計画中の小さな住宅 mini_ka(ガレージのあるH氏の小さなすまい)
昨日施工会社と打合せたところ、考えていた構造形式が、その場所での工事が難しいという結論になった。。
設計者としては、何とも恥ずかしい話。
いろいろな街で、その敷地と近い条件の場所で工事されている建物を見ていて、「いけるんじゃないか」とふんでいたのだが、
「近く」ても実際の「その土地の条件」とは別ものだった。
お金をかければ、可能ではある。
しかし、小さな建物のボリュームから考えると、
そこまでするのはどうかと思う。
そもそも、そんな予算では考えていない。
他の業者を探し「やれるよ」という所もあるのかもしれない。
今まで幾つもの業者に当ったが、工事を請けてもらうことすら
ままならない今現在の状況で、そこに辿り着くまでは、時間が
かかり過ぎる。
ならば構造形式を変えるしかない。
施主にその旨を伝えると、、
「そうなるかもしれないと思っていた」と寛大な言葉をいただき、了解していただいた。
本当にありがたかった。そしてひたすら恐縮。。
施工会社との打合せ後、落胆して、正直、その敷地をうらめしく思ってしまった。。
今日、役所に変更における諸問題について確認に行った帰り、敷地を見に行った。何度見たところでその周辺環境が変わるわけではないのに。。
敷地は、細い道に住宅や工場が密集する地域。周辺には都電が走り、一見雑然とはしているが、とても味のある地域。
はじめて施主と、その土地を見た時、「ここならいいな」と思った。土地探しに時間が掛かった方なのだが、だから「もうこれでいいや」と思ったわけではない。純粋に『住みつく』っていう感じがして「いいな」と思ったのだ。近くには超高層のマンションもある、建売もある。それなのに、なぜ、わざわざ雑然としたほんとに下町的なその土地なのか。。でも、「だからこそ」の価値がある。
その街は、雑然として決して「きれい」とは言えないけれど、決して「いやだ」とは思わない。むしろ「面白い」。。
駅へと向いながら、そんな事を感じていた。
この先も問題は出て来るだろう。でも・・
この街に 必ず作る
そう思った。