月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

340.神社奉納の祭礼絵馬を見るときの注意(月刊「祭御宅」2021.5月9号)

2021-05-17 19:21:58 | 屋台・だんじり・神輿-その他伝承、歴史-

・この祭礼絵馬はどこに掲げられている?
 

 この祭礼絵馬を見ると、祇園祭であることが分かります。左から先頭は長刀鉾、次は傘鉾(多分綾傘鉾、もしかしたら四条傘鉾かもしれません。)、その後はおそらく芦刈山、そして右上の唐破風の鉾は菊水山であると考えられます。


↑長刀鉾



↑綾傘鉾


↑菊水鉾

 この祭礼絵馬は、祇園祭が行われる京都の八坂神社(祇園社)にかけられているもの、、、、ではありません。

 この絵馬があるのは、なんと広島県、安芸の宮島。厳島神社本殿むかって左手にある旧阿弥陀堂・現在の千畳閣に掲げられています。文字が読めなかったので、誰がどのような意図をもっていつ奉納したのかは分かりませんでした。





●宮島の祇園祭絵馬が教えてくれること
 さて、日々祭りのことをあれやこれやと考える祭オタクや、研究する人に対して、「これ気いつけなはれや」と宮島の祇園祭り絵馬が教えてくれることがあります。この絵馬を見れば多くの人が、「祇園祭」だとわかるはずです。宮島にも山鉾があったと考える人はいません。

 しかし、他地域の資料が少ない神社ではどうでしょうか。絵馬を見て、即その神社の昔の祭礼風景だと早合点してしまわないようにしたいものです。この国では、他神社の祭の絵馬を掲げる習慣があるということを念頭におかねばなりません。



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