バックハウスのベートーヴェン：ピアノ・ソナタ

私が好きなウラディミール・ホロビッツもスヴャトスラフ・リヒテルも、そしてマルタ・アルゲリッチ

も自分たちの主張が出ている、とても特色のあるピアノを弾きます。しかしヴィルヘルム・バックハウ

ス（1884年～1969年）の弾くベートーヴェン：ピアノ・ソナタはバックハウスが自身の存在そのものを

消して、ただひたすらベートーヴェンの曲を表現するために全身全霊で弾いているように聴こえる。精

密機械と呼ばれるマウリツィオ・ポリーニのピアノとも違う、真摯に譜面に向き合った結果、自分なり

の強弱や間を一切拒否したような演奏だ。生徒もほとんどとらず、学校でも教えずに一生一演奏家とし

て生きたという。


ベートーヴェン　ピアノ・ソナタ第14番「月光」　第８番「悲愴」　第23番「熱情」　ポリドール（株）
　　　　　　　　

　　　　　　　　ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」　第17番「テンペスト」　第26番「告別」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ポリドール（株）