月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

103.韓国寺院の本堂・大雄殿仏と祭(月刊「祭」2019.6月13号)

2019-06-15 18:08:22 | コリア、外国
韓国の仏教寺院に行くと、その雰囲気が日本と非常に似ており、また日本でお馴染みの仏様がいらっしゃることに親近感を覚えます。
ですが、やはり、異なる言語で異なる政治体制の元=異なる文化の元育まれた信仰や寺院、そして祭は日本とは異なるものに発展していました。

●新羅や高句麗、高麗においては仏教は手厚く保護されてきました。ところが李氏朝鮮時代になると、儒教が国教となり廃仏策が吹き荒れました。

第3代 太宗 七年(1407) 宗派を7つ(曹渓宗・天台宗・摠南宗・華厳宗・慈恩宗・中神宗・始興宗)に統合します。

第4代 世宗 六年(1424)さらに7つの宗派を禅、教の2つに統合しました。
曹渓宗・天台宗・摠南宗→禅宗
華厳宗・慈恩宗・中神宗・始興宗→教宗

ちなみに世宗は訓民正音=ハングルを作った人物であり、朝鮮半島の人々にとっては文化的、精神的な拠り所となっています。

朝鮮の廃仏策の根拠となったのは、その迷信性でした。逆に言えば、寺院として政府の弾圧から生き残るためには、迷信性や御利益を求めるものより必要だったのは、その学問としての性質や、原理主義的な信仰だったと言えます。

●韓国の大雄殿仏・(本堂)
仏教の教理に従っての仏教は、伽藍配置にも忠実に現れてきます。例えば日本では観音菩薩や閻魔大王、そして神社においては護法のための善神が本堂仏(神)となります。韓国の寺院では最近では観音宗などという教団があるのですが、基本は如来が大雄殿にきます。しかも、「東方薬師」や「西国阿弥陀」なども大雄殿仏となることはほとんどありません。少なくとも管理人は見たことありません。

↑南原市実相寺、阿弥陀如来をまつる極楽殿

↑南原市実相寺、十王がいる冥府殿

大雄殿仏となるのは、教宗だと毘盧舎那仏(奈良の東大寺=大花厳寺でもまつられています。)、禅宗だと釈迦牟尼仏が多いようです。
釜山市 梵魚寺の大雄殿


南原市 実相寺の普光殿(本堂)

実相寺伽藍配置図


●韓国の法会
韓国の法会も盛大なものになります。地域で法会を盛り上げるというよりも、信者で盛り上げるという要素が強いように見えることが多いです。
近所で祭を盛り上げるというわけではないので、盛り上がったとしても、飲酒もなく日本の祭のような混沌としたものにはなかなかなりません。
そして、メインイベントは有名な僧による講話となります。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