一橋MBAブログ 「くにたち」な日々

HMBA有志による非公式リレーブログ

わかりやすいストーリー

2006-11-01 21:41:53 | 戦略ってなに?(P&N)
こんにちは。P&Nです。

先週に続き、プロ野球の日本シリーズの話題にします。

残念ながらドラゴンズに奇跡はおこらず、日本ハムが押し切って日本一となりました。個々のプレーも勝因敗因なのでしょうが、中日には「ストーリー」という逆風が吹いてしまったような気がします。

まずは「新庄の引退の花道を飾らせてやりたい」というストーリーです。さらに、ビジネスや経済の関心が強い人には「景気が悪い北海道を何となく応援したい」という気持ちもあったのではないでしょうか。

「北海道に来て3年目、球場を満員にして、優勝をして、自分の野球人生の花道を飾る」というベタベタのストーリーは少しできすぎだよね、というちょっと皮肉な心の声と、達成しちゃったらそれはやっぱり感動モノだよね、という心の声とが私の心の中に両方あったように思います。さすがに古巣タイガースを破って思い出の甲子園で日本一、とまではいきませんでしたが。

今日授業で、ある企業の社長さんの講演がありました。創業約30年の企業で、ものづくりの特殊技術に絞り込んでいるために会社規模は大きくないですが、その技術を持つ会社は日本で唯一、そして世界では4社だけという企業です。

社長さんが言うには「自分が信じる主張を10年間訴え続ければ、それが他人からはどんな風変わりな主張に見えても、”騙されて”支援者になってくれる人が出てくる」ということでした。 ”騙されて”という大変謙虚な言い方をされたのですが、そのエネルギッシュな話し振りを見て、こういう人に何度も同じ話をされたら、確かにそのうち、「わかったわかった」と言ってしまうだろうと納得しました。

新庄が日本ハムに入団したときの会見をうっすらと覚えています。確かに球場を満員にする、優勝したい、といったようなことを言っていました。「相変わらず言ってる言ってる。元気そうで何より。」と思っていましたが、まさか本当に実現してしまうとは・・・。恐れ入りました。

あるストーリーが単純で分りやすくて語り手が本気で信じていると、人を巻き込み流れができて本当に実現してしまう、という例なのでしょうね。