月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

ミンカン2 -大学では キャンパスと産学のしわ寄せ-

2006-01-03 09:53:55 | 民俗・信仰・文化-時事・コミュニケイション-
 僕自身を含め、多くの人にとって、大学生時代とは人生の中で、最も思い出深い時間の一つになっていると思います。

 昨今では、その大学もバブル崩壊後の就職氷河期を経て、就職指導に力を入れるところが多くなってきているようです。そして、その傾向が多くの学生のニーズに応えるものであるということも事実でしょう。また、就職に直結しない学問は軽視されがちになるのも、背に腹変えられぬ状況となっては仕方ないことなのかもしれません。

 一方、大学経営の面においても、いわゆる「無駄を省く」「ミンカン」の経営がもてはやされています。現代的な建物がたちならぶキャンパスで、コンピューターで管理されたカリキュラムをこなすことで、社会に通用する人材に、効率よく学生を育て上げることが「成果」や「結果」としてもてはやされます。

 そのような流れの中、学生にとっての時間の「無駄」、経営側にとっての経費の「無駄」を省くために、夜の一定の時間以降は学生をキャンパスに残さないようにする大学もあるそうです。それは、研究室のあたえられた大学院生も例外ではありません。僕はこのような学生の集いや思索の場を奪う風潮を快くは思いません。確かに就職や資格試験の勉強は電車の中や、自宅でもできます。しかし、何万円もする大事典や絶版の稀書を使う好奇心にまかせた調べ物、仲間との夜を徹した議論、大学生の想像力やコミュニケーション能力、そして、コペルニクス的な発見を生み出すための貴重なチャンスもまた、大学生には必要なものです。金銭の都合上、下宿の出来ない学生が増える中、そのようなことが出来る場として、キャンパスはこれまで以上に重要な役割を担っています。

 そのキャンパスをはやばやと閉ざすような経営に本当の意味での未来はあるのでしょうか?韓国は図書館が二十四時間あいてるのだとか。羨ましいかぎりです。

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