(つづきです。こっちは主に感想)
2018年 中国
◆キャスト
トン・ウェイ:ヤン・ミー
シエ・シャオフェイ:ファン・ズータオ
チン・ティエンユー:ディラン・クォ
シエ・シャオティエン:ライ・イー
シャン・ビーチェン:ジュー・シューダン
ヒロインは「永遠の桃花~三生三世~」「扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~」に出てたヤン・ミー。
主演は元EXOのファン・ズータオ。このドラマで知りました。私が見に行った2015年味スタのa-nationにも出てたのかなーって調べてみたら、残念ながらその1週間くらい前にEXO脱退してました。
そして、ファン・ズータオの弟役に、ヤン・ミードラマでお馴染みのライ・イー。出てきたときには、お、今回は主演のお兄ちゃん役か、って思ったら弟役。あれ?そんな年齢だっけ?って思ってちょっと調べたらやっぱライ・イーの方が3コくらい年上でした。
そしてそして、トン・ウェイに思いを寄せるチン・ティエンユーを一途に思う後輩シャン・ビーチェン役にジュー・シューダン。「永遠の桃花」で、めちゃめちゃ嫌な女役の玄女を演じてましたが、「スウィート・ドリィームズ」では、初めこそ邪魔なヒロインのライバルでしたが、最終的には他の同僚とくっついていい人になる役。そして今回は最初っから最後までめっちゃ健気でいい娘役だったので、きっとここで好感度上がって、そろそろヒロインを演じる日も近いんじゃないでしょうか。
あとは、シャオフェイに思いを寄せるチェンシーを好きなヤン・シャオ役に、「マイ・サンシャイン」でイーチェンの同僚弁護士役だった趙楚侖(この人
名前読めない。チャオ・チュールンて書いてたり、ジャオ・チューグァンて書いてたり?)。この方、「花千骨」とか「扶揺」とか、ちょいちょい見かけるんですが、「マイ・サンシャイン」以外可哀そうなくらいやな人の役。「マイ・サンシャイン」はけっこう出番の多い主要メンバーに入ってたけど、人物相関に絡んでこないので紹介されない。そういった意味だと、「扶揺」では相関に絡んでる役だったのに、「扶揺」自体に登場人物多すぎて、紹介としてはスポットが当たらないっていうね。まぁ、私的にも推しメンにはならない人なので仕方ないか。
あ、あともう一人。シャオフェイの親友でレストラン経営してるルオ・ビン(リー・ドンホン)も、「永遠の桃花」で夜華の叔父さん役やってた人だね。
◆感想
このドラマ、ちょっと主人公たちの置かれた環境が自分と違いすぎるためか、中国人との気質の違いのためなのか、何かとストレスのたまるドラマです。
主人公のシャオフェイが堪え性がなくすぐキレちゃうのもそうだし、(まぁ、今まで何不自由なく暮らしてきた富豪からいきなり庶民になった格差を表現するためとは思いますが)やり手の談判官であるはずのトン・ウェイが、私生活のことになるとなかなかにコミュニケーション能力が低下する。(家族に好印象を持つよう恋人を紹介できないし、恋人の父親との関係もうまいこと解決できないし・・)
まー、でも若いうちの間違った決断は、何度でもやり直しがきくし、取り返しのつかないものはない、っていうのが主題のひとつなんでしょうか。
そして、中国ドラマで往々にして多いのが、友達の余計な発言。シャオフェイの親友だって言ってるルオ・ビンは、シャオフェイはトン・ウェイしか愛せないって言ってるのに常にチェンシーとの間を取り持とうと余計なことをしてくるし、トン・ウェイの親友っていうシャンシャンも、トン・ウェイが絶対に好きになることはないっていうのにティエンユーをグイグイ勧めてきて、挙句、酔ったエロい日本人に絡まれたところをシャオフェイに助けられたくせに、シャオフェイがチェンシーと抱き合ってたとか、嘘の証言をするし。
実際、この二人がいなかったら、このドラマ半分くらいの話数でスッキリできる気がする。
だいたい、シャオフェイが苦境に立たされる原因の5割は、チェンシーがシャオフェイを好きな気持ちを諦めずにそれを周りが察知して嫌がらせをしたり、シャオフェイとくっつけようとしたりするせいだったりするし。ヤン・ミーほどじゃないけど、チェンシー役の女優さん、実年齢がファン・ズータオより5歳年上で、化粧も濃いからなんかときどきオバサンに見えちゃのもちょっと・・・って感じで最後まで好きになれなかった。
また、ちょっと思ったのが、中国での職業に対する差別的な考えが酷くない?っていうこと。レストランの配達員て、そんなに恥ずかしい仕事なのか?ウーバーイーツ全否定?
