ったかのように 

眼は力ずよく輝き 確信に満ち ぶちぶち文句を垂れる

ならず者を諭ス 雰囲気に圧倒され テクノカット

明確に、口にしなかった自分を恥じつつ

 

一時の異様な沈黙が二人を無言にしたのだ これを

膠着状態と言ふ・・・そして静寂をやぶる私。

 

私:「・・・斜めにカットしてくれって言うたと

長めじゃ~ないっ!」

大福を海苔で巻いたような 異様でダサいもみ上げを

ビイ~ンと横に 剥がすようにひっぱり 

この店は角刈りのオッサンばかりで若者が来ないのか?と

嘲りを込めつつ抗議するのであったが

 

お互い 職人気質で 一歩も譲らなかったのでありまする。

大した事かよっ!もみ上げを斜めにカットするだけだぞっ!

それが 現在流行中のテ・ク・ノ・カットってやつだ 

爽やかを気取る若者は皆、これをやっちょる

覚えときなはれっ!

 

何て事ぁ~ないだろう!?やり直したくない理由が知りたい

長いもみ上げに 何か強いこだわりでもあるのかっ!?

それとも プレスリーの大フアンなのか?

 

やっと やり直すようにしたのだが

定規をもってこらせて 「こう切ると こう斜めにっ!

マジックで書いてもいいぜっ!」とねちっこく 

ディスって応戦したのは遠き想い出・・・

若かったんだなぁ~あの頃

 

ps 昔 カールアイパーってのが流行った・・・

鏝と液を使い パーマのようでパーマでない 熱く焼いた

鏝で髪を巻いて癖をつける髪型だ・・・

短髪なので 出来上がりは頭の皮が引っ張られ 

顔が突っ張らかり 洗濯のりを顔じゅうに

塗りたくったような つっぱり感が嫌だった・・・

 

仕上がりが ちびくろサンボかブッシュマンみたいな感じで

何であんなヘアースタイルにしたのか・・・

江戸時代にチョンマゲが普通だったように

人間の美意識っちゃぁ~摩訶不思議!

 

最近見ないねぇ~あの頭っ!