サバイバー日記

炎症性乳がんと告知されて6年間。多発転移しつつ、生きたサバイバーな日々の記録と家族の日記です。

サバイバー日記[15](メール配信)

2008年05月17日 | サバイバー日記(メール配信済み)
【サバイバー日記】15  「血は水より濃し・・・」:2002/10/23配信

この月曜日から、術前最後の抗ガン剤投与だった。
今回も吐き気などの副作用はほとんどなくて済んでいるものの、やはり食欲がない。
で、薬も思うように飲めない・・・

昨日は娘が「ご飯を食べないとママ、退院できないんだよ!!」と言って、針が刺さったままで右手が使えない私に食べさせてはくれるのだが、受け付けなかった。
でも、この子はいつの間にこんな事を言えるようになったんだろう。
娘には「ママがいなくても、ちゃんとお野菜もご飯も食べようね」と言っているのだからまったく情けない母である。

「ご飯食べられましたか?~」と看護士(婦)さんがいつも聞きに来るので、あまり食べられなくても「え~、半分くらいは・・・」と嘘をつく私。
(だって、そう言わないと退院できないんだも~ん)
「(体調に)変わりありませんか?」とI医師が一日に三回くらいくるのだが、
「すっごく、変わってます・・・」と言ったらどうゆう反応をするんだろうか?
I医師は、あまりに真面目なので、ついからかいたくなるキャラである。

しかし、抗ガン剤を投与したらすぐに腫瘍が小さくなるものでもないし、このところはあまり劇的にも小さくならないような気がする。たぶん抗ガン剤の耐性が出てきたように思える。今、腫瘍の部分が約10㎝ぐらいなので、手術痕が大きくなるのでやはり皮膚移植をしなければならないそうだ。でも、こうしてる間にもガン細胞が私の身体を蝕んでいるかと思うと、早く切ってすっきりしたい気分になる。でも反面、違う抗ガン剤を使ってもう少し小さくしてから切った方がいいのではないか?と思う気持ちも有って、それとなくI医師に聞いてみた。「長引かせても、全身に転移してから(手術)では遅いですし・・・」と言われ、そりゃそうだと思いとどまった。
一晩で胸が小さく変わってたらどんなにいいだろうと思いながら胸を見る。

やはり今日も「は~い、お変わりありません。」と元気に答える。

手術は、I医師の都合もあって、約三週間後私の体調を診てから11/18頃くらいに考えているようだ。もしくは早くして11/11頃か?それぞれのドクターの(学会)予定もあるので、まだはっきりはわからないそうだ。どちらにしても、10/30に新横浜に行き、11/1に福井のS病院に行くので、体調には充分注意しなければならない。
それに、実母の人工関節の手術後の経過が思わしくない。私の体調を診て、2週間くらい入院加療が必要なようだ。母も手術後にもかかわらず私の病気のせいで無理をしたんだと思う。でも、「痛いのなら、うちの家事をしないで座っていて」と、何度止めても「私は(娘のためにも)やらなきゃならない」と意固地になる母を見ると、
「血は水より濃し・・・」と思うのだった。

サバイバー日記[14](メール配信)

2008年05月17日 | サバイバー日記(メール配信済み)
【サバイバー日記】14:2002/10/15配信

今日で3回目の抗ガン剤投与からちょうど2週間たった。
今回は一回目のように吐き気もなく食欲もあり、食欲の秋を満喫できて嬉しい。

カニ夫の父母から採ってきてもらった杉茸を早速「キノコすき焼き」をしたり、鯖が安いので「鯖すき焼き」をしたり、さつまいも掘りに行って芋蔓を採ってきて、蕗のように焚いたり秋の収穫を美味しく堪能してる。
でも、 サティで秋冬物の買い物をしたり、おにぎりを持って手取川の河原で食べたり、手取フィッシュランドに行ったりしてたら、さすがに疲れて昨日は使い物にならなかった。

先週は娘の就学時検診もあって、病気になってからなかなか会えなかったママ友達と久し振りにランチしたり、お茶をしたりで
「私達より元気よね~」と言われるくらい・・・で家族も不思議顔だったのに
家事も普段通りにしたのもつかの間でした。(笑)

今日はまた、娘を眼科に連れて行き、母を歯医者に迎えに行って、私は外科でホルモン治療と血液検査でと、3つの病院をまわったあと、近畿日本ツーリストでチケット(※10/30には活性自己リンパ球療法という免疫治療を受けに行くための家族相談で新横浜に行きます)を受け取り、厄よけで有名な神明さんのあぶり餅を買い、今、これから耳鼻科に行き、娘を保育園からピックアップしてバレエへと行かねばならない。白血球も安定したので、今日からは毎日病院に注射しに行かなくても良いそうだが・・・。
でも、ドクターに「まあ、この調子で来週また(抗ガン剤)投与ねっ!!」
と言われると、「あ~~~、またか・・・・」とドヨ~ンとしてしまうのであった。
フゥ~、病院通いも結構疲れるものなのだ。

※10/30(水)は9:30羽田着20:00羽田発の日帰り予定です。そのまま、リムジンバスで新横浜の駅に行こうと思っています。診察は15:30~の予定なので新横浜の近くでランチしようかと思っていますが、お勧めのところありませんか~?