昔、中華料理店で中国人と一緒にバイトしてた時に、中国人の友達に皿洗いの当番が回ってきたので知らせに行ったら、「中国では皿洗いは一番身分が低い人のやる仕事。だからほんとはやりたくない。」ってブツブツ言っていた。(まぁ、なんだかんだ割り当てられた仕事をするんだから悪い子ではなかったけども)むしろ、面倒な客相手に接客をやりたくなかった私は「日本では、職業に貴賤はない、って言葉があって、どんな職業も尊重されるものだよ」って言って代わってあげたんだけど、ちょっとそういう文化の違いにびっくりました。(まぁ、日本でも皿洗いは何もできない下っ端がやる作業って認識はあるけど、それでも下積みっていう感じだし、忙しいレストランとかでは、食器洗い専門の人がいて、誰かがす代わりにやっても同じクウォリティで仕事はできないようなノウハウがあったりもするよね。)それがまだ根強く残ってるんだなー。
日本のドラマでは、ちょっと前の瀬戸康史あたりがチャラいけどそれでいてある種のプライドも持った感じで配達員の役、やってそうだよね。
このドラマの解せないことのもう一つが、登場人物の名前の法則性。
主人公のシャオフェイの父親がティエンヨウで、その弟である叔父の名前がティエンチョン。なるほど父親の兄弟の名前はティエン〇〇シリーズかと思いきやトン・ウェイに想いを寄せる弁護士の名前が、ティエンユー。
で、シャオフェイに弟のシャオティエンときて、チェンシーに想い寄せる科万(コーワン)の社長の名前がヤン・シャオ。
漢字だと全く違う文字なのかも知れないけど、カタカナ字幕だけ追っていると、なかなか登場人物の名前が覚えきれない・・・。
あとは、キスシーン。シャオフェイからトン・ウェイに対する、いちゃいちゃしながらのデコチューがけっこう多いんだけども、口と口とのキスが2回しかなかったような?しかも接触時間がめっちゃ短い。えってくらいの。キスシーンが好きですごく見たいってわけではないんだけど、なんかそこに注目しちゃうくらい不自然になかった。ファン・ズータオがまだアイドルに片足突っ込んでて、ファン離れが心配で嫌がったんだろうか?(若かりし宮崎あおいがNANA2の出演を断ったように)考えすぎ?ただただ、デコチューが流行ってるだけ?
それから疑問点が一つ。
シャンシャンが臨月間際に、バスルームで転んじゃってそのまま亡くなっちゃうところ。そんな派手な転び方じゃなかった気がするけど、この時期に転んじゃうとそんな簡単に死んじゃうものなの?そしてそして、自分ですぐに救急車呼んでたっぽいのになぜトン・ウェイは、「あのときあと5分早く駆けつけられてたら、シャオフェイに止められてなかったらシャンシャンは死んでなかったかも」っていう発想になるのか?ニューヨークから上海まで飛行機で15、6時間かかるんじゃないの?とっくに病院に運ばれてたはずなのに、トン・ウェイがちょっと早く着いたからって、最後の時をもう少し長く一緒に過ごせたくらいで、命は左右されなかったでしょ。
ついでに、シャンシャンの彼がなぜちょうど亡くなった後に来たのかが謎。今朝、式場予約したのにって、式場予約してる暇あったらもっと早く駆けつけられただろうに、なぜこのタイミングなのか?病院に運ばれた直後には誰も連絡してあげなかったってこと?トン・ウェイも、ニューヨークで飛行機待つ間とかに連絡してやれよ、って感じです。
あと、最後ちょっとあっさり終わりすぎ?私的にはもうちょいラブラブ感に浸って終わってほしかった。
だいたい、ハワイに行く必要ってあったのだろうか?ハワイを一緒に生きる決断をする地にして、最後にまたそこで終わるっていううまいことまとめてるけど、きっと旅行会社がスポンサーに入ってて、その旅行会社がこのドラマ制作中に推してたのがハワイ旅行だったんでしょう。ドラマがうまいこと跳ねれば聖地巡礼じゃないけど、行きたくなるしね。とりあえずこのドラマ見てもハワイに行きたいとは思えなかったけど。もうちょいちゃんとしたアロハシャツ着るとか、ムームー的なものでもいいから真剣に現地の衣装着て、フラダンスをちょっと踊るくらいして欲しかったなー。(なんとなくですが。)
一番よかったのは、ビーチェンの存在。ビーチェンがティエンユーに近づけば近づくほど感じる安心感。しかも、どこまでもいい子だし。
いい子度合いでは、ティエンティエンが無事に付き合えた彼もそう。この二人は素直で人格と情緒が安定していて、ほんとに見ていて癒される。
でもまぁ、ちょっと冗長的な部分が多くて長すぎる感はあったけど、ちゃんと期待を裏切らない相手となんだかんだ困難を乗り越えてハッピーエンドで終わったので全体的にはよかったかな。
あ、あと1コ忘れてたけど、「談判官」って何だろうって思ってたら、企業同士の提携とか行う際に橋渡し役的な、交渉をする職業みたいです。
あー、そういえば「交渉人」とかいうドラマあったなーって思ったけど、日本で言う交渉人は、警察側からみた犯人との交渉をする人でしたね。なんだろ?日本で言うとコンサルタントとかがそれに当たるのかなー?それとも企業弁護士かな?でもそれティエンユーの仕事だしね。ここ10年くらいの間にできた中国の新しい隙間産業だろうか?よく分かりません。
と思って調べたら、このドラマで作られた架空の職業でした・・・。
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