広田寛治のブログ

音楽と社会と歴史と

歌謡曲のルーツと誕生についてのメモ(1)

2012年09月11日 13時56分55秒 | 日本史のなかの音楽
歌謡曲のルーツと誕生について3回に分けて考えてみたい。
まずは事実関係の確認から。「歌謡曲」という言葉が誕生したのは、1934年(昭和9年)のこと。それまで「流行歌」と呼ばれていた民衆の音楽を、NHKが歌謡曲と呼び始めたのだ。ちょうど民衆にラジオが普及し、検閲が始まった頃のことだ。
つまり、「歌謡曲」と名付けられた音楽は、1934年には、すでに誕生していたことになる。では、歌謡曲の誕生は、どこまでさかのぼることができるのか。歌謡曲の前の呼び名「流行歌」という言葉が生まれたのは、レコードの電気吹き込みが始まった頃だという。それ以前は「はやり歌」と呼ばれていた。
「はやり歌」が初めてレコードになったのは、1914年(大正3年)のこと。当時の「はやり歌」には、2つの大きな流れがあった。ひとつは、江戸時代のどどいつなどの流れから西洋風に転嫁したいった「演歌」の流れ。もうひとつは西洋音階の唱歌教育から生まれ、日本化していった「はやり歌」。
日本で最初にレコードになった「はやり歌」は、演歌系が神長瞭月「残月一夜」(当時の音源はないかも)、唱歌系が松井須磨子「カチューシャの唄」。 ‪http://www.youtube.com/watch?v=TiMpE83f8GM …
演歌師に歌い継がれたものを、昭和になって採譜したものらしけど「残月一声」はこんな感じ。大正の頃からすでにバイオリンの伴奏はついていた。 ‪http://www.youtube.com/watch?v=D6y0iZPS2mE …
おそらく、歌謡曲の起源はこのあたりまでさかのぼれるかと思われるが、次はもう少し別の角度から考えてみることにする。
(8月30日のツイートより)


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