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既製品の建具に「違和感」を感じる理由を考えた

建材メーカーの既製品建具が好きにはなれない。

建具というのは、部屋にとても大きな影響を与えるもので、設計をする者としては繊細に考える部分であるため、どうしても既製品の建具になじめないというところは、ご容赦いただきたい。

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既製品の建具が使われた家に入ると、とっても違和感を感じてしまう。

既製品の建具は、いろいろ研究開発されてとっても良くできている事は認めざるを得ない。

なのになぜ、違和感を感じるのだろう?

 

1つ目は・・ 既製品が醸し出す「メーカー」の匂い。

具体的なメーカーの名前はわからなくても、すぐにカタログをイメージしてしまうのだ。

シリーズ名、品番、が書かれたくさんあるサイズや仕上げごとに、たくさん写真が掲載されている。

見えないんだけれど「メーカーのシール」がベタベタ張られているような気がしてくる。

もはやメーカーに支配されている・・?かのようにすら感じてしまう。

 

2つ目は・・ 悪い意味での甘さ。

メーカーは「クレーム」が怖い。取り付ける職人からのクレーム、そして使うユーザーからのクレーム。

「職人からの・・」は、取付やすさ。・・だろうと思う。

職人達は、さっさと取付を終わらせたいのだ。いちいち細かい調整なんてしたくない。よって「目地」が大きくなる。目地とは、建具と枠との間のすき間とか隣合う建具とのすき間 の事。

取付・調整しやすいようその部分の巾に余裕があるので「目地」が大きくなりとても目立つ。それが、建具としての存在を強調し、「1つ目」につながる。

目地が大きいという事は、動かす時に「擦る」事もなく、「音がする」とか「扉の角がはがれてきた」とかの「ユーザーからのクレーム」を減らす事ができる。

建築用語に「逃げ」という言葉がある。それは、物が動く時にぶつからないように少し距離をあける事。ただそれは字のごとく逃げるのではなく、「原理として逃げは必要」というだけで、ギリギリまでその寸法を小さくするのが本来の職人の仕事。というか腕!(技術力)

既製品は 目地が大きくて 悪い意味で「逃げている」。悪い意味の「ラフ」=雑さ、を感じてしまう。

そんな気持ちになってしまう。

3つ目は・・ 既製品の「規格寸法」が優先される。

既製品を取り付けた残りが、微妙な寸法だったりする。あとちょっと大きければ気持ち良く納まるとか・・その既製品をつけるために無理やりな取付方をして「なんのため?」という事も。

つまり、住む人の気持ち良さよりも既製品が優先される家なんだ!という事。

1~3まで・・ 結局、メーカーのための家であり、住む人の気持ちや暮らしは「その次」という

事になっていて、「既製品の建具を使った家」に伺った時に、それがすごく感じられてしまうのだ。

 

だから、

建材メーカーの既製品建具が好きにはなれない。

 

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こちらは、既製品の建具を使ったクローゼット。

もともと枠が白かったのでちょうどよかったのだが、扉をはずし、木製の建具を作り白い塗装をし、つけ直した。枠と建具との間の目地の巾をどうしようもないが、建具同士の目地は減った事に気が付くだろうか?

感じる「目地」が細くなり、かなり気にならなくなったと思う。かなり気持ちがすっきり!

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次は、元は和室の入口の引戸。

上の枠(吊戸のレールがある部分)が大きく、いかもに「付けました!」という感じがする。

また、枠の上から天井までの寸法が微妙に残る。

そんな感じが気持ち悪い。

部屋を作り変えたので、扉も作り直した。上の枠は控え目にし、扉の高さは天井までのギリギリに寸法にしている。

この二つの事例・・ メーカーから開放された気分がして、気持ちいい~

どこにもある「既製品(メーカー)の家」ではなくて、住む人にとっての家に変わる!とう事。

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今回の事例写真はこちらの家↓

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ハウスメーカーの注文住宅を築3年でリノベーション

中板橋の家(第1期)

中板橋の家(第2期)

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あなたの家が既製品の建具を使っていて、あなた自身が何か「気に入らない」と思われているなら、戸だけ「オーダー」で製作する事をお勧めする。家が「あなたが納得する家」に変わるから!

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