●東大寺お水取り
奈良の東大寺で春の訪れを告げる行事の一つが、東大寺の修二会です。その途中でおこなわれるお水取りは、二月堂内でおこなわれる行で使われる御香水を取りにいく行事です。
↑二月堂
↑水を取るための井戸が中にある「閼伽(あか)井屋」
●閼伽(あか)井屋はaqua井?
その御香水を取りに行く建物が閼伽(あか)井屋と呼ばれる建物です。よって御香水も閼伽(あか)水と呼ばれます。そこで、短絡的にこう考えました。「閼伽(あか)はaquaだ!」
と思って、ウィkpディアやこのサイトによると、元々はサンスクリット語のarga (価値)という意味だそうです。水と共に使われることが多い言葉であること、日本の音ではrが脱落している(漢訳時点でも?)ことがその要因と考えられそうです。
西洋の文化とのつながりを語ろうとした安易な目論見は見事に打ち砕かれました。
●若狭鵜の瀬のお水送り
下の写真は福井県小浜市の遠敷(おにゅう)にある神宮寺です。ここでは、お水送りたる行事が行われます。これは、釣りに興じて若狭の遠敷明神が東大寺への参列が遅れたお詫びに、毎年東大寺に御香水を送ることになったという伝承を元にして行われています。
↑神宮寺
↑鵜の瀬の給水所↓
●神聖な水
若狭のお水送り、奈良のお水取りという壮大な水をめぐる儀礼を見ると、単なる儀礼の道具という範疇を水は超えているように見えます。水を神聖視する思想は、西洋の聖水文化とも共通しているといえます。
しかし、「遅刻したそのお詫び」という伝承は多神教の大らかさを感じさせるものにも思えます。
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