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古い家とどう付き合うのか(1):九段ハウス


九段ハウスを見る機会があり行ってきました。

九段ハウスについてはこちら↓

 

九段 kudan house

『九段 kudan house』は九段に所在する歴史的建築として名高い『旧山口萬吉邸』を拠点にした会員制クラブです。

昭和2年に完成し、今年で97年。

2018年に登録有形文化財に指定されています。

同年にリノベーションされ会員制のビジネス拠点として使われています。

普段自由に見る事ができないのですが、時々イベントがありその時に(イベントの内容によっては)中に入る事ができます。

当時の最先端の技術やこだわりぬいたデザインのこの建物を一度は見てみたいと、この九段ハウスの事を初めて知った数年前から思い続けていました。

やっと念願叶って、イベントの趣旨とはまったく違う目的で堪能しました。

とは言え、来てる人の数が多くじっくり見て感じる事はできませんでしたが。。

そういう状態なのもあってか、正直言うと、手放しでこの古く味わいのある家(建物)を感動できませんでした。

人が多いから、というか、作り変えた部分が妙によそよそしく感じてしまったのです。

ただ、それを否定するつもりはありません。

100年経とうするその建物を「保存しよう」と関係者の方々が選んだのは

「活用しつづける」事でした。

その結果、残すところと更新するところを分けるのは当然の事。

建物を保存するのに一番いいのは「使い続ける」事です。

学術的な価値のあるものとしての「保存」もあります。「貴重な資料」として残す事も必要な場合もあるでしょう。

ただ、その場合は建物の魂は薄くなります、もしくは離れてしまいます。

いい悪いではありません。

(つづく)

とはいえ、このような建物では、新しくした部分には何も興味が向きません。

とても惹かれたのは特に、廊下と階段。

個人宅として作られた建物ですから当然スケールは住宅の、もの。

幅も高さも大きすぎず、気持ちいいのです。

手摺や照明もなかなかいいですし、曲線を使った柔らかさが、優しく感じます。

細部にあるデザインや職人の仕事が、心地よい緊張感を醸し出しているかもしれません。

エントランスから続くホールの階段は、気持ち良い曲線を描いていますが、

ゆったりした階段寸法で上り下りしやすく感じます。

やはり「動作が自然にできる」事は大切です。

一番最初に心奪われたのは・・

設備部分の鉄の扉(笑)

この建物の大きな特徴として、庭側に半屋外の空間があって、外のような中のようなあいまいさが、なかなか気持ちよかったです。

日本建築の「縁側」のようなものですが、もっと部屋的に考えられています。

写真は1階のポーチ。

照明がとても、素敵でした。

立派な門です。これだけでもこの建物の風格を表しています。

機会とタイミングが合えば、ぜひ一度中に入る事をお勧めします。

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