-- では、また~!!   \(^。^)/

サバイバー日記[13](メール配信)

2008年05月17日 | サバイバー日記(メール配信済み)
【サバイバー日記】13 --------「冷静と情熱のあいだ」:2002/10/02配信

この間、TVで自律神経を刺激すると自然と痩せるという方法が紹介されていた。
痩せていた自分を(痩せている事がなかった人は痩せている自分を出来るだけ具体的に)想像すると鏡に写っている自分も痩せているように見えるようになり、脳を騙して自己暗示にかけ、痩せている(痩せていた時の)自分の行動をするのだそうだ。
もちろん、キムチとコーヒーのような刺激物を食べるなど、自律神経を鍛え、一番大事なのは、「痩せたい」と思わないのがコツらしい。
痩せたいと思う事は脳にストレスが絶えずかかり、一時は我慢しても、脳がストレスに耐えられず、リバウンドするのだそうだ。

私の一番痩せていた時というと、小学校の高学年くらいか?でもあまりに記憶が遠すぎて今の自分からは想像できないので、大学一年のテニスの合宿直後としよう。
それでも(そんなに痩せてはいなかったくせに)、
今の体重ー15㎏だ!!
(うへ~、うっそ~とひっくりかえらないでね、病気になってから3㎏痩せたのに)
それで、 ピン!!ときた。
病気と闘う時もこれに似て、病気である今の自分は本当の自分ではなく一番痩せていて健康で幸せでだった頃を自分だと思うようにすればどうだろうか?と思った。
痩せていて健康とくれば、やはり、大学時代の自分か?
おぅ、もう20年もたってるぅ~(皺も増えたし、このたるんだ身体はどうだ!!)その頃からは二倍は生きていると思うと果てしなく遠く感じられるのだが、最近の私はなぜか大学の頃を思い出してしまう。昨日の事にも思えるのだが・・・

先週、「冷静と情熱のあいだ」をDVDで観た。
昨日、同じタイトルの江國香織と辻仁成の2冊の小説も読んだ。
ミラノ、コモ、ルガーノ、フィレンツェの街並みや臭い、日本とは明らかに違う空の青さを思い出す。特に2度目のフィレンツェの時は飽きるくらい名画をみてクラクラするほどだった。(あまりに歩いたために2週間で7㎏の減量したくらいだ)

日本画を描きながらもデザイナーの立場でイタリアのいろんな装飾を観て、感動したものだった。感動??最近、感動したものがなかったな~とふいに思う。
それなりに子供の運動会や、バレエなどを観て感激することはあっても、自分のエナジーを動かすものには出会っていない。
「なぜ?絵を描くのか?」はこのところ一番、私の頭を悩ませている。
冷静に絵を描く事は私には出来そうもない、いや、今まで冷静に描く事もなかった。
だからこそ、今描こうという気持ちはあるのだが、描けないでいる。
「こんな、ものでいいのか?」
今までは、自分の情熱に届かず、ただ、絵筆をぶつけていた。

主演の竹ノ内豊が好きで観た映画だったけど、絵画修復士という主人公順生のストイックなまでの情熱や、「行くべきところ」を探すあおい(ケリー・チャン)に大学の頃の自分を思い出すからなのだろうか?
修復不可能とも思えるこの私の身体に奇跡が起こる事を願うのであった。

                                   つづく

サバイバー日記[12](メール配信)

2008年05月17日 | サバイバー日記(メール配信済み)
【サバイバー日記】12 --------「芸術の秋」:2002/09/30配信

このところの私は、尼のように精進料理の日々・・・
というのも、癌になってから三度三度の食事が一番大事というので塩抜き、肉抜き、油抜き(動物性)・・・など以前とはうってかわる健康オタク。
狂ったように「肉が食べた~い!!」と思う事もないのは不思議ですねぇ~。

でも、好きな甘味は止められないので「りんごピザを食べにいこう!!」と誘われればホイホイと付いていきます、どこまでも・・・
獅子吼高原の「もく遊りん」のピザが好きなサバイバー家は昨日もいそいそとピザを食べに行きました。
「めちゃ、美味しい・・・♥♥♥」
と娘は私の分も横取りして食べるくらいのピザ好きになり、美味しいもの好きの我が娘を少々心配になる私・・・(少々まずいものは、まず食べない)

それから、お召かしして、娘のバレエ教室が競演する「クルミ割り人形」をオーケストラアンサンブル金沢(「利家とまつ」でも演奏している)の演奏で観てきました。
初めての音楽堂ホールで生音でのバレエ公演で、否が応でも興奮は高まるというのにちょうどお腹がふくれた娘は昼寝タイムに突入して・・・・
眠たいので機嫌も悪く、前の人の座席を蹴るは、知ってる曲の鼻歌を歌うはとまわりの方にはお構いなしになり、
「コラァ~!!!!!!!!」と怒ころうにも声も出せず、私と旦那は同時に両側から足を押さえ込み、口を塞ぎ、(これじゃ~児童虐待だ!!)
「めっ!!」と睨むのでした。

こうしてサバイバー家の芸術の秋はすぎていく~。

明日から風邪で延期になっていた抗ガン剤投与のための3回目の入院です。
先週は単調な入院のために冬に見過ごしていた「冷静と情熱のあいだ」と「アメリ」のDVDを借りて観ましたが、今日もまた何か借りて来ようと思ってます。
お勧めはないですか?

-- では、また~!!   \(^。^)/